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建築確認取消訴訟と土地改良事業完了後の訴えの利益の違いとは?

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・建築確認の取り消しを求める訴訟(裁判)と、土地改良事業の完了後に訴えの利益が認められるケースの違いについて疑問を持っています。
・最高裁判所の判例(判決)を読んでいて、なぜこのような違いがあるのか理解できませんでした。
【悩み】
・建築確認取消訴訟では、建築工事が終わると訴えの利益がなくなるのに、土地改良事業の場合は、事業が終わっても訴えが認められる場合があるのはなぜですか?
・それぞれの違いについて、わかりやすく教えてほしいです。
法律の世界では、裁判を起こすためには、その訴えによって「利益」があることが必要です。この「利益」とは、裁判で勝つことによって、何らかのメリットがある状態を指します。
裁判を起こす人が、裁判で勝っても何も変わらない、つまり何のメリットもない場合は、裁判を起こす資格がないとされます(これを「訴えの利益」がないと言います)。
今回の質問にある、建築確認の取り消しを求める訴訟と土地改良事業に関する訴訟では、この「訴えの利益」の考え方が少し異なります。
建築確認とは、建物を建てる前に、その計画が建築基準法などの法律に適合しているかを行政(主に市町村)がチェックする手続きのことです。
建築確認が適正に行われなかった場合、近隣住民などがその取り消しを求めて裁判を起こすことがあります。
建築確認取消訴訟において、訴えの利益が問題となるのは、建築工事が進んでしまった場合です。
例えば、違法な建築確認に基づいて建物が完成してしまった場合、裁判で建築確認が取り消されても、すでに建ってしまった建物を壊すことは、非常に困難であり、現実的ではありません。
そうなると、裁判で勝っても、原告(訴えを起こした人)にとって、実質的なメリットがないことになります。
最高裁判所の判例(昭和59年10月26日)は、建築確認の取り消しを求める訴訟において、建築工事が完了してしまうと、原則として訴えの利益を失うと判断しました。
これは、建築工事が終わってしまうと、たとえ建築確認が違法だったとしても、それを是正(正しくすること)することが難しくなり、訴えを起こした人に救済が及ばない場合が多いからです。
一方、土地改良事業は、農地などの土地を改良し、農業生産性を高めることを目的とした事業です。
土地の区画整理や水路の整備などが行われます。
この土地改良事業に関する訴訟では、事業が完了した後でも、訴えの利益が認められる場合があります。
最高裁判所の判例(平成4年1月24日)は、土地改良事業の完了後であっても、その事業によって生じた不利益が継続している場合、訴えの利益を認めています。
例えば、土地改良事業によって、ある土地の所有者が不当に不利益を被った場合、事業が完了した後でも、その不利益が解消されなければ、訴えの利益があると考えられます。
土地改良事業の場合、事業が完了した後でも、その影響が長期間にわたって続くことが多く、土地の利用や価値に影響を与える可能性があります。
そのため、事業の違法性によって生じた不利益が解消されない限り、訴えの利益が認められるのです。
なぜ、建築確認取消訴訟と土地改良事業完了後の訴えの利益の判断が異なるのでしょうか。
その違いを整理してみましょう。
これらの訴訟に関係する法律としては、主に以下のものが挙げられます。
これらの法律に基づいて、裁判所は訴えの利益の有無を判断します。
この問題で誤解されがちなポイントは、以下の点です。
訴えの利益の有無は、個々の具体的な事情を考慮して判断されます。
もし建築確認に関する問題で訴訟を検討している場合は、以下の点に注意しましょう。
土地改良事業に関する問題で訴訟を検討している場合も、同様に、専門家への相談が重要です。
これらの問題は、専門的な知識が必要となるため、以下のような場合には、必ず専門家(弁護士など)に相談しましょう。
専門家は、あなたの状況に合わせて、適切なアドバイスやサポートを提供してくれます。
今回の重要なポイントをまとめます。
法律の問題は複雑で、個々のケースによって判断が異なります。
疑問点があれば、必ず専門家に相談し、適切なアドバイスを受けてください。
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