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建設工事の会計処理「工事進行基準」とは?適用条件と注意点を解説

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工事進行基準は、工事の進捗度合いに応じて売上を計上する方法です。今回のケースでは、進捗状況に基づき売上を計算し、適切な資料を準備する必要があります。
建設工事のような長期にわたるプロジェクトでは、完成した時点で売上を計上する「工事完成基準」と、工事の進捗度合いに応じて売上を計上する「工事進行基準」という2つの会計処理方法があります。工事進行基準は、プロジェクトの途中で売上と費用を認識するため、より正確な経営状況を把握できるというメリットがあります。
工事進行基準を適用するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。主な条件は以下の通りです。
これらの条件を満たしていれば、工事の進捗状況に応じて売上を計上できます。進捗度合いは、一般的に「原価比例法」または「作業時間比例法」を用いて計算されます。
原価比例法とは、工事にかかった原価の割合で進捗度合いを計算する方法です。例えば、総原価1億円の工事で、3月末までに2,000万円の原価が発生していれば、進捗度合いは20%となります。
作業時間比例法とは、工事にかかった作業時間の割合で進捗度合いを計算する方法です。どちらの方法を用いるかは、工事の性質や、利用可能な情報によって異なります。
今回のケースでは、4億円の請負金額で、3月末時点での工事進捗が10%未満とのことです。しかし、具体的な進捗度合いを計算するためには、原価比例法または作業時間比例法を用いて、詳細な計算を行う必要があります。
例えば、原価比例法を適用する場合、3月末時点での工事原価が、総原価のどのくらいの割合を占めているかによって、売上計上額が決定します。もし、3月末時点での工事原価が総原価の8%であれば、4億円の8%である3,200万円が売上として計上される可能性があります。ただし、JVの構成員比率が20%であるため、計上できる売上は3,200万円の20%である640万円となります。
具体的な売上計上額を算出するためには、以下の情報が必要となります。
工事進行基準は、企業会計原則に基づいており、適用にあたっては、法人税法などの税法上の規定も考慮する必要があります。また、建設業法に基づく会計処理とも関連性があります。
具体的には、工事進行基準を適用する場合、税務上の売上計上時期も、会計上の売上計上時期と一致することが求められます。これは、税務申告において、会計上の売上高に基づいて所得を計算するためです。
建設業法では、建設業者の会計処理について、一定のルールが定められています。工事進行基準を適用する際には、これらのルールに従って、適切な会計処理を行う必要があります。
工事進行基準に関する誤解として、よくあるのが「工事の進捗度合いが低ければ、売上を計上できない」というものです。実際には、工事の進捗度合いが低くても、それまでの工事原価に基づいて売上を計上することができます。
もう一つの誤解は、「工事進行基準は、必ずしも利益を増やすものではない」ということです。工事進行基準は、あくまで売上と費用を適切なタイミングで認識するための会計処理方法であり、利益の金額を直接的に増減させるものではありません。しかし、工事の進捗状況を正確に把握することで、将来の利益の見通しを立てやすくなるというメリットはあります。
工事進行基準を適用する際には、以下の点に注意が必要です。
具体例として、ある建設会社が、総工費5,000万円のマンション建設工事を受注し、工事進行基準を適用する場合を考えてみましょう。この会社は、3月末までに1,000万円の原価が発生しました。総原価に対する3月末までの原価の割合は20%です。この場合、4億円の20%である800万円が、3月末の売上として計上されます。
この会社は、工事の進捗状況を定期的に確認し、原価の発生状況を記録し、会計ソフトに入力することで、正確な会計処理を行うことができます。
工事進行基準の適用は、専門的な知識を要する場合があります。以下のような場合は、専門家である税理士や公認会計士に相談することをお勧めします。
専門家は、工事進行基準に関する豊富な知識と経験を持っており、個々の状況に応じたアドバイスを提供してくれます。また、税務調査や会計監査にも対応してくれます。
今回の質問では、建設工事における工事進行基準の適用について解説しました。重要なポイントは以下の通りです。
工事進行基準を正しく理解し、適切に適用することで、より正確な経営状況を把握し、適切な意思決定を行うことができます。
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