
- Q&A
成年後見制度と不動産相続:認知症の父と遺産分割、どうすれば?
共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック【悩み】
父が成年後見制度の利用を拒否した場合、後見・保佐の申立てはできないのでしょうか? 他に、不動産の相続登記を進める良い方法があれば教えてください。分割協議書なしで、単独で不動産の相続登記を相続人全員の共有とすることは可能でしょうか?
成年後見制度とは、認知症や精神障害などで判断能力が不十分な方(成年被後見人)を保護し、その財産管理や身上監護(生活全般の世話)を支援する制度です。 判断能力の程度に応じて、後見、保佐、補助の3種類があります。
* **後見**: 判断能力が全くない場合。後見人は、成年被後見人の全ての法律行為を代理します。
* **保佐**: ある程度の判断能力がある場合。重要な法律行為(例えば、高額な不動産売買)は保佐人の同意が必要ですが、日常生活の多くは自分でできます。
* **補助**: ある程度の判断能力がある場合。日常生活における特定の行為(例えば、預金引き出し)についてのみ、補助人の援助を受けます。
ご質問の「本人が拒絶すれば申立てできないのか」という点ですが、成年被後見人の意思に関わらず、家庭裁判所が判断能力がないと認めれば、後見・保佐の申立ては可能です。 ご父親の状態から判断すると、裁判所は後見開始を認める可能性が高いでしょう。 ただし、申立てには、医師の診断書や、ご家族の証言など、判断能力の欠如を証明する証拠が必要になります。
成年後見制度は、民法(特に第3条~第11条)と成年後見制度に関する法律に基づいています。 不動産の相続登記は、不動産登記法に則って行われます。
成年後見制度は、本人の意思を無視して、勝手に財産を処分したり、生活を支配したりする制度ではありません。 本人の利益を最大限に考慮し、可能な限り本人の意思を尊重しながら、生活を支援する制度です。 また、後見人・保佐人・補助人は、家庭裁判所の監督下に置かれ、定期的に活動報告を行う義務があります。
遺産分割が進んでいない状況では、まず、相続人全員で話し合い、遺産分割協議書を作成することが理想です。 しかし、ご父親の状態ではそれが難しいでしょう。 その場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることもできます。 調停が不成立の場合は、裁判による遺産分割となります。 不動産の相続登記は、遺産分割協議書または裁判所の判決に基づいて行います。 分割協議書がない場合、単独で登記することはできません。
成年後見制度の申立てや、遺産分割、不動産登記の手続きは、法律や手続きに精通した専門家の助けが必要となる複雑なものです。 弁護士や司法書士に相談することで、スムーズに手続きを進めることができます。 特に、ご父親の状態や、相続関係が複雑な場合は、専門家のアドバイスが不可欠です。
ご父親の状態では、成年後見制度の利用が適切と考えられます。 本人の拒絶があっても、裁判所の判断で後見開始が認められる可能性が高いです。 ただし、手続きは複雑なため、弁護士や司法書士などの専門家に相談することを強くお勧めします。 不動産の相続登記は、遺産分割協議書または裁判所の判決に基づいて行う必要があることを忘れないでください。 専門家の適切なサポートを受けることで、ご家族の負担を軽減し、円滑な手続きを進めることができるでしょう。
共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック