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所有権移転と地役権:AB共有地から生じる地役権の消滅について徹底解説

【背景】
私は、甲地(AB共有)を所有するAから、甲地の持分を譲り受けたDです。甲地は、乙地(C所有)に対して地役権(要役地:甲地、承役地:乙地)を設定されており、登記も済んでいます。売買契約には、「所有権と共に、地役権は移転しない」という特約が記載されています。

【悩み】
この特約によって、地役権は消滅するのでしょうか?乙地の所有者であるCは、私(D)に対して、地役権の消滅を理由に対抗できますか?不安なので、詳しい解説をお願いします。

CはDに対して、地役権の消滅を理由に対抗できません。

回答と解説

地役権の基礎知識

地役権とは、他人の土地(承役地)に、自分の土地(要役地)のために、一定の行為をする権利(例:通行権、排水権)のことです(民法285条)。今回のケースでは、甲地(要役地)の所有者は、乙地(承役地)に何らかの行為(例えば、通行)をする権利を持っています。地役権は、土地に付随する権利なので、土地の所有権が移転しても、原則として地役権も一緒に移転します。

今回のケースへの直接的な回答

質問にある「所有権と共に、地役権は移転しない」という特約は、地役権の移転を排除する効力を持つと解釈されます。しかし、これは地役権そのものを消滅させるものではありません。あくまで、AからDへの所有権移転に伴い、地役権がDに承継されないことを意味します。そのため、CはDに対して、地役権の消滅を理由に対抗することはできません。地役権は、引き続きCに対して有効に存続します。

関係する法律や制度

このケースは、民法(特に、第285条以降の地役権に関する規定)が関係します。民法は、地役権の成立要件、内容、消滅事由などを規定しています。今回の特約は、民法の規定に反するものではありません。

誤解されがちなポイントの整理

「所有権と共に、地役権は移転しない」という特約は、地役権の消滅を意味するのではなく、地役権の移転を阻止する特約です。この点を誤解すると、地役権が消滅してしまうと誤った判断をしてしまう可能性があります。地役権は、独立した権利であり、所有権とは別個に存在します。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

例えば、甲地が通行権を乙地に設定している場合、「所有権と共に、地役権は移転しない」という特約があっても、AからDへの所有権移転後も、Dは乙地を通行することはできません。なぜなら、地役権はDに承継されていないからです。しかし、Cは、Aに対して通行権を主張することはできます。

専門家に相談すべき場合とその理由

土地に関するトラブルは、複雑な法律問題を含むことが多いため、専門家のアドバイスを受けることが重要です。特に、地役権の範囲や有効性、特約の解釈などについて不明な点がある場合は、弁護士や不動産鑑定士に相談することをお勧めします。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

今回のケースでは、「所有権と共に、地役権は移転しない」という特約は、地役権の消滅ではなく、地役権の移転を阻止する効果しか持ちません。そのため、CはDに対して地役権の消滅を理由に対抗することはできません。地役権は、土地に付随する独立した権利であることを理解することが重要です。土地に関する問題には、専門家の助言を求めることが、トラブルを回避する上で非常に有効です。 複雑なケースでは、専門家への相談を検討しましょう。

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