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抵当権の附従性とは?複数の債権者と一つの抵当権設定ができない理由を徹底解説!

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抵当権の附従性によって、なぜ複数の債権者が一つの不動産に抵当権を設定できないのか、分かりやすく教えていただきたいです。具体例を交えて説明していただけると嬉しいです。
抵当権(ていとうけん)とは、債務者が債権者(お金を貸してくれた人)に対して借金を返済しない場合に備え、不動産を担保(たんぽ)として差し出すことで、その不動産を売却して借金を回収できる権利のことです。 簡単に言うと、「お金を借りた代わりに、もし返せなかったらこの不動産を売って返済してね」という約束を法律で守れるようにした制度です。
この抵当権には重要な性質として「附従性(ふじゅうせい)」があります。これは、抵当権は必ず何らかの債権(借金)に「従属」している必要がある、ということです。 抵当権単体で存在することはできず、必ず借金という「主たる権利」があって初めて存在できる権利なのです。 借金がなくなれば、抵当権も消滅します。
質問にあるように、複数の債権者が1人の債務者に対して、一つの不動産に抵当権を設定することはできません。これは、抵当権の附従性によるものです。
それぞれの債権者は、それぞれ独立した債権を持っています。 附従性によって、抵当権はそれぞれの債権に「個別」に設定されなければなりません。 複数の債権者が一つの抵当権を共有することは、どの債権に抵当権が従属しているのかが曖昧になり、権利関係が複雑化してしまうため、法律上認められていないのです。
この問題は、日本の民法(みんぽう)(特に第370条以降)で規定されています。民法は、私たちの日常生活における様々な権利義務を定めた法律です。抵当権に関する規定も民法の中に含まれており、抵当権の附従性や設定方法などが詳細に定められています。
複数の債権者が存在する場合、それぞれの抵当権には順位(じゅんい)が生じます。先に抵当権を設定した債権者の抵当権が優先され、後から設定された抵当権は、先に設定された抵当権の債権が回収された後にしか、権利を行使できません。 これは、一つの不動産に複数の抵当権が設定されることを意味しますが、それぞれの抵当権は個別に設定される必要がある点に注意が必要です。 複数の債権者が「一つの」抵当権を共有するわけではないのです。
複数の債権者が存在する場合、それぞれの債権者に対して、個別に抵当権を設定する必要があります。 不動産登記(ふどうさんとうき)においても、それぞれの債権者ごとに抵当権が登記されます。 この手続きを正確に行わないと、債権回収に支障をきたす可能性があります。 そのため、不動産登記は専門家である司法書士(しほうしょし)に依頼することが重要です。
不動産に関する取引は複雑で、法律的な知識が求められます。抵当権の設定や、複数の債権者を含む取引を行う際には、必ず司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。 誤った手続きによって、大きな損失を被る可能性があるためです。
抵当権は、その附従性から、一つの不動産に複数の債権者が「共有」する形で設定することはできません。それぞれの債権者に対して、個別に抵当権を設定する必要があります。 不動産取引に関する法律は複雑なため、専門家のアドバイスを受けることが重要です。 今回の解説が、抵当権の理解の一助となれば幸いです。
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