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抵当権設定登記と差押え登記の優先関係はどうなる?

【背景】
・自分の土地に、一般の債権者(お金を貸した人など)からの差押え(土地を処分できなくする手続き)がされることを知ったAさんがいます。
・Aさんは、差押えの登記がされる前に、知人に頼んで抵当権設定の登記(土地を担保にする手続き)を行いました。

【悩み】
・この場合、差押えの登記はできなくなるのでしょうか?
・それとも、抵当権に遅れるものの、差押えの登記は行われるのでしょうか?
・もし、抵当権設定の登記が、差押えを妨げるためだけの、実態のないものだった場合はどうなるのでしょうか?
・教えてください。お願いします。

抵当権設定が先なら、原則として差押えより優先されます。ただし、実態のない抵当権は無効となる可能性があります。

抵当権と差押え、それぞれの基礎知識

まず、今回のテーマである「抵当権」と「差押え」について、それぞれの基礎知識を整理しましょう。

抵当権(ていとうけん)とは、お金を借りた人(債務者)が返済できなくなった場合に備えて、土地や建物などの不動産を担保(万が一の時の保証)として設定する権利のことです。 抵当権を設定すると、お金を貸した人(債権者)は、もし返済が滞った場合、その不動産を競売にかけて、お金を回収することができます。

差押え(さしおさえ)とは、債務者がお金を返済しない場合に、債権者が裁判所を通じて行う手続きです。 差押えが行われると、債務者はその不動産を勝手に売ったり、他の人に譲ったりすることができなくなります。 差押えられた不動産は、最終的に競売にかけられ、その売却代金から債権者は債権を回収します。

今回のケースでは、Aさんが自分の土地に抵当権を設定し、その後、一般の債権者が差押えをしようとしているという状況です。 この場合、どちらの権利が優先されるのかが問題となります。

今回のケースへの直接的な回答

原則として、抵当権設定登記が先に済んでいる場合、その抵当権は差押えよりも優先されます。

つまり、Aさんが差押えの登記よりも先に、知人に頼んで抵当権設定の登記を完了させていた場合、その土地は、抵当権に基づいて競売にかけられる可能性はありますが、差押えを行った債権者は、その競売代金から優先的に債権を回収することはできません。 差押えを行った債権者は、抵当権者よりも後の順位でしか、お金を受け取れないことになります。

ただし、これはあくまで原則です。後述するように、例外的なケースも存在します。

関係する法律や制度

今回のケースに関係する主な法律は、民法です。 民法は、私たちが普段の生活を送る上で、さまざまな権利や義務について定めている法律です。

具体的には、民法第389条(抵当権の効力)や、民法第395条(抵当権の実行による妨害排除)などが関係してきます。 これらの条文は、抵当権と差押えの優先関係や、抵当権がどのように実行されるかなどを定めています。

また、不動産登記法も重要です。 不動産登記法は、不動産に関する権利関係を公示するための登記制度について定めています。 抵当権設定登記や差押え登記は、この不動産登記法に基づいて行われます。

誤解されがちなポイント

今回のケースで、誤解されやすいポイントをいくつか整理しておきましょう。

抵当権設定登記があれば、必ず差押えを免れるわけではない。

抵当権設定登記が先行していても、その抵当権が「仮装」されたものである場合、つまり、実際にはお金の貸し借りが行われていないのに、差押えを逃れるためだけに作られたものである場合は、その抵当権は無効となる可能性があります。 この場合、差押えの方が優先されることになります。

差押えられた土地は、絶対に売却できなくなるわけではない。

差押えられた土地は、原則として勝手に売却することはできませんが、裁判所の許可を得て売却できる場合もあります。 また、競売によって売却されることもあります。 差押えは、あくまで土地の処分を制限するものであり、完全に売却を不可能にするものではありません。

抵当権設定の順位が重要。

同じ土地に複数の抵当権が設定されている場合、その優先順位は登記の順番によって決まります。 最初に登記された抵当権が、他の抵当権よりも優先されます。 これは、差押えの場合も同様です。

実務的なアドバイスや具体例

今回のケースのような状況に陥らないためには、いくつかの注意点があります。

事前の対策が重要。

もし、自分の土地に差押えがされる可能性があると知った場合は、専門家(弁護士や司法書士)に相談し、適切な対策を講じることが重要です。 抵当権設定が有効な手段となる場合もありますが、状況によっては、他の対策が必要となることもあります。

抵当権設定は慎重に。

抵当権設定は、お金を借りる側にとっても、貸す側にとっても、重要な契約です。 安易に抵当権を設定したり、実態のない抵当権を設定したりすることは、後々大きなトラブルにつながる可能性があります。 契約内容をよく確認し、専門家のアドバイスを受けながら、慎重に進めるようにしましょう。

登記の確認を怠らない。

自分の土地にどのような権利が設定されているか、定期的に登記情報を確認しましょう。 登記情報は、法務局で誰でも閲覧することができます。 登記情報を確認することで、自分の土地にどのような権利が設定されているか、第三者からの差押えがないかなどを知ることができます。

具体例:

例えば、Aさんが知人にお金を借り、その担保として土地に抵当権を設定したとします。 その後、Aさんが別の債務を抱え、その債権者から差押えをされたとします。 この場合、抵当権設定登記が差押え登記よりも先に行われていれば、原則として、知人が抵当権に基づいて競売を申し立て、その売却代金から優先的に債権を回収することができます。 差押えを行った債権者は、残りの売却代金からしか債権を回収できません。

専門家に相談すべき場合とその理由

今回のケースのような状況に直面した場合、専門家への相談は非常に重要です。

弁護士

法律問題全般について相談できます。 抵当権設定の有効性や、差押えに対する対抗策など、法的観点からのアドバイスを受けることができます。 訴訟になった場合の対応も依頼できます。

司法書士

不動産登記に関する専門家です。 抵当権設定登記や差押え登記の手続きを代行してくれます。 登記に関する専門的な知識や、手続きのノウハウを持っています。

土地家屋調査士

土地や建物の測量や表示に関する専門家です。 土地の境界問題や、建物の登記に関する相談ができます。

専門家に相談することで、自分の状況に合った適切なアドバイスを受け、今後の対応をスムーズに進めることができます。 特に、実態のない抵当権の疑いがある場合や、複雑な権利関係が絡んでいる場合は、必ず専門家に相談するようにしましょう。

まとめ:今回の重要ポイントのおさらい

今回のテーマである「抵当権設定登記と差押え登記の優劣」について、重要なポイントを改めて整理しましょう。

  • 原則として、抵当権設定登記が先であれば、差押えよりも優先される。
  • ただし、実態のない抵当権(仮装された抵当権)は無効となる可能性がある。
  • 専門家への相談は必須。 弁護士や司法書士に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。
  • 事前の対策が重要。 差押えの可能性がある場合は、早めに専門家に相談し、適切な対策を講じましょう。
  • 登記情報の確認を怠らない。 定期的に登記情報を確認し、自分の土地の権利関係を把握しましょう。

不動産に関する問題は、複雑で専門的な知識が必要となる場合があります。 疑問点や不安な点がある場合は、一人で悩まず、必ず専門家に相談するようにしましょう。

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