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故人名義の建物解体と滅失登記:相続人全員の同意は必要?近隣トラブル回避と手続き方法

【背景】
* 叔母が亡くなり、相続手続きが滞っています。
* 相続人の一人から相続に不同意の意思表示があり、数年が経過しています。
* 故人の名義の建物が老朽化し、近隣から苦情が出ています。
* 相続に同意している相続人全員で預貯金を処分し、解体費用を確保しています。
* 不同意の相続人も建物の解体には反対していません。

【悩み】
相続に同意している相続人だけが、故人の名義で建物の解体と「建物滅失登記」(建物がなくなったことを登記すること)を行うことは可能でしょうか? もし不可能な場合は、境界線際の樹木や未登記の倉庫・物置の撤去は可能でしょうか?

相続人全員の同意が必要です。滅失登記は、所有権移転登記後に行います。

テーマの基礎知識:相続と不動産登記

不動産(土地や建物)の所有権は、登記簿(登記所が管理する公的な記録)に記載されています。相続が発生した場合、相続人は、被相続人(亡くなった人)から相続によって不動産の所有権を取得します。しかし、所有権を取得しただけでは、登記簿には反映されません。相続によって所有権を取得したことを登記簿に反映させる手続きを「相続登記」と言います。建物が解体された場合、その事実を登記簿に反映させる手続きが「建物滅失登記」です。

今回のケースへの直接的な回答:相続登記が前提

残念ながら、相続人全員の同意なしに、故人の名義で建物滅失登記を行うことはできません。まず、相続登記を行い、相続人が正式に不動産の所有者になったことを登記簿に反映させる必要があります。相続登記が完了した後、解体を行い、その後で建物滅失登記を行うのが正しい手続きです。不同意の相続人がいる場合、家庭裁判所(裁判所の一種)で遺産分割協議(相続人同士で遺産の分け方を決めること)を行う必要があります。

関係する法律や制度:民法と不動産登記法

このケースは、民法(私人間の権利義務を定めた法律)の相続に関する規定と、不動産登記法(不動産の所有権などを登記する法律)の規定が関係します。民法では、相続人の全員の同意がなければ、遺産分割(相続財産を相続人同士で分けること)ができないと定められています。不動産登記法では、不動産の所有権の移転や滅失を登記しなければ、その効力が第三者(関係ない人)に対抗できないと定められています。

誤解されがちなポイントの整理:不同意相続人の役割

不同意の相続人が、建物の解体自体に反対していないからといって、手続きを省略できるわけではありません。相続登記は、法的に所有権を確定するための重要な手続きです。そのため、たとえ解体には同意していても、相続登記には相続人全員の同意が必要となります。

実務的なアドバイスや具体例の紹介:遺産分割協議と専門家への相談

まず、家庭裁判所に遺産分割協議の申立てを行い、相続人の間で合意形成を図ることが必要です。協議がまとまれば、その内容に基づいて相続登記を行い、その後、建物の解体と建物滅失登記を行います。協議がまとまらない場合は、家庭裁判所が遺産分割の方法を決定します。この手続きは複雑なため、弁護士や司法書士(法律に関する専門家)に相談することを強くお勧めします。

専門家に相談すべき場合とその理由:複雑な手続きと法的リスク

相続手続き、特に不同意の相続人がいる場合の手続きは非常に複雑で、法律知識がなければ、間違った手続きをしてしまい、後々大きな問題に発展する可能性があります。そのため、弁護士や司法書士などの専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。専門家は、手続きの進め方や法的リスクを的確に判断し、あなたをサポートしてくれます。

まとめ:相続登記が不可欠、専門家への相談を

故人名義の建物を解体し、建物滅失登記を行うには、まず相続人全員による相続登記が不可欠です。不同意の相続人がいる場合は、家庭裁判所での遺産分割協議が必要となります。手続きは複雑で、法的リスクも伴うため、弁護士や司法書士などの専門家への相談が強く推奨されます。近隣トラブルを回避するためにも、迅速かつ適切な手続きを進めることが重要です。

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