新築住宅の基礎が契約と違う!違法建築?損害賠償請求は可能?
【背景】
- 新築で家を建て、2年が経過しました。
- 工事請負契約書と建築確認は「べた基礎」で承認を得ています。
- しかし、実際には3割強が「布基礎」で施工されていました。
- 東日本大震災で家の不同沈下(家の傾き)が発覚しました。
- 引き上げ工事中に、基礎の不備が判明しました。
- 地盤調査の結果、べた基礎以上の基礎が必要な土地でした。
【悩み】
- 基礎の施工ミスは違法建築にあたるのか知りたい。
- 施工業者に対してどのような請求ができるのか知りたい。
- 業者が行政処分を受ける可能性はあるのか知りたい。
契約違反にあたり、損害賠償請求が可能です。業者は是正措置や行政処分を受ける可能性もあります。
基礎知識:べた基礎と布基礎の違い
住宅の基礎は、建物の重さを支え、地盤に伝える重要な役割を担っています。基礎にはいくつかの種類があり、代表的なものとして「べた基礎」と「布基礎」があります。
べた基礎は、建物の底面全体をコンクリートで覆う工法です。地面全体に建物の荷重を分散させることができ、不同沈下(建物が場所によって異なる沈み方をする)を防ぎやすいという特徴があります。また、防湿性にも優れています。
布基礎は、建物の主要な構造部分(壁や柱の下)に、帯状の基礎を設ける工法です。べた基礎に比べてコンクリートの使用量が少なく、コストを抑えられる場合があります。ただし、地盤の状況によっては、不同沈下を起こしやすいため、注意が必要です。
今回のケースでは、契約と建築確認で「べた基礎」とされていたにもかかわらず、実際には「布基礎」が使用されていたという点が問題となっています。
今回のケースへの直接的な回答
今回のケースは、工事請負契約(建築工事を依頼する契約)に違反している可能性が高いです。契約書に記載された仕様と異なる施工が行われた場合、契約不履行(契約の内容が守られていないこと)にあたります。
さらに、建築基準法(建物の安全性を確保するための法律)に適合しない可能性があります。建築確認申請(建築前に、建築基準法に適合しているか確認すること)で承認を得た内容と異なる基礎が施工された場合、違法建築とみなされる可能性があります。
東日本大震災での家の傾きや基礎の不同沈下は、基礎の構造上の問題が原因である可能性が高く、非常に深刻な事態と言えます。
関係する法律や制度
この問題に関係する主な法律や制度は以下の通りです。
- 建築基準法:建物の構造や安全性を定めた法律です。基礎の仕様もこの法律の基準を満たす必要があります。
- 工事請負契約:建築主と施工業者の間で交わされる契約です。契約内容に基づき工事が行われる必要があります。
- 瑕疵(かし)担保責任:住宅の引き渡し後、一定期間内に建物の欠陥(瑕疵)が見つかった場合、施工業者が修補などの責任を負う制度です。
- 品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律):住宅の性能表示や、瑕疵担保責任について定めた法律です。
今回のケースでは、建築基準法違反の可能性、契約不履行、瑕疵担保責任などが問題となる可能性があります。
誤解されがちなポイントの整理
この件で誤解されがちなポイントを整理します。
- 「布基礎」が必ずしも悪いわけではない:布基礎は、地盤の状況によっては適切な工法です。問題は、契約で「べた基礎」と定められていたのに、実際には「布基礎」で施工されたという点です。
- 建築確認が通っているから安心とは限らない:建築確認は、建築基準法に適合しているかを確認するものであり、施工の全てを保証するものではありません。施工ミスや契約違反は、別途問題となります。
- 震災が原因だから仕方ないとは言えない:基礎の構造が不適切であったために被害が拡大した場合は、施工業者の責任が問われる可能性があります。
重要なのは、契約内容と実際の施工が一致しているか、そして、建物の安全性や耐久性が確保されているかということです。
実務的なアドバイスと具体例
今回のケースでは、以下の対応を検討することが重要です。
- 専門家への相談:まずは、弁護士や建築士などの専門家に相談し、法的・技術的なアドバイスを受けることが重要です。
- 証拠の収集:契約書、建築確認済証、写真、図面など、関連する証拠を収集しましょう。
- 施工業者との交渉:施工業者に対して、問題点を指摘し、是正措置(修繕など)や損害賠償を求めましょう。
- 第三者機関への相談:施工業者との交渉がうまくいかない場合は、住宅紛争処理支援センターなどの第三者機関に相談することもできます。
具体例:
例えば、家の傾きを直すための引き上げ工事費用、基礎の補修費用、精神的な苦痛に対する慰謝料などを請求することができます。また、建物の資産価値が下がったことに対する損害賠償請求も考えられます。
専門家に相談すべき場合とその理由
以下のような場合は、専門家への相談が不可欠です。
- 契約内容や法律の解釈が難しい場合:専門家は、法的知識に基づいて、適切なアドバイスをしてくれます。
- 施工業者との交渉が難航している場合:専門家は、交渉を円滑に進めるためのサポートをしてくれます。
- 損害賠償請求を検討している場合:専門家は、適切な損害賠償額を算出し、請求手続きを支援してくれます。
- 建築基準法違反の疑いがある場合:専門家は、行政への対応についてもアドバイスしてくれます。
弁護士、建築士、住宅紛争処理支援センターなどが、相談先として考えられます。
まとめ:今回の重要ポイントのおさらい
今回のケースの重要ポイントをまとめます。
- 契約と異なる基礎が施工されたことは、契約違反にあたります。
- 建築基準法違反の可能性があり、違法建築とみなされる可能性があります。
- 施工業者に対して、是正措置や損害賠償を請求できます。
- 専門家への相談が不可欠です。
- 証拠を収集し、適切な対応をとることが重要です。
今回の問題は、建物の安全性や資産価値に大きな影響を与える可能性があります。早期に専門家と相談し、適切な対応をとることで、問題解決への道が開けるでしょう。