抵当権設定費用の基本:なぜ発生するのか
家を建てるために銀行からお金を借りる(融資を受ける)とき、銀行は万が一の場合に備えて、お金を貸した相手(債務者)が返済できなくなった場合に、その土地や建物を差し押さえてお金を回収できる権利を持つことができます。この権利を「抵当権」(ていとうけん)と言います。
抵当権を設定するには、法務局(登記所)に登記(とうき)する必要があります。登記には費用がかかり、これが「抵当権設定費用」と呼ばれるものです。 抵当権設定費用は、大きく分けて2つあります。
- 登録免許税(とうろくめんきょぜい):国に納める税金です。
- 司法書士報酬(しほうしょしほうしゅう):抵当権設定の手続きを専門家である司法書士に依頼した場合に支払う報酬です。
今回のケースのように、土地をすでに持っていて、建物だけのローンを組む場合でも、建物に抵当権を設定する必要があるため、これらの費用が発生します。
新築建築時の抵当権設定費用:土地所有の場合
土地を所有している人が新築を建てる場合、銀行は建物に抵当権を設定します。この場合にかかる費用について詳しく見ていきましょう。
1. 登録免許税
登録免許税は、借入金額(債権金額)に対して一定の割合で計算されます。税率は原則として0.4%です。例えば、3,000万円の住宅ローンを借り入れた場合、登録免許税はおよそ12万円になります。
ただし、住宅ローンを借りる際に、特定の条件を満たすことで、この登録免許税が軽減される場合があります。例えば、住宅ローン減税(住宅ローン控除)を利用する場合などです。軽減措置の適用を受けるためには、一定の手続きが必要になります。
2. 司法書士報酬
抵当権設定の手続きは、専門知識が必要なため、通常は司法書士に依頼します。司法書士報酬は、司法書士事務所によって異なりますが、一般的には数万円程度です。報酬の金額は、手続きの複雑さや、抵当権設定の対象となる不動産の数などによって変動することがあります。
司法書士に依頼する際には、事前に見積もりを取り、費用とサービス内容を確認することが大切です。
関連する法律や制度
抵当権設定に関連する主な法律や制度は以下の通りです。
- 民法:抵当権に関する基本的なルールを定めています。抵当権の定義、設定方法、効力などについて規定されています。
- 不動産登記法:不動産の登記に関する手続きやルールを定めています。抵当権設定登記の手続きもこの法律に基づいて行われます。
- 登録免許税法:登録免許税の税率や計算方法などを定めています。
- 住宅ローン減税(住宅ローン控除):住宅ローンを利用する人が、所得税や住民税を軽減できる制度です。抵当権設定に関連する税金も軽減される場合があります。
誤解されがちなポイント
抵当権設定費用に関して、よくある誤解とその解説を以下にまとめます。
- 誤解1:土地を持っていない場合だけ費用がかかる
- 誤解2:費用は銀行が負担してくれる
- 誤解3:司法書士は自分で選べない
土地の有無に関わらず、建物に抵当権を設定する場合は費用が発生します。土地を購入する場合、土地と建物両方に抵当権を設定するため、費用はさらに高くなる可能性があります。
抵当権設定費用は、原則として融資を受ける人が負担します。ただし、一部の金融機関では、キャンペーンなどで費用の一部を負担してくれるケースもあります。事前に確認しましょう。
司法書士は、原則として自分で選ぶことができます。銀行から紹介される場合もありますが、複数の司法書士に見積もりを依頼し、費用やサービス内容を比較検討することも可能です。
実務的なアドバイスと具体例
新築住宅の建築における抵当権設定に関して、実務的なアドバイスと具体例をいくつかご紹介します。
- 住宅ローンの事前審査
- 複数の金融機関の比較
- 司法書士との相談
- 具体例
住宅ローンの本審査を受ける前に、事前審査を受けることをおすすめします。事前審査では、借入可能額や金利などを確認できます。また、抵当権設定費用についても、ある程度の目安を知ることができます。
住宅ローンは、金利だけでなく、手数料や保証料など、様々な費用がかかります。複数の金融機関を比較検討し、自分にとって最適な住宅ローンを選ぶことが重要です。抵当権設定費用についても、金融機関によって異なる場合があります。
抵当権設定の手続きや費用について、司法書士に相談することで、正確な情報を得ることができます。司法書士は、手続きの流れや必要書類、費用などについて詳しく説明してくれます。また、税金の軽減措置についてもアドバイスを受けることができます。
3,000万円の住宅ローンを借り入れ、司法書士報酬が5万円の場合、抵当権設定費用の合計はおよそ17万円になります。
(登録免許税:12万円、司法書士報酬:5万円)
専門家に相談すべき場合とその理由
以下のような場合は、専門家である司法書士や、場合によっては税理士に相談することをおすすめします。
- 複雑な権利関係がある場合
- 税金の軽減措置を利用したい場合
- 費用や手続きについて詳しく知りたい場合
土地や建物の権利関係が複雑な場合(共有名義、相続問題など)、専門家のサポートが必要になります。専門家は、権利関係を整理し、適切な手続きを行うことができます。
住宅ローン減税などの税金の軽減措置を利用する場合、専門家のアドバイスを受けることで、より有利な条件で手続きを進めることができます。
抵当権設定費用や手続きについて、より詳しく知りたい場合は、専門家に相談することで、正確な情報を得ることができます。
まとめ:今回の重要ポイントのおさらい
今回の質問に対する重要なポイントをまとめます。
- 土地を所有していても、建物に抵当権を設定する場合は、登録免許税と司法書士報酬が発生します。
- 登録免許税は、借入金額に対して0.4%が原則です。
- 司法書士報酬は、数万円程度が一般的です。
- 住宅ローン減税などの軽減措置を利用できる場合があります。
- 専門家(司法書士、税理士)に相談することで、正確な情報と適切なアドバイスを得ることができます。
新築住宅の建築は、人生における大きなイベントです。事前にしっかりと準備し、専門家のアドバイスを受けながら、安心して進めていきましょう。

