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旗竿地の隅切り問題!通行地役権と契約書の落とし穴徹底解説

【背景】
* 購入予定の土地は、元々大きな土地を分譲してできた2筆のうちの旗竿地(奥まった土地)です。
* 道路に面した手前の土地には、隅切り(土地の一部が道路に食い込んでいる部分)があります。
* 購入前の打ち合わせでは、隅切り部分も私の土地になると聞いていました。
* 契約直前に、手前の土地の所有者から、隅切り部分を共有持分または通行地役権として使用したいと提案されました。

【悩み】
隅切り部分に車が駐車されると、私の旗竿地への出入りが困難になります。そのため、契約書に、通行を妨げるような利用をした場合、通行地役権を無効にするという文言を入れることを検討しています。しかし、その効力や、他に有効な方法があるのか分からず困っています。具体的にどのような判決が下るのか、契約書にどのような文言を入れるべきか知りたいです。

通行地役権の無効化は難しい。明確な契約と、専門家相談が必須。

回答と解説

土地と地役権の基礎知識

まず、土地の権利関係と地役権について理解しましょう。土地には所有権(その土地を自由に使う権利)があり、所有権の一部を制限して他人に利用させる権利を「地役権」(じやくけん)と言います。今回のケースでは、手前の土地の所有者が、旗竿地の隅切り部分を通行するための地役権を設定したいと考えているわけです。地役権は、登記(不動産登記簿に記録すること)することで、第三者に対しても効力を持ちます。

今回のケースへの直接的な回答

質問者様の懸念は、通行地役権の設定によって、隅切り部分に車が駐車され、旗竿地への出入りが妨げられることです。残念ながら、契約書に「通行を妨げるような利用をした場合、通行地役権を無効にする」と記載しただけでは、法的効力は限定的です。

関係する法律や制度

民法(特に、第304条~第313条の地役権に関する規定)が関係します。地役権は、登記によって成立し、登記された内容に従って権利と義務が確定します。契約書に記載された内容が、必ずしも登記された内容と一致するとは限りません。

誤解されがちなポイントの整理

「通行地役権を無効にする」という文言は、契約書上の合意に過ぎず、地役権そのものを消滅させる効果はありません。地役権の消滅には、登記の抹消が必要になります。裁判になった場合、契約書の内容が重視されますが、地役権の存否や範囲は登記簿の内容が優先されます。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

効果的な対策としては、以下の3点を検討しましょう。

  • 具体的な通行範囲を明確にする:契約書に、通行可能な範囲を詳細に図面などで明記し、駐車可能な範囲を明確に制限します。例えば、「隅切り部分の○○メートル以内は駐車禁止」など具体的な数値を盛り込みましょう。
  • 違反時の措置を明確にする:通行権の侵害があった場合の対応を具体的に記述します。「駐車により通行が妨げられた場合、所有者に対して損害賠償請求を行うことができる」といった文言を盛り込むことで、法的根拠を明確にします。
  • 地役権の範囲を限定する:地役権の設定範囲を最小限に抑える交渉を行いましょう。例えば、通行のための最小限の幅員を明確に示し、それ以外の部分は地役権の対象外とすることを求めることができます。

専門家に相談すべき場合とその理由

土地の売買契約は複雑なため、弁護士や不動産専門家への相談が強く推奨されます。特に、地役権に関するトラブルは、専門知識がないと解決が困難な場合があります。契約書の作成や交渉、紛争発生時の対応など、専門家のアドバイスを受けることで、トラブルを未然に防ぐことができます。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

契約書に「通行を妨げる行為は無効」と書いても、地役権そのものが無効になるわけではありません。 明確な通行範囲の規定、違反時の措置、専門家への相談が、トラブル回避の鍵となります。 契約前に弁護士などに相談し、ご自身の権利をしっかり守る契約を結びましょう。 曖昧なまま契約を進めると、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。

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