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日商1級リース取引:リース債務、減価償却費、支払利息の見越し計上と前払いについて

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リース取引は、企業が設備などを購入する代わりに、リース会社から長期間にわたって借り受ける取引のことです。リース取引には、大きく分けて「ファイナンス・リース」と「オペレーティング・リース」の2種類があります。
ファイナンス・リースの場合、リース物件は企業の資産として計上され、減価償却を行います。また、リース料の中には、物件の使用料だけでなく、利息相当額も含まれています。この利息相当額をどのように会計処理するかが、今回の質問のポイントとなります。
今回のケースでは、リース料は年額16,718円で、毎年4月1日に支払われます。しかし、会計期間は1年であり、期末は3月31日です。つまり、4月1日に支払われるリース料は、会計期間をまたいでいるため、一部は当期の費用として、一部は次期の費用として計上する必要があります。
具体的には、期末時点(3月31日)で、当期に対応する利息分を「支払利息」として費用計上し、次期に対応する利息分を「前払費用」(将来の費用として前もって支払ったもの)として資産計上します。これが、支払利息の見越し計上と呼ばれる会計処理です。
問題文にある「支払利息2,964円」は、この見越し計上によって計算された金額です。この金額は、リース料に含まれる利息のうち、当期の費用として認識すべき部分を示しています。
リース取引の会計処理は、企業会計基準によって定められています。日本においては、企業会計基準委員会(ASBJ)が定める「リースに関する会計基準」が適用されます。この基準に基づいて、ファイナンス・リースとオペレーティング・リースを区別し、それぞれの会計処理を行います。
税法上も、リース取引に関する取り扱いが定められています。税法では、リース料の損金算入(費用として計上すること)の可否や、リース物件の減価償却の可否などが規定されています。会計処理と税務処理は必ずしも一致するとは限りませんが、会計上の処理を参考にしながら、税務上の要件を満たすように処理を行う必要があります。
質問者が疑問に感じている「前払い」という表現について解説します。リース料が「前払い」と記載されているのは、リース料が会計期間の開始日に支払われることを明確にするためです。これは、リース会社がリース期間の開始日からリース物件を使用させる対価として、リース料を先に受け取るという意味合いがあります。
毎年4月1日にリース料を支払うという事実と、前払いという表現は矛盾しません。むしろ、リース料が前払いであるからこそ、期末に見越し計上という会計処理が必要になるのです。
また、利息は、リース料の支払いのタイミングとは関係なく発生します。ファイナンス・リースの場合、リース料の中には、リース物件の使用料に加えて、リース会社が融資した資金に対する利息が含まれています。この利息は、リース期間全体にわたって発生し、毎期のリース料に含まれる利息相当額を計算し、費用として計上します。
今回のケースにおける支払利息の計算方法を、具体的な数値を用いて説明します。
まず、リース債務の計算を行います。リース債務は、将来支払うべきリース料の合計額を、現在の価値に割り引いた金額です。今回のケースでは、年額16,718円のリース料を5年間支払うため、それぞれのリース料を5%の利率で割り引いて合計します。問題文の解答にあるリース債務59,282円は、この計算によって求められます。
次に、支払利息の計算を行います。支払利息は、リース料に含まれる利息相当額のうち、当期の費用として計上すべき部分です。具体的には、期末時点のリース債務に対して、5%の利息率を乗じて計算します。問題文の解答にある支払利息2,964円は、この計算によって求められます。
以下に、期末における仕訳の例を示します。
この仕訳により、当期の支払利息が費用として計上され、リース債務が減少します。
リース取引は、会計処理が複雑になる場合があります。特に、リースバック取引や、リース期間が長期にわたる場合、リース料の計算や、減価償却費の計算などが複雑になることがあります。
以下のような場合には、専門家(公認会計士や税理士)に相談することをおすすめします。
専門家は、会計基準や税法の知識に基づいて、適切なアドバイスを提供し、企業の会計処理をサポートしてくれます。
今回の質問の重要ポイントをまとめます。
今回の解説を通じて、リース取引の会計処理に関する理解を深め、日商1級の試験対策に役立てていただければ幸いです。
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