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日本人はなぜ家のメンテナンスをしない?建築会社員の疑問に答えます

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まず、セルフメンテナンスについて説明しましょう。セルフメンテナンスとは、家の修理や手入れを自分で行うことです。例えば、壁の小さなひび割れを補修したり、雨樋(あまどい)の掃除をしたりすることなどが該当します。
一方、住宅の寿命は、その家の構造や使われている素材、そして日々のメンテナンスによって大きく左右されます。適切なメンテナンスを行うことで、家は長く快適に住める状態を保つことができます。逆に、メンテナンスを怠ると、家の劣化が早まり、最終的には大規模な修繕や建て替えが必要になることもあります。
住宅の寿命を左右する要因は多岐にわたりますが、セルフメンテナンスの意識と実践は、その中でも非常に重要な要素の一つと言えるでしょう。
ご質問の核心である「なぜ日本人はセルフメンテナンスをしないのか?」という点について考えてみましょう。この背景には、日本と海外の住宅文化や制度の違いが大きく影響しています。
海外、特に欧米諸国では、家は「資産」として捉えられる傾向が強く、所有者は自らの手で家をメンテナンスし、その価値を維持しようとする意識が強いです。DIY(Do It Yourself:日曜大工)文化も根付いており、自分で修理や修繕を行うことが一般的です。
一方、日本では、家は「消耗品」と捉えられる傾向があり、新築信仰も強いため、壊れたら直すというよりも、建て替えるという選択肢を選ぶ人も少なくありません。また、かつては大家族で住むことが一般的だったため、家屋のメンテナンスは家族全体で行うという習慣もありましたが、核家族化が進み、その習慣も薄れてきました。
さらに、日本の住宅は、法的にも「瑕疵(かし)」と呼ばれる欠陥に対する保証期間が設けられており、その期間内は業者が無償で修理を行うことが一般的です。この制度も、セルフメンテナンスへの意識を薄れさせる一因となっている可能性があります。
日本の住宅に関連する法律や制度として、まず「住宅瑕疵担保責任保険」が挙げられます。これは、新築住宅に欠陥が見つかった場合、住宅事業者がその修補費用を負担する義務を負う制度です。この保険により、消費者は一定期間、住宅の構造部分や雨漏りなどに関する欠陥について、無償で修理を受けることができます。
また、多くの住宅会社は、自社の住宅に対して、構造部分や設備などについて、一定期間の保証を提供しています。この保証期間内であれば、無償で修理やメンテナンスを受けることができます。
これらの制度は、消費者の保護を目的としていますが、同時に、セルフメンテナンスの必要性に対する意識を薄れさせる可能性も指摘されています。
質問文にもあったように、日本人は「クレーム」を出すことに抵抗がない、という印象があるかもしれません。しかし、これは必ずしも悪いことではありません。住宅に問題があれば、消費者は当然、業者に適切な対応を求める権利があります。
ただし、ここで注意すべきは、「クレーム」と「メンテナンス」の違いです。クレームは、住宅の欠陥や不具合に対する苦情であり、業者が責任を持って対応すべきものです。一方、メンテナンスは、住宅の性能を維持し、寿命を延ばすための日常的な手入れです。
例えば、壁の小さなひび割れは、クレームではなく、セルフメンテナンスで対応できる範疇かもしれません。しかし、雨漏りの場合は、専門業者による修理が必要なクレームにあたります。この区別を理解し、適切な対応をすることが重要です。
では、具体的にどのようなセルフメンテナンスができるのでしょうか?
セルフメンテナンスを行う際には、以下の点に注意しましょう。
セルフメンテナンスには限界があります。以下のような場合は、専門家に相談することをお勧めします。
専門家は、適切な診断を行い、最適な修繕方法を提案してくれます。また、必要な場合は、保険の手続きなどもサポートしてくれます。
日本人がセルフメンテナンスをしない背景には、文化や制度の違い、そして新築信仰など、様々な要因が絡み合っています。しかし、適切なメンテナンスを行うことは、家の寿命を延ばし、快適な住環境を維持するために不可欠です。
セルフメンテナンスと専門家への依頼を適切に使い分け、定期的な点検と必要な修繕を行うことで、大切な家を長く大切に使いましょう。
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