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未登記不動産の相続と処分費用負担:先々代名義の納屋・倉庫・蔵の扱い方

【背景】
* 先々代名義の土地と建物は相続手続きが完了し、登記済みです。
* しかし、先々代名義の未登記の納屋、倉庫、蔵があり、毎年固定資産税を支払っています。
* 市役所の固定資産税帳簿には「先々代名義の未登記」と記載されています。

【悩み】
この未登記の不動産は相続の対象になるのでしょうか?また、この未登記の不動産を取り壊す場合、その費用を相続人全員で負担(折半)することは可能でしょうか?

はい、相続対象です。費用負担は協議が必要です。

回答と解説

1. 未登記不動産の定義と相続における扱い

まず、「未登記不動産」とは、登記簿(不動産登記簿)に所有者名などが記録されていない不動産のことです。登記簿は、不動産の所有権や権利関係を公的に証明する重要な書類です。未登記であっても、所有権が明確に存在すれば、法律上は有効な権利として認められます。そのため、今回のケースのように、先々代が所有していた未登記の納屋、倉庫、蔵は、相続の対象となります。相続が発生した時点で、法的には相続人全員に相続されます(民法第880条)。

2. 今回のケースへの直接的な回答

質問者様の先々代名義の未登記の納屋、倉庫、蔵は、相続の対象となります。固定資産税を納めているという事実も、所有権の存在を示唆する重要な証拠となります。

3. 関係する法律や制度

このケースでは、民法(特に相続に関する規定)が関係します。民法では、相続開始によって相続財産が相続人に承継されると定められています。未登記であっても、所有権が認められれば相続財産となります。また、固定資産税の納税義務は、所有者にあるため、固定資産税の納税事実も所有権の証拠となります。

4. 誤解されがちなポイントの整理

未登記だから相続の対象にならない、と誤解する方がいます。しかし、登記の有無は所有権の有無とは直接関係ありません。所有権が明確であれば、登記されていない不動産でも相続財産となります。登記されていないことで、所有権の証明がやや複雑になる場合がありますが、所有権そのものが消滅するわけではありません。

5. 実務的なアドバイスや具体例の紹介

未登記不動産の処分(取り壊し)には、まず所有権を明確にする必要があります。そのためには、相続人全員で協議し、遺産分割協議書を作成し、その中で未登記不動産の取り扱い(処分、共有、など)を決めることが重要です。その後、登記手続きを行い、所有権を明確にした上で、取り壊しなどの処分を進めるべきです。取り壊し費用については、遺産分割協議書で負担割合を決定するのが一般的です。例えば、相続人が3人であれば、費用を3等分するといった合意が考えられます。

6. 専門家に相談すべき場合とその理由

未登記不動産の相続や処分は、複雑な手続きを伴う場合があります。特に、相続人が複数いる場合や、不動産の価値が大きい場合、専門家のサポートが必要となるでしょう。弁護士や司法書士に相談することで、法的な手続きをスムーズに進め、トラブルを回避できます。

7. まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

未登記不動産であっても、所有権が明確であれば相続の対象となります。今回のケースでは、固定資産税の納税事実が所有権の証拠となります。未登記不動産の処分には、相続人全員での協議と、遺産分割協議書の作成、登記手続きが不可欠です。費用負担についても、協議で決定する必要があります。複雑な手続きやトラブル回避のため、専門家への相談も検討しましょう。

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