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東京の繁華街収益ビル相続!共有不動産の分割と換価分割訴訟の行方

【背景】
* 東京の繁華街にある収益ビルと土地を兄弟2人で相続しました。
* 遺言はなく、当初は相続人が4人でしたが、弟が弁護士を介して他の2人から持ち分を譲渡させ、現在、兄(私)が1/4、弟が3/4の持ち分で未分割の相続登記になっています。
* 3年前、弟の弁護士から土地・ビル・家賃収入権を100万円で放棄するよう1年間毎月手紙が届きました。
* 私は病気のため働けず、老後資金確保のため、不動産の売却と換価分割を希望しています。
* 弟は売却を拒否し、資産活用したいと考えています。

【悩み】
共有物分割訴訟になった場合、1/4と3/4の持ち分で換価分割の審判が出たら、どのように分配されるのか?また、遺産分割協議書がない状態での分割は、どのように行われるのか?1/2ずつ分割は可能なのか?

換価分割訴訟では、持ち分比率で分配。協議不可なら裁判所の判断。

1.相続と共有不動産の基礎知識

相続とは、被相続人(亡くなった人)の財産が、相続人(法律で定められた相続権を持つ人)に承継されることです。今回のケースでは、兄弟2人が相続人となり、収益ビルと土地を共有することになりました。共有不動産とは、複数の所有者が共同で所有する不動産のことです。共有状態では、各共有者は自分の持分に応じて不動産を自由に使用・収益できますが、重要な事項の決定には、他の共有者の同意が必要です。

2.今回のケースへの直接的な回答

現状では、遺産分割協議(相続人同士で財産の分け方を話し合うこと)が成立しておらず、弟が3/4、兄が1/4の持ち分を有しています。もし、共有物分割訴訟(共有不動産を分割するための訴訟)を起こした場合、裁判所はまず遺産分割協議の成立を促します。協議が成立しなければ、裁判所は状況に応じて、現物分割(不動産を物理的に分割)か換価分割(不動産を売却し、売却代金を分割)を決定します。今回のケースでは、ビルの物理的分割が困難なため、換価分割(不動産を売却して現金化し、売却代金を各人の持分に応じて分割する)が最も現実的な解決策となる可能性が高いです。

3.関係する法律や制度

民法(特に共有に関する規定)が関係します。民法では、共有者の1人が分割を請求できること、裁判所が分割の方法(現物分割か換価分割か)を決定できることが定められています。

4.誤解されがちなポイントの整理

質問者様は、当初の相続人が4人だったこと、弟が弁護士を使って他の相続人から持ち分を譲渡させたことを問題視されていますが、法律上、相続人が持ち分を譲渡することは可能です。問題となるのは、その譲渡が適正な価格で行われたかどうか、また、譲渡によって他の相続人が不利益を被ったかどうかです。100万円という提示額が、不動産の価値を大幅に下回っていたとすれば、不当な譲渡とみなされる可能性があります。しかし、既に相続登記が完了しているため、これを覆すのは困難です。

5.実務的なアドバイスや具体例の紹介

弁護士に相談し、弟との交渉を有利に進めることが重要です。弟の弁護士が提示した100万円という金額が不当に低いことを主張し、より妥当な価格での解決を目指すべきです。裁判所は、不動産の鑑定評価に基づいて換価分割を行うため、鑑定評価額を事前に把握しておくことが重要です。仮に換価分割が決定した場合、売却代金4500万円から、弟が3/4(3375万円)、質問者様が1/4(1125万円)を受け取ることになります。

6.専門家に相談すべき場合とその理由

現状では、弁護士への相談が不可欠です。遺産分割協議、共有物分割訴訟、そして、弟との交渉において、弁護士の専門的な知識と経験は非常に役立ちます。特に、100万円という提示額の妥当性や、相続登記手続きにおける問題点などを精査してもらう必要があります。

7.まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

* 遺産分割協議が成立しない場合、共有物分割訴訟により裁判所の判断を仰ぐことになります。
* 裁判所は、状況に応じて現物分割または換価分割を決定します。今回のケースでは、換価分割の可能性が高いです。
* 換価分割の場合、売却代金は各共有者の持分比率で分配されます。
* 弟との交渉においては、弁護士の助言を受けることが重要です。
* 不当な譲渡があった可能性についても、弁護士に相談し、法的措置を検討する必要があるかもしれません。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的アドバイスではありません。具体的な問題解決には、専門家への相談が不可欠です。

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