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根抵当権の一部譲渡と競売時の弁済割合:複雑なケースを徹底解説!
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根抵当権の一部譲渡後、競売で不動産が売却された場合、譲渡者と譲受者はそれぞれどのくらいの金額を弁済として受け取ることができるのでしょうか?元本確定後、債務者が一部弁済した場合、弁済割合はどう変わるのでしょうか?
根抵当権とは、債務者が債権者に対して金銭を支払う義務(債務)を履行しなかった場合に、特定の不動産を強制的に売却して債権を回収できる権利です(担保権の一種)。 重要な特徴として、**極度額**(債権を担保できる金額の上限)が設定されます。 例えば、極度額1000万円の根抵当権が設定されている場合、債権額が1000万円を超えていても、回収できるのは最大1000万円までです。 また、根抵当権は、債権の金額が変動しても、極度額までは担保の効力が続きます。これが、通常の抵当権との大きな違いです。
質問にあるケースでは、元本確定後に根抵当権の一部が譲渡されているため、競売時の弁済割合は、元本確定時の債権割合によって決定されます。 甲と乙の持分は、元本確定時の債権額の割合で決まり、丙からの弁済後もこの割合は変わりません。 つまり、(1)①は正しくありません。甲:乙=8:4=2:1となり、持分はそれぞれ3分の2、3分の1ではありません。 (2)②も、甲は800万円、乙は100万円を担保されるわけではありません。
この問題は、民法の抵当権に関する規定(特に第378条以下)が関係します。 民法は、根抵当権の一部譲渡について、譲渡された債権の割合に応じて、根抵当権の権利も共有されることを定めています。
よくある誤解として、元本確定後の弁済によって、根抵当権の持分割合が変わるという点があります。しかし、元本確定後は、被担保債権の額が変化しても、元本確定時の債権割合に基づいて、根抵当権の持分が決定されます。 極度額を超える債権は、根抵当権によって担保されません。
例えば、甲の債権が800万円、乙の債権が400万円で、極度額が1000万円の場合、競売で1500万円で売却されたとしても、甲は1000万円のうちの800万円(800/1200 × 1000万円)、乙は200万円(400/1200 × 1000万円)を受け取ります。丙が乙に300万円弁済したとしても、元本確定時の債権割合は変わりません。
不動産に関する法律は複雑で、専門知識がないと誤った判断をしてしまう可能性があります。 高額な取引に関わるため、少しでも不安があれば、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。 特に、複雑な債権関係や、複数の債権者が存在する場合などは、専門家のアドバイスが必要不可欠です。
* 根抵当権の一部譲渡は、元本確定時の債権割合に従って行われます。
* 元本確定後の弁済は、元本確定時の債権割合に影響を与えません。
* 競売による弁済額は、極度額と元本確定時の債権割合によって決定されます。
* 不安な場合は、専門家に相談しましょう。
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