検査済証とは? 基礎知識を分かりやすく解説

検査済証とは、建築物が建築基準法(建築物の構造や設備に関するルールを定めた法律)に適合していることを証明する書類です。
具体的には、建築工事が完了した後、建築主事(または指定確認検査機関)による検査を受け、合格した場合に交付されます。
この検査済証があることで、その建物が安全基準を満たしていると公式に認められたことになります。
不動産取引においては、建物の適法性を証明する重要な書類の一つとして扱われます。

建築確認申請(建築工事の前に、建築計画が建築基準法に適合しているか確認を受ける手続き)を行い、工事完了後に検査済証を取得するのが一般的な流れです。

検査済証と金融機関融資の関係:今回のケースへの回答

収益マンションなどの不動産を購入する際、金融機関から融資を受ける場合、検査済証の有無は融資審査に大きく影響する可能性があります。
検査済証がない場合、金融機関は建物の適法性を確認することが難しくなり、融資を渋ったり、融資額を減額したりする傾向があります。
これは、金融機関が融資したお金が回収できなくなるリスクを避けるためです。

検査済証がない主な理由としては、以下のようなケースが考えられます。

  • 過去の建築物で、検査済証が紛失してしまった場合:古い建物の場合、検査済証が見つからないこともあります。
  • 違法建築の疑いがある場合:建築基準法に違反している部分があると、検査済証が交付されない場合があります。
  • 増改築が行われ、その手続きが適切に行われていない場合:増改築によって建物の状況が変わっているにも関わらず、検査を受けていないケースです。

これらの理由により、金融機関は融資を慎重に検討せざるを得なくなります。

関連する法律と制度:建築基準法と融資への影響

検査済証に関わる主な法律は、建築基準法です。
建築基準法は、建物の構造、設備、用途などに関する様々な規定を定めており、これらの基準を満たしていることが検査済証の発行の条件となります。
もし建築物が建築基準法に違反している場合、金融機関は融資を断るだけでなく、場合によっては、是正(違反部分を直すこと)を要求したり、融資額を減額したりすることがあります。

また、建築基準法に違反している建物は、将来的に売却が難しくなる可能性もあります。
これは、買主が融資を受けにくくなる、あるいは建物の価値が低く評価されるためです。

誤解されがちなポイント:検査済証がないと絶対に融資は受けられない?

検査済証がない場合でも、必ずしも融資が受けられないわけではありません。
金融機関は、物件の状況や融資希望者の信用情報などを総合的に判断して融資の可否を決定します。
検査済証がない場合でも、以下のような状況であれば、融資が受けられる可能性はあります。

  • 建物の安全性に問題がない場合:構造計算書や専門家の調査によって、建物の安全性に問題がないと判断された場合。
  • 既存不適格物件の場合:建築当時は適法であったが、法改正によって現行の基準に適合しなくなった物件。この場合、違法状態ではないため、融資の対象となることもあります。
  • 金融機関がリスクを許容する場合:金融機関が、検査済証がないことによるリスクを考慮した上で、融資を実行する場合。

ただし、融資条件は厳しくなる可能性が高く、金利が高くなったり、担保評価が低くなったりする可能性があります。

実務的なアドバイス:検査済証がない場合の対策

検査済証がない場合、いくつかの対策を講じることで、融資の可能性を高めることができます。

  • 専門家への相談:建築士や不動産鑑定士に相談し、建物の状況を調査してもらう。
  • インスペクション(建物状況調査)の実施:建物の劣化状況や法的問題を専門家が調査する。
  • 適合証明の取得:既存不適格物件の場合、現行の建築基準法に適合させるための改修を行い、適合証明を取得する。
  • 金融機関への相談:検査済証がないことを正直に伝え、融資の可能性について相談する。
  • 減額交渉:融資額が減額された場合、売主との間で価格交渉を行う。

これらの対策を講じることで、融資の可能性を高め、スムーズな不動産購入に繋げることができます。

専門家に相談すべき場合とその理由

検査済証に関する問題は、専門的な知識が必要となる場合があります。
以下のような場合は、専門家への相談を検討しましょう。

  • 検査済証が見つからない場合:建築士に相談し、建物の図面や構造計算書などを確認してもらい、検査済証の代わりとなる資料を探してもらう。
  • 違法建築の疑いがある場合:建築士に相談し、建物の状況を調査してもらい、違法部分がないか確認する。
  • 融資審査が難航している場合:不動産鑑定士に相談し、物件の適正な価値を評価してもらい、金融機関への説明材料とする。
  • 不動産売買契約に関する疑問がある場合:弁護士に相談し、契約内容や法的リスクについてアドバイスを受ける。

専門家のアドバイスを受けることで、問題解決に向けた適切な対応を取ることができ、安心して不動産取引を進めることができます。

まとめ:今回の重要ポイントのおさらい

今回の質問に対する重要ポイントをまとめます。

  • 検査済証は、建築物が建築基準法に適合していることを証明する重要な書類であり、金融機関の融資審査に影響を与える可能性があります。
  • 検査済証がない場合でも、必ずしも融資が受けられないわけではありませんが、融資条件が厳しくなる可能性があります。
  • 検査済証がない場合は、専門家への相談やインスペクションの実施など、様々な対策を講じることで、融資の可能性を高めることができます。
  • 不動産購入を検討する際は、検査済証の有無だけでなく、建物の状況や法的リスクについても十分に確認することが重要です。

不動産取引は、専門的な知識や注意が必要となる場面が多くあります。
疑問点や不安な点があれば、一人で抱え込まず、専門家に相談するようにしましょう。