検査済証なし収益マンション購入の注意点:違法性・リスク・利回り
【背景】
- 築26年のRC(鉄筋コンクリート)造の収益マンションの購入を検討中。
- 現時点での利回りは10.25%、満室稼働中。
- 物件は人気駅近くで魅力的。
- 仲介業者からは、容積率オーバー部分を空洞化して違法状態は解消済みと説明あり。
- 収益物件の購入は初めてで、知識がない。
【悩み】
- この物件を購入しても問題ないか。
- 購入する場合、どの程度の利回りなら許容できるか。
- 火災保険に加入できるのか。
- ベランダに洗濯機置き場があり、避難用はしごがない場合、火災時の家主の責任は?
検査済証の有無だけでなく、法的な問題やリスクを精査し、専門家への相談も検討しましょう。利回りだけでなく、総合的な判断が必要です。
検査済証がない収益マンション購入:基礎知識
収益マンションの購入は、安定した収入源を確保できる魅力的な投資の一つです。しかし、物件選びには様々な注意点があり、特に「検査済証」の有無は重要なポイントとなります。
検査済証とは?
建物が建築基準法に適合していることを証明する書類です。建築確認申請が通り、工事完了後に検査を受け、問題がなければ発行されます。
なぜ検査済証が必要なのか?
検査済証は、建物の安全性や適法性を確認するための重要な書類です。検査済証がない場合、違法建築物の可能性があり、将来的に改修が必要になったり、融資が受けにくくなったりする可能性があります。
今回のケースへの直接的な回答
今回のケースでは、検査済証がないことに加え、容積率オーバーの過去がある点が大きな懸念材料です。仲介業者の説明だけを鵜呑みにせず、専門家による詳細な調査が必要です。
検討すべきポイント
-
建築確認済証の確認:
建築確認済証があれば、建築時の図面や仕様を確認できます。
-
専門家への相談:
建築士や不動産鑑定士に、建物の現況調査を依頼し、法的リスクや将来的な修繕費用などを評価してもらいましょう。
-
利回り以外の要素:
利回りだけでなく、建物の状態、周辺環境、入居者の状況なども総合的に判断しましょう。
関係する法律や制度
今回のケースで関係する主な法律は、建築基準法です。
建築基準法
建物の構造や設備、用途などに関する基準を定めています。容積率(建物の延床面積の、敷地面積に対する割合)も、この法律で定められています。
関連する制度
-
既存不適格:
建築時は適法だったが、法改正により現行法に適合しなくなった建物のことです。
-
違反建築物:
建築基準法に違反している建物のことです。
誤解されがちなポイントの整理
検査済証がない場合、必ずしも違法建築物とは限りません。しかし、検査済証がないことで、以下のような誤解が生じやすいです。
-
「違法建築物=すぐに問題になる」という誤解:
すぐに問題になるケースもあれば、将来的に問題が表面化するケースもあります。
-
「仲介業者の説明を信用すれば大丈夫」という誤解:
仲介業者は専門家ではないため、説明が不十分な場合や、誤った情報が含まれている可能性もあります。
-
「利回りが高いから問題ない」という誤解:
高利回りの物件は、リスクも高い傾向があります。利回りだけでなく、リスクを十分に理解した上で判断する必要があります。
実務的なアドバイスや具体例の紹介
収益マンション購入の際には、以下の点に注意しましょう。
-
専門家への依頼:
建築士に建物の調査を依頼し、法的リスクや構造上の問題がないかを確認しましょう。
不動産鑑定士に物件の価値を評価してもらいましょう。
-
重要事項説明書の確認:
重要事項説明書には、建物の状況や法的規制に関する情報が記載されています。
内容をよく確認し、不明な点は仲介業者に質問しましょう。
-
契約前の調査:
契約前に、物件の登記簿謄本や建築確認申請書などを確認し、建物の状況を把握しましょう。
近隣の住民に、物件に関する情報を聞いてみるのも有効です。
具体例
ある投資家が、検査済証のない築古マンションを購入しました。購入後、大規模修繕が必要になり、多額の費用が発生しました。
事前に専門家による調査を行わなかったため、修繕費用の見積もりを見誤り、結果的に大きな損失を被りました。
専門家に相談すべき場合とその理由
今回のケースでは、以下の専門家への相談が必須です。
-
建築士:
建物の構造や法的な問題について、専門的な知識を持っています。
建物の現況調査を行い、違法性や修繕の必要性を判断してくれます。
-
弁護士:
法的リスクについて、専門的なアドバイスをしてくれます。
契約に関する問題や、万が一のトラブルに備えて、相談しておくと安心です。
-
不動産鑑定士:
物件の適正な価値を評価してくれます。
利回りだけでなく、物件の将来的な価値についても判断材料となります。
まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)
今回のケースでは、検査済証がないこと、容積率オーバーの過去があることから、購入には慎重な検討が必要です。
重要なポイント
- 検査済証の有無だけでなく、建物の法的・構造的なリスクを十分に調査する
- 専門家(建築士、弁護士、不動産鑑定士)に相談し、客観的な意見を求める
- 利回りだけでなく、総合的な視点で物件の価値を判断する
- 火災保険加入の可否や、火災時の家主の責任についても確認する
収益マンションの購入は、大きな投資です。専門家の意見を参考に、リスクを十分に理解した上で、慎重に判断しましょう。