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権利能力なき社団の不動産登記名義変更:委任終了?それとも受託者更迭?徹底解説

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代表者名義への変更は「委任の終了」で登記できると思いますが、逆に、代表者名義から構成員全員名義に戻す場合の登記原因は何になるのか分かりません。「委任の終了」でも良いのでしょうか?それとも「受託者の更迭」など、別の登記原因を使うべきなのでしょうか?
権利能力なき社団とは、法律上、権利や義務の主体(=権利能力)を持たない団体のことです。任意団体や同好会などが該当します。そのため、不動産を直接所有することはできません。登記名義は、構成員全員または代表者名義となりますが、あくまで名義であり、実質的な所有者は社団全体です。
不動産登記は、不動産の所有権や権利関係を公示するための制度です(登記簿に記録されます)。登記名義は、その不動産に関する権利を誰が有しているかを明らかにする重要な情報です。名義変更には、その変更の理由となる「登記原因」を明確にする必要があります。
質問のケース、代表者名義から構成員全員名義への変更は、「委任の終了」ではありません。委任とは、ある者が他の者に対して特定の行為を委託することです。代表者は、社団を代表して行為をする権限を有していますが、不動産の所有権そのものを委任されているわけではありません。
正しい登記原因は「所有権移転」です。代表者名義は、あくまで社団全体の所有権を代表して登記されているに過ぎません。構成員全員名義に戻すということは、実質的に所有権の帰属が代表者から構成員全員に移転するということです。
不動産登記に関する法律は、主に「不動産登記法」です。この法律に基づき、不動産の所有権移転登記を行う際には、登記原因を明確にする必要があります。所有権移転の登記原因としては、売買、贈与、相続など様々なケースが考えられますが、今回のケースでは、社団内部における所有権の移転という特殊な事情を考慮する必要があります。
「委任」という言葉を安易に用いると、登記原因を誤解しやすいです。代表者は社団を代表する権限(代理権)を持っていますが、それは所有権そのものを委任されているという意味ではありません。所有権は、あくまで社団全体に帰属します。
代表者名義から構成員全員名義への変更登記を行うには、構成員全員の合意が必要です。合意書を作成し、その合意書を登記原因とすることで、所有権移転登記を行うことができます。登記申請の際には、合意書、登記識別情報、印鑑証明書などが必要になります。司法書士に依頼するのが一般的です。
権利能力なき社団の不動産登記は、複雑な手続きを伴う場合があります。登記原因の選択を誤ると、登記が却下されたり、将来的なトラブルの原因になったりする可能性があります。そのため、不動産登記に詳しい司法書士に相談することを強くお勧めします。
権利能力なき社団の不動産登記名義変更は、登記原因を正確に特定することが重要です。代表者名義から構成員全員名義への変更は「委任の終了」ではなく「所有権移転」であり、構成員全員の合意と、司法書士への相談が不可欠です。 登記手続きは専門知識が必要なため、専門家である司法書士に依頼し、スムーズな手続きを進めることをお勧めします。
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