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民事再生中の企業のリースバック、判断は間違っている? 専門家が解説

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民事再生中の企業のリースバックは、状況次第で有効な選択肢。与信評価は慎重に、資金繰り改善とコスト削減効果を考慮。
リースバックとは、企業が所有する資産(この場合は自動車)を売却し、売却先からリース(賃貸借)という形で再び利用する取引のことです。これにより、企業は資金を調達しつつ、引き続きその資産を使用できます。民事再生(みんじさいせい)とは、経営が悪化した企業が、裁判所の監督のもとで債務(借金)の減額や返済猶予を受け、事業の再建を目指す手続きです。民事再生中は、企業の資金繰りが非常に厳しくなる傾向があります。
今回のケースでは、民事再生中の企業が、所有する自動車をリース会社に売却し、リースとして利用する「リースバック」を検討しています。この取引は、企業の資金繰り改善と事業継続を両立させるための戦略として、一定の有効性を持つ場合があります。
民事再生中の企業によるリースバックは、一概に「間違っている」とは言えません。むしろ、状況によっては非常に有効な手段となり得ます。ただし、いくつかの注意点があります。
まず、民事再生中の企業がリースバックを行う目的を明確にする必要があります。主な目的としては、
などが挙げられます。リースバックによって資金が確保できれば、運転資金に充当したり、他の債務の返済に充てたりすることが可能になります。また、リース料は経費として計上されるため、固定費の削減にもつながります。
次に、リースバックの条件を慎重に検討する必要があります。特に重要なのは、
の3点です。売却価格が適正であるか、リース料が高すぎないか、リース期間が企業の事業計画に合致しているかなどをしっかりと確認する必要があります。リースバックの条件によっては、かえって企業の負担が増えてしまう可能性もあるため、注意が必要です。
民事再生中の企業にとって、リースバックは資金繰りを改善し、再建を加速させるための有効な手段となり得ますが、リスクも存在します。専門家のアドバイスを受けながら、慎重に検討することが重要です。
民事再生に関連する法律は、民事再生法です。民事再生法は、経営破綻した企業が、裁判所の監督のもとで事業を継続しながら再建を目指すための手続きを定めています。民事再生中は、原則として、すべての債権者は平等に扱われ、一部の債権者だけが優先的に弁済を受けることはできません。
リース契約に関しては、民法や借地借家法が関係します。リース契約は、賃貸借契約の一種であり、リース会社が所有する資産を、利用者に一定期間使用させる契約です。リース契約においては、リース料の支払い、資産の維持管理、契約期間などが重要な要素となります。
今回のケースでは、民事再生中の企業がリースバックを行うため、民事再生法とリース契約の両方の法律が関係します。民事再生法は、リースバックの実行可能性や、リース契約の条件に影響を与える可能性があります。例えば、再生計画において、リース料の支払いがどのように扱われるかなどが問題となります。
民事再生中の企業がリースバックを行うことについて、よくある誤解を整理しましょう。
まず、「リースは固定費が増えるから避けるべき」という誤解があります。確かに、リース料は毎月支払う必要があり、固定費となります。しかし、リースバックによって、
といったメリットも存在します。固定費が増えることだけをネガティブに捉えるのではなく、トータルで企業にとってプラスになるかどうかを検討することが重要です。
次に、「民事再生中の企業は与信リスクが高い」という点です。これは事実ですが、リースバックを行う場合、与信リスクをどのように評価するかが重要です。民事再生中の企業は、
などを総合的に評価する必要があります。また、リースバックの条件(売却価格、リース料、リース期間など)も、与信リスクの評価に影響を与えます。例えば、売却価格が適正で、リース料が妥当な範囲であれば、与信リスクをある程度軽減できる可能性があります。
与信リスクの評価においては、専門家の意見を聞き、慎重に判断することが重要です。
リース会社が、民事再生中の企業に対してリースバックを提案する場合、実務的にどのような点に注意すべきでしょうか。
まず、徹底的な与信調査を行う必要があります。具体的には、
などを詳細に調査します。必要に応じて、企業の経営者や担当者へのヒアリングも行い、事業の将来性や、リース料の支払い能力などを確認します。
次に、契約条件を慎重に検討します。特に重要なのは、
の4点です。これらの条件を慎重に検討し、リスクを最小限に抑えるように努めます。専門家のアドバイスを受けながら、契約書の内容を精査することも重要です。
具体例として、ある運送会社が民事再生中に、所有するトラックをリースバックしたケースを考えてみましょう。この会社は、資金繰りが厳しく、トラックの修理費用も捻出できない状況でした。そこで、トラックをリース会社に売却し、リース契約を結びました。これにより、資金を調達し、修理費用を確保することができました。また、リース料は経費として計上されるため、税務上のメリットもありました。ただし、リース料の支払いが滞ると、契約を解除され、トラックを使用できなくなるリスクも存在します。このケースでは、リース会社は、運送会社の経営状況や再生計画の進捗状況を詳細に調査し、適切なリース料とリース期間を設定することで、リスクを管理しました。
民事再生中の企業のリースバックにおいては、専門家への相談が不可欠です。特に、
の2つの専門家への相談を推奨します。
弁護士は、法律の専門家であり、民事再生に関する手続きや、契約書の作成、リースの法的側面についてアドバイスを提供します。民事再生の手続きは複雑であり、法律的な知識が不可欠です。弁護士に相談することで、法的なリスクを回避し、適切な対応をとることができます。また、弁護士は、債権者との交渉や、裁判所への書類提出なども代行してくれます。
公認会計士は、財務・会計の専門家であり、企業の財務状況の分析、再生計画の策定、リースの会計処理についてアドバイスを提供します。リースバックは、企業の財務状況に大きな影響を与える可能性があります。公認会計士に相談することで、財務的なリスクを評価し、適切な会計処理を行うことができます。また、公認会計士は、再生計画の実現可能性や、資金繰りの改善策についてもアドバイスを提供してくれます。
リース会社は、弁護士や公認会計士に相談し、
についてアドバイスを受けることで、リスクを管理し、適切な判断を下すことができます。
民事再生中の企業のリースバックは、状況次第で有効な選択肢となり得ます。しかし、
が不可欠です。リース会社は、企業の財務状況、再生計画の進捗状況、資金繰りの状況などを詳細に調査し、適切なリース料とリース期間を設定する必要があります。また、弁護士や公認会計士に相談し、リースの法的・会計的側面についてもアドバイスを受けることが重要です。リースバックは、企業の資金繰り改善と事業継続を両立させるための有効な手段となり得ますが、リスクも存在します。専門家のアドバイスを受けながら、慎重に検討し、企業の再建を支援することが重要です。
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