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民法物件に関する17問の正誤判定:所有権、用益物権、そして紛争解決への道

【背景】
民法の物件に関する問題を解いていて、いくつか自信がない問題が出てきました。特に、動産と不動産の所有権、用益物権(地上権、地役権など)に関する部分が難しいです。

【悩み】
17問の正誤問題の解答と、それぞれの解説が知りたいです。特に、なぜその答えになるのか、関連する法律や判例なども知りたいです。正誤だけでなく、それぞれの選択肢について詳しく教えていただけたら嬉しいです。

1~17番全てについて正誤判定と解説が必要です。

回答と解説

この質問は、民法(特に物権法)に関する17問の正誤問題です。それぞれの設問について、正誤と詳細な解説をしていきます。法律用語は出来る限り分かりやすく説明し、初心者の方にも理解できるように努めます。

1.Aの所有動産とBの所有動産とが結合した場合、これらの動産を分離させるには過分の費用を要するにしても、双方の動産を損傷させないで分離させることが可能である以上、これらの付合のルールに服する扱いを受けない。

誤りです。

民法第234条は、動産の付合(複数の動産が結合すること)について規定しています。たとえ分離可能であっても、過分の費用を要する場合は、付合のルール(通常は、主たる動産に従属する動産の所有権が主たる動産の所有権に移転する)に従います。分離が可能であるかどうかは、費用対効果を考慮して判断されます。

2.Aの所有動産(価額1万円)とBの所有動産(価額2万円)とが付合して合成物ができた場合、Aの動産に従としてBの動産が付合した場合であっても、この合成物はAとBが1対2の持分で共有することになる。

誤りです。

付合の場合、価額比率で共有とは限りません。民法第234条では、主従関係を考慮します。Bの動産がAの動産に従属する付合であれば、合成物の所有権はAに移転します。価額比率による共有は、混合(複数の物が混ざり合って識別不能になること)の場合に適用されます。

3.Aが所有する建物の壁にBの壁紙が貼られた場合、Bは壁紙の所有権を失う。

誤りです。

壁紙は、建物の壁に付着しているものの、容易に剥離できるため、所有権はBが保持します。これは、付合ではなく、単なる結合(接合)とみなされます。

4.所有者を異にする物が混和して識別できない状態になった場合、混合物の所有者は動産同士が付合した場合に関する規定の準用によって定まる。

誤りです。

混和は、複数の物が混ざり合って識別不能になる状態です。付合とは異なり、民法第240条により、それぞれの物の価額比率で共有となります。

5.無主物先占は所有権に固有の取得原因があるが、埋葬物発見は所有権以外の権利についても当て嵌まる取得原因である。

誤りです。

無主物先占は、所有権を取得する取得原因です。埋葬物発見も、原則として所有権を取得する取得原因ですが、埋蔵文化財保護法など、他の法律の規定が優先される場合があります。

6.遺失物拾得は所有権に固有の取得原因があるが、埋葬物発見は所有権以外の権利についても当て嵌まる取得原因である。

誤りです。

遺失物拾得は、所有権を取得する取得原因ではありません。拾得者は、所有者への返還義務を負い、一定期間経過後、所有権を取得できます。埋葬物発見も、原則所有権取得ですが、前述の通り、他の法律が優先される可能性があります。

7.民法234条と建築基準法65条との関係について、後者は前者の特則ではないと解した最高裁判決がある。

正しいです。

民法234条(動産の付合)と建築基準法65条(建築基準に関する規定)は、異なる法律であり、後者が前者の特則とはみなされません。

8.存続期間が永久である地上権を設定することは可能である。

誤りです。

地上権は、存続期間を定める必要があります。永久に設定することはできません。

9.借地借家法によれば、建物所有を目的として設定された地上権の存続期間は最低でも30年である。

誤りです。

借地借家法は、借地借家関係を規制する法律であり、地上権の存続期間については規定していません。

10.地上権者は必ず地代を支払わなければならず、もしも地代についての取決めがなかったときは、当事者の請求により裁判所が時価相当額を考慮して定める。

誤りです。

地上権の設定にあたり、地代の支払いを義務づける必要はありません。地代の取決めがない場合は、裁判所が定めることもありません。

11.存続期間が永久である永小作権を設定することはできない。

正しいです。

永小作権も、存続期間を定める必要があります。永久に設定することはできません。

12.無償の永小作権を設定することは可能である。

正しいです。

永小作権は、地代を支払う義務がない場合も設定可能です。

13.AがBの所有地に地役権を有する場合のAの所有地を「要役地」、Bの所有地を「承役地」という。

誤りです。

Aの所有地は「要役地」、Bの所有地は「承役地」となります。記述が逆です。要役地は、地役権によって負担を負う土地、承役地は、地役権によって利益を受ける土地です。

14.入会権は、これが共有の性質を有するか否かに関わらず、各地方の慣習に服する扱いを受ける。

正しいです。

入会権は、特定の地域住民が、共同で自然物を使用する権利です。慣習法によって大きく左右されます。

15.Aが所有物をBに貸与して当該所有物を引き渡した場合、Aは占有権を失う。

正しいです。

所有物を貸与し、Bに引き渡した場合、Aは占有権を失います。ただし、所有権は保持しています。

16.民法が定める用益物権には占有権、地上権、永小作権、地役権の4つがある。

誤りです。

占有権は用益物権ではありません。所有権の構成要素です。用益物権は、地上権、永小作権、地役権です。

17.日本の民法は区分地上権を認めている。

誤りです。

日本の民法は、区分地上権を明示的に認めていません。

まとめ

本記事では、民法における物件に関する17問の正誤問題を解説しました。所有権、用益物権、そしてそれらに関連する法律や判例について理解を深めることが重要です。不動産取引や紛争解決においては、専門家のアドバイスを受けることも有効な手段となります。 特に、複雑なケースや高額な取引に関わる場合は、弁護士や不動産鑑定士などの専門家への相談を検討しましょう。 本記事が、民法に関する理解を深める一助となれば幸いです。

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