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民法1039条と遺留分:相続で損しないための徹底解説

【背景】
先日、父が亡くなりました。父は遺言書を残しており、私と兄に遺産をほぼ均等に分割する内容でした。しかし、母はまだ健在です。母には遺留分(相続人である配偶者や子に最低限保障される相続分)があることを知りました。遺言の内容では、母への遺留分が満たされない可能性があるため、不安に感じています。

【悩み】
民法1039条について調べてみたところ、遺留分を侵害する遺言があった場合、相続人は遺留分を侵害した相続人に対して、その侵害分を請求できる(償還請求)と書いてありました。しかし、遺留分の割合は最大でも2分の1です。仮に、遺言で私の相続分が減らされ、母に遺留分を償還請求したとしても、償還してもらえる額が私の受け取る相続分を下回ったら、実質的に損をしてしまうのではないかと思っています。本当にそうなのでしょうか?民法1039条について、分かりやすく教えてください。

遺留分は保障され、損することはありません。

相続と遺留分の基礎知識

相続とは、人が亡くなった際に、その人の財産(不動産、預金、有価証券など)が相続人に引き継がれることです。相続人は、法律で定められた順位(配偶者、子、父母など)によって決まります。

遺留分とは、相続人である配偶者や子に、最低限保障される相続分のことです。民法では、配偶者と子が共に相続人の場合、配偶者は相続財産の4分の1、子は2分の1の遺留分が認められています。遺言でこれらの割合を下回る相続分しか与えられていない場合、相続人は遺留分侵害額の償還請求ができます。

民法1039条と償還請求について

民法1039条は、遺留分を侵害する遺言があった場合、相続人が遺留分を侵害した相続人に対して、その侵害分を請求できることを定めています。これが償還請求です。

例えば、相続財産が1000万円で、配偶者の遺留分が250万円(1000万円×4分の1)なのに、遺言で100万円しか相続させなかった場合、配偶者は150万円(250万円ー100万円)の償還請求ができます。

質問への直接的な回答:損することはありません

質問者様は、遺留分を償還請求したとしても、償還してもらえる額が自分の相続分を下回る場合、損をしてしまうのではないかと心配されています。しかし、これは誤解です。

償還請求は、遺留分を侵害された相続人が、**侵害された遺留分**を請求する権利です。つまり、自分の相続分が減った分を請求するのではなく、**本来もらうべきだった遺留分**を請求するのです。

仮に、遺言であなたの相続分が減らされ、母が遺留分を侵害されたとします。母は、侵害された遺留分をあなたや兄に償還請求します。この時、あなたや兄は、母に償還すべき金額を支払う義務を負います。しかし、その支払いは、あなたの**本来の相続分とは別に**行われます。つまり、自分の相続分が減ることはありません。

関係する法律:民法第900条~第910条(遺留分に関する規定)

遺留分に関する規定は、民法第900条から第910条に定められています。これらの条文では、遺留分の計算方法や、遺留分を侵害された場合の請求方法などが詳しく規定されています。

誤解されがちなポイント:遺留分と相続分の違い

遺留分と相続分は混同されがちですが、全く別物です。相続分は、遺言によって自由に決められますが、遺留分は法律で最低限保障されている相続分です。遺留分は、遺言で減らされても、償還請求によって保障されます。

実務的なアドバイス:専門家への相談

相続問題は複雑で、法律の知識がなければ、誤った判断をしてしまう可能性があります。遺留分に関するトラブルを避けるためにも、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、あなたの状況を丁寧に聞き取り、最適な解決策を提案してくれます。

専門家に相談すべき場合

* 遺言の内容が複雑で、遺留分の計算が難しい場合
* 相続人の中に、遺留分を主張しない人がいる場合
* 相続財産に、不動産や株式など、評価が難しい財産が含まれる場合
* 相続人同士で、遺留分に関する意見が食い違っている場合

まとめ

民法1039条に基づく償還請求は、遺留分を侵害された相続人が、侵害された分を請求する権利です。そのため、償還請求によって自分の相続分が減ることはありません。しかし、相続問題は複雑なため、専門家への相談が安心です。遺留分に関する不安や疑問は、早急に専門家に相談し、解決策を見つけることをお勧めします。

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