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  • 民法584条・585条とは?共有持分の「買戻し」ルールを具体例で徹底解説

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民法584条と585条にある、共有持分の「買戻し」に関するルールが難しくて分かりません。具体的にどのような意味で、どういう時に使う条文なのでしょうか?

結論から言うと、この2つの条文は「共有者の一人が自分の持分を第三者に売却した後、残りの共有者がそれを取り戻せる(買い戻せる)権利」について定めたルールです。

第584条は「他の共有者にも買い戻すチャンスがあること」を、第585条はその「買い戻しの具体的な手続き方法」を定めています。これは、共有不動産の人間関係やバランスを維持するための重要な規定です。この記事では、難解な条文を一つずつ分解し、具体的な事例を交えながら、その意味と重要性を分かりやすく解説していきます。

すべての基本:民法584条「共有者の買戻権」とは

まずは、基本となる584条から見ていきましょう。この条文の目的は、一言でいえば**「共有不動産に、見知らぬ第三者が入ってくるのを防ぐ」**ためのものです。

なぜこのルールが必要なのか?

共有不動産は、共有者同士の信頼関係や協力があって初めて、円滑な管理や運営が成り立ちます。もし、共有者の一人(Cさん)が、他の共有者(Aさん、Bさん)に無断で、見ず知らずの第三者(Dさん)に自分の持分を売却してしまったらどうなるでしょう?AさんBさんにとっては、Dさんがどのような人物か分からず、今後の管理方針などを巡ってトラブルになるかもしれません。

このような事態を防ぐため、民法584条は、残されたAさんBさんに「待った!」をかける権利、すなわちDさんからその持分を買い戻す権利(買戻権)を認めているのです。

具体例で理解する民法584条

【登場人物】

  • Aさん、Bさん、Cさん:仲の良い兄弟で、実家をそれぞれ1/3ずつの共有持分で所有。
  • Dさん:Cさんから持分を買い取った、兄弟とは無関係の不動産投資家。

【状況】
Cさんが急にお金が必要になり、AさんBさんに相談なく、自分の持分1/3をDさんに1,000万円で売却してしまいました。

【584条の適用】
このままだと、AさんBさんは見知らぬDさんと実家を共有することになります。しかし、584条のルールがあるので、AさんBさんはDさんに対して「その持分、私たちが買い戻します」と主張できます。Dさんは、たとえ転売して利益を得るつもりだったとしても、この申し出を拒否することはできません。

手続きを定める:民法585条「買戻しの実行」

では、具体的にどうやって買い戻すのでしょうか。その手続きの詳細を定めているのが、585条です。

条文のポイント:誰が、いくらで、どうやって買い戻すか

585条は、買戻しを実行する際の具体的なルールを定めています。要点は以下の通りです。

  • 買戻しの代金:DさんがCさんに支払った売買代金(1,000万円)と、登記費用などDさんが負担した契約費用を合わせた額を、AさんBさんがDさんに支払います。
  • 一人の共有者だけが買い戻したい場合:もしBさんが「自分は関与したくない」と言い、Aさんだけが買い戻しを希望した場合、AさんはCさんの持分1/3の全てを一人で買い戻すことができます。
  • 複数の共有者が買い戻したい場合:もしAさんとBさんの両方が買い戻しを希望した場合、二人は自分たちの元の持分割合に応じて、Cさんの持分を按分して買い戻します。この例ではAさんとBさんの持分は同じ(1/3ずつ)なので、Cさんの持分1/3を半分ずつ、つまりそれぞれ1/6ずつ買い戻すことになります。

この記事の重要ポイント

  • ポイント1:民法584条は、共有者の一人が持分を売却した際に、他の共有者がそれを取り戻す「買戻権」を認めたルールです。
  • ポイント2:民法585条は、その買戻しの代金(元の売買代金+費用)や、複数の共有者で買い戻す際の按分方法など、具体的な手続きを定めています。
  • ポイント3:これらの条文は、共有者間に特別な取り決めがない場合のセーフティネットです。一番の対策は、事前に共有者間で持分売却のルールを決めておくことです。

まとめ:共有関係を守るためのセーフティネット

最後に、今回のポイントを整理します。

  • 民法584条は「権利」の条文:共有不動産に望まない第三者が入ってくるのを防ぐため、他の共有者に「買い戻す権利」を与える。
  • 民法585条は「手続き」の条文:その権利をどうやって行使するかの具体的な方法(金額、按分方法など)を定める。
  • 予防が最善:これらの法律は、あくまで問題が起きた後のためのセーフティネットです。最も重要なのは、共有者間で普段からコミュニケーションを取り、万が一持分を売却する際のルール(例えば、売却する際はまず他の共有者に声をかける、など)を事前に話し合っておくことです。

ご覧いただいたように、民法には共有者間の安定した関係を守るための詳細なルールが定められています。これらの知識は、ご自身の資産である共有持分を守る上で非常に重要です。しかし、法律に頼る状況というのは、すでに関係がこじれ始めている証拠とも言えます。

もしあなたが共有不動産を所有しており、他の共有者の動向に不安を感じたり、ご自身の持分の売却を検討されたりしている場合は、問題が複雑化する前に、共有不動産に詳しい専門家に相談し、ご自身の権利や取りうる選択肢について正確に把握しておくことをお勧めします。

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