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法定相続と相続分変更:兄の了承は必要?姉への加算は可能?

【背景】
* 母が他界し、相続人が私、姉、兄の3人です。
* 父は既に亡くなっています。
* 母の介護は主に姉が行っていました。
* 法定相続分は1/3ずつですが、姉への感謝を込めて、私の相続分を姉に譲渡したいと考えています。

【悩み】
相続分の1/3を兄が相続し、残りの2/3を姉と私で話し合って、私の分を姉に加算することは可能でしょうか?兄の承諾は必要なのでしょうか?

兄の承諾は不要です。遺留分(※後述)を侵害しなければ、自由に変更できます。

相続の基礎知識:法定相続と遺留分

相続とは、被相続人(亡くなった人)の財産が、相続人(法律で定められた相続権を持つ人)に引き継がれることです。法定相続(※法律で定められた相続方法)では、相続人の数によって相続分が決まります。今回のケースでは、父が既に亡くなっているため、母の子である3人が法定相続人となり、通常はそれぞれ1/3ずつ相続します。

しかし、相続人には「遺留分」という権利があります。遺留分とは、最低限相続人が受け取れる相続分のことで、これを侵害するような相続分変更はできません。 遺留分は、相続人の種類によって割合が異なり、直系尊属(※父母など)や直系卑属(※子など)がいる場合、その割合は法律で厳格に定められています。

今回のケースへの回答:兄の承諾は不要

質問者様は、自分の相続分を姉に譲渡したいと考えています。これは、兄の承諾を得ることなく可能です。なぜなら、相続財産を相続人同士で自由に分け合うことは法律で認められており、その際に他の相続人の承諾は必要ないからです。ただし、重要なのは遺留分です。 質問者様と姉が遺留分を侵害しない範囲で相続分を変更すれば、兄の承諾は必要ありません。

民法における相続に関する規定

日本の相続に関するルールは、主に民法(※日本の基本的な法律の一つ)に定められています。民法では、相続の開始、相続人の範囲、相続分、遺留分などについて詳細に規定されています。今回のケースは、民法の相続に関する規定に基づいて判断されます。

誤解されがちなポイント:遺留分の重要性

相続において、最も誤解されやすいのが遺留分です。遺留分は、相続人が最低限確保できる相続分のことであり、これを侵害する相続分変更は、裁判によって無効とされる可能性があります。 例えば、相続財産が1000万円で、質問者様、姉、兄の遺留分がそれぞれ333万円以上であれば、いくら相続分を変更しても問題ありません。しかし、遺留分を下回るような変更は、遺留分減殺請求(※遺留分を侵害された相続人が、侵害された分を請求する権利)という形で訴訟を起こされる可能性があります。

実務的なアドバイス:具体的な手続き

相続分を変更する際には、公正証書(※公証役場で作成される、証拠力が高い文書)を作成することをお勧めします。公正証書を作成することで、後々のトラブルを回避することができます。また、相続財産の明確な把握と、相続税申告(※一定額以上の相続財産がある場合に必要)の手続きも重要です。

専門家に相談すべき場合:複雑な相続の場合

相続財産に不動産が含まれている場合や、相続人が多数いる場合、高額な相続税が発生する場合などは、専門家(弁護士や税理士)に相談することをお勧めします。専門家は、相続手続き全般について適切なアドバイスを行い、トラブルを未然に防ぐことができます。

まとめ:相続分変更は可能だが、遺留分に注意

今回のケースでは、質問者様が自分の相続分を姉に譲渡することは、兄の承諾なしに可能です。ただし、遺留分を侵害しない範囲で行う必要があります。遺留分を侵害すると、遺留分減殺請求を受ける可能性があります。複雑な相続の場合は、専門家に相談することをお勧めします。 相続はデリケートな問題です。事前にしっかりと知識を身につけ、必要に応じて専門家の力を借りながら、円滑な手続きを進めましょう。

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