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法定相続人3名、遺言で2名への相続指定、1名の相続放棄…財産の分配はどうなる?

【背景】
父が亡くなり、公正証書遺言が残されました。法定相続人は私(A)、兄(B)、姉(C)の3人です。遺言書には、父が所有する財産を私(A)と兄(B)に相続させる旨が記載されていました。

【悩み】
相続財産を受け取る権利のある私(A)ですが、諸事情により相続を放棄したいと考えています。この場合、残りの兄(B)と姉(C)への財産の分配はどうなるのでしょうか?遺言自体が無効になる可能性はありますか?それとも、私の相続分は兄(B)が全て相続することになるのでしょうか?それとも、兄(B)と姉(C)で私の分を分け合うことになるのでしょうか? 色々な可能性が考えられ、不安です。

Aの相続放棄により、遺言は有効。BがAの相続分を含む全財産を相続。

相続と遺言の基本知識

まず、相続とは、亡くなった人の財産(不動産、預金、有価証券など)が、法律に基づいて相続人に引き継がれることです。相続人は、法律で定められた法定相続人(配偶者、子、親など)です。今回のケースでは、質問者Aさん、兄Bさん、姉Cさんが法定相続人となります。

一方、遺言とは、亡くなった人が自分の財産をどのように相続させるかについて、あらかじめ意思表示をしたものです。公正証書遺言は、公証役場で作成される遺言で、法的効力が強く、偽造や紛失のリスクも少ないとされています。

今回のケースにおける財産分配

質問者Aさんが相続を放棄した場合、遺言の内容は変更されません。遺言書にはAさんとBさんが相続人と明記されているため、遺言の効力は維持されます。

Aさんの相続放棄によって空いた相続分は、残りの相続人であるBさんが相続します。つまり、BさんがAさんの相続分を含めた全財産を相続することになります。姉Cさんは、遺言に記載がないため、相続の対象外となります。

民法における相続放棄

民法では、相続人は相続開始を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に相続放棄の申述をすることができます(民法第1015条)。相続放棄は、相続開始前に遡及して効力を生じます(民法第1017条)。つまり、Aさんが相続放棄をすれば、最初からAさんが相続人ではなかったことになります。

誤解されやすいポイント:遺言の無効と相続放棄

相続放棄は、遺言自体が無効になることを意味しません。遺言は、亡くなった人の意思表示であり、相続放棄は、相続人がその意思表示に基づく権利を放棄する行為です。この2つは別々の概念です。

実務的なアドバイス

相続放棄の手続きは、家庭裁判所への申述が必要です。専門の弁護士や司法書士に相談することを強くお勧めします。相続放棄には期限があり、手続きが複雑なため、専門家のアドバイスを受けることで、スムーズな手続きを進めることができます。また、相続財産の内容や規模によっては、相続税の申告が必要になる場合もあります。

専門家に相談すべき場合

相続放棄は、一度行うと取り消すことができません。また、相続財産の内容や相続人の状況によっては、複雑な法律問題が絡む可能性があります。少しでも不安がある場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。特に、高額な財産や複雑な相続関係がある場合は、専門家のサポートが不可欠です。

まとめ

今回のケースでは、Aさんの相続放棄によって、遺言の効力は維持され、BさんがAさんの相続分を含む全財産を相続することになります。相続放棄は、専門的な知識と手続きが必要なため、専門家への相談がおすすめです。相続に関する手続きは、期限や複雑なルールがあるため、早めの対応が重要です。

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