倒産・破産手続き…まずは基礎知識を整理しましょう

事業がうまくいかなくなり、借金が返せなくなった場合、会社をたたむ(倒産する)ことを考えなければならないことがあります。倒産にはいくつかの種類があり、それぞれ手続きや影響が異なります。

今回のケースで重要となるのは、主に「破産」と「任意整理」です。

  • 破産:裁判所に申し立てを行い、会社の財産をすべて換金して債権者(お金を貸した人たち)に分配する手続きです。最終的に、会社の借金は原則として免除されます。
  • 任意整理:裁判所を通さず、債権者と個別に交渉し、借金の減額や支払い方法の変更などを目指す手続きです。

また、倒産には、会社だけでなく、経営者個人の問題も関わってきます。経営者個人が連帯保証人になっている場合、会社の借金は経営者個人の借金にもなります。この場合、経営者個人も破産などの手続きを取る必要が出てくる可能性があります。

今回のケースでは、借入金が1億円を超え、不動産が担保になっているとのことですので、破産の手続きになる可能性が高いと考えられます。

最初のステップ:弁護士への相談が最優先です

倒産の手続きを検討する際、最初にすべきことは、弁護士に相談することです。倒産に関する専門知識を持つ弁護士は、状況を正確に把握し、最適な解決策を提案してくれます。

「倒産関連のブログで、銀行に分からないように事を運ぶように書いてあるものもある」というお話ですが、これは誤解を招きやすい情報です。
確かに、銀行との交渉は慎重に進める必要がありますが、不正な行為は絶対に避けるべきです。
弁護士は、法的な観点から、適切な対応方法をアドバイスしてくれますので、まずは相談しましょう。

弁護士に相談することで、以下のようなメリットがあります。

  • 今後の手続きの流れや、必要な書類、費用について詳しく教えてもらえます。
  • 債権者との交渉を代行してくれます。
  • 破産手続きを行う場合、裁判所への書類作成をサポートしてくれます。
  • 任意売却の手続きについても相談できます。

相談の際には、会社の状況(負債額、資産状況、今後の見通しなど)をできるだけ詳しく伝えましょう。
また、疑問点や不安なことは、遠慮なく質問しましょう。

任意売却について:弁護士に相談できます

任意売却とは、住宅ローンなどの借金の返済が困難になった場合、債権者(この場合は銀行)の同意を得て、不動産を売却することです。
競売(裁判所が不動産を強制的に売却すること)よりも、高い価格で売却できる可能性があり、残債を減らすことができます。

「任意売却をしたい場合、弁護士とは別に、任意売却を扱う会社にお願いしなければならないのでしょうか?」という疑問についてですが、弁護士に相談することで、任意売却の手続きを進めることができます。
弁護士によっては、任意売却を専門とする不動産業者と連携している場合もあります。
弁護士に相談する際に、任意売却についても対応可能か確認してみましょう。

任意売却のメリットとしては、

  • 競売よりも高い価格で売却できる可能性がある
  • 引っ越し費用や、次の住まいを探す時間を確保しやすい
  • 周囲に知られにくい

などが挙げられます。

弁護士費用と売掛金の扱いについて

「弁護士費用が厳しいのですが、事業をストップしたあとに入る売掛金を回すことは可能でしょうか?それらもすべて銀行に差し押さえられますか?」というご質問について解説します。

弁護士費用は、依頼する弁護士や手続きの種類によって異なります。
一般的に、着手金(最初に支払う費用)、報酬金(手続きが成功した場合に支払う費用)、実費(書類作成費用など)がかかります。

弁護士費用を支払うために、売掛金を充当できるかどうかは、状況によって異なります。
基本的には、弁護士費用は優先的に支払われるべきですが、売掛金の状況や、他の債権者との関係性などを考慮して、弁護士と相談する必要があります。

売掛金が差し押さえられる可能性についても、注意が必要です。
破産手続きが開始されると、原則として、会社の財産はすべて換価(お金に換えること)され、債権者に分配されます。
売掛金も財産の一部ですので、銀行に差し押さえられる可能性があります。

ただし、売掛金が少額で、弁護士費用に充当できる場合など、状況によっては、弁護士が債権者と交渉し、売掛金を優先的に使用できる場合もあります。
弁護士に相談し、具体的な対応についてアドバイスをもらいましょう。

倒産手続きの流れ:大まかな流れを理解しておきましょう

倒産の手続きは、状況によって異なりますが、一般的には以下のような流れで進みます。

  • 弁護士への相談:まずは弁護士に相談し、今後の手続きについてアドバイスをもらいます。
  • 債権者への通知:弁護士が債権者に対して、会社が倒産手続きに入ることを通知します。
  • 財産調査:会社の財産(現金、預貯金、不動産、売掛金など)を調査します。
  • 債権者集会:破産手続きの場合、債権者を集めて、財産の状況や、今後の手続きについて説明する場合があります。
  • 債権届出:債権者は、自分の債権(貸したお金など)を裁判所に届け出ます。
  • 破産宣告・免責許可:破産手続きの場合、裁判所が破産宣告を行い、その後、免責許可(借金を帳消しにする許可)を得ることを目指します。
  • 財産の換価・配当:会社の財産を換金し、債権者に分配します。
  • 手続きの終了:免責許可が確定すると、原則として、会社の借金は免除され、手続きが終了します。

任意整理の場合、裁判所を通さず、債権者と個別に交渉し、和解を目指します。

関係する法律と制度:知っておきたい法律の基礎知識

倒産に関係する主な法律は、「破産法」と「民事再生法」です。

  • 破産法:破産手続きについて定めています。
  • 民事再生法:会社を再建するための手続きについて定めています。

今回のケースでは、負債額が大きく、不動産が担保になっていることから、破産手続きになる可能性が高いと考えられます。

また、個人で事業を行っていた場合、経営者は、会社の借金について連帯保証人になっている可能性があります。
連帯保証人になっている場合、会社の借金は、経営者個人の借金にもなります。
この場合、経営者個人も、破産などの手続きを取る必要が出てくる可能性があります。

誤解しやすいポイント:注意すべき点を確認しましょう

倒産に関する情報の中には、誤解を招きやすいものがあります。
特に注意すべき点について解説します。

  • 「倒産しても、借金はチャラになる」という誤解:破産手続きを行うと、原則として借金は免除されますが、すべての借金が免除されるわけではありません。税金や、悪意を持って行った不法行為による損害賠償請求などは、免除されない場合があります。
  • 「弁護士費用は高い」という誤解:弁護士費用は、決して安くはありませんが、適切な手続きを行うためには、必要な費用です。弁護士費用を払えない場合でも、法テラス(法律扶助制度)を利用できる場合があります。
  • 「自己破産すると、すべての財産を失う」という誤解:自己破産しても、生活に必要な財産(家財道具など)は、手元に残すことができます。

これらの誤解を避けるためにも、専門家である弁護士に相談し、正確な情報を得るようにしましょう。

専門家に相談すべき場合とその理由

倒産の問題は、非常に複雑であり、専門的な知識が必要です。
以下のような場合は、必ず専門家(弁護士)に相談しましょう。

  • 借金が返済できなくなった場合:借金の額に関わらず、返済が困難になった場合は、早めに弁護士に相談しましょう。
  • 債権者から取り立てが始まった場合:債権者からの取り立てが始まった場合は、放置せずに、弁護士に相談しましょう。
  • 会社の経営状況が改善の見込みがない場合:会社の経営状況が改善の見込みがない場合は、早めに倒産手続きを検討しましょう。
  • 法的知識に不安がある場合:倒産に関する法的知識に不安がある場合は、専門家である弁護士に相談しましょう。

弁護士に相談することで、適切なアドバイスを受けることができ、今後の手続きをスムーズに進めることができます。

まとめ:今回の重要ポイントのおさらい

今回のケースでは、お父様の会社の倒産・破産手続きについて、以下の点が重要です。

  • まずは弁護士に相談:倒産の手続きは複雑ですので、まずは弁護士に相談し、今後の流れや、必要な手続きについてアドバイスをもらいましょう。
  • 任意売却も検討:任意売却を希望する場合は、弁護士に相談しましょう。弁護士が、任意売却を専門とする不動産業者と連携している場合もあります。
  • 弁護士費用と売掛金の扱い:弁護士費用や、売掛金の扱いは、弁護士に相談して、具体的な対応についてアドバイスをもらいましょう。
  • 正確な情報を得る:倒産に関する情報の中には、誤解を招きやすいものがあります。専門家である弁護士に相談し、正確な情報を得るようにしましょう。

お父様の状況は大変厳しいものと思われますが、適切な対応をとることで、解決できる道は必ずあります。
まずは、専門家である弁護士に相談し、今後の手続きについてアドバイスをもらいましょう。