自己破産とは? 基礎知識を分かりやすく解説
自己破産とは、借金を抱え、返済の見込みがなくなった人が、裁判所に申し立てることによって、借金の支払いを免除してもらう(免責(めんせき))ための手続きです。簡単に言うと、「もう借金を返せません」という状態になったときに、裁判所がそれを認めて、借金の支払いを帳消しにする制度です。
自己破産の手続きは、大きく分けて「破産手続開始の決定」と「免責許可の決定」の二つの段階があります。「破産手続開始の決定」では、裁判所が破産を認めるかどうかを判断します。その後、債権者(お金を貸した人)への配当などが行われ、「免責許可の決定」で、借金の支払いが免除されます。
自己破産は、借金で苦しんでいる人々が、経済的な再スタートを切るための重要な制度ですが、同時に、様々な影響も伴います。自己破産を検討する際には、そのメリットとデメリットをしっかりと理解しておく必要があります。
今回のケース:父親は自己破産できる?
今回のケースでは、父親は自己破産できる可能性が高いと考えられます。まず、父親は多額の借金(1500万円)を抱えており、アルバイト収入だけでは返済が困難な状況です。月々の返済額が収入を大きく上回っていることからも、返済能力がないと判断される可能性があります。
しかし、自己破産にはいくつかの条件があります。例えば、借金の原因がギャンブルや浪費など、免責不許可事由(めんせきふきょかじゆう)に該当する場合は、免責が認められないことがあります。今回のケースでは、父親の借金の原因が会社の経営状況によるものなので、この点では問題ないと考えられます。
自己破産の手続きを進めるには、裁判所に破産申立書(はさんしんせいしょ)を提出し、必要な書類を揃える必要があります。裁判所は、父親の収入や資産、借金の状況などを詳しく調査し、自己破産を認めるかどうかを判断します。
自己破産と関係する法律や制度
自己破産に関係する主な法律は、破産法です。破産法は、自己破産の手続きや、破産者の財産の管理、債権者への配当などについて定めています。
また、自己破産の手続きにおいては、民事執行法も関係してきます。民事執行法は、債権者が債務者の財産を差し押さえるための手続きなどを定めています。
自己破産をすると、一部の職業に就けなくなるなどの制限を受ける場合があります。これは、弁護士法や公認会計士法などの関連法規によって定められています。
誤解されがちなポイント:自己破産の注意点
自己破産について、よく誤解されているポイントをいくつか説明します。
- 持ち家はどうなる? 自己破産をすると、原則として持ち家などの財産は処分され、債権者への配当に充てられます。今回のケースでは、実家は手放さなければならない可能性が高いです。ただし、例外的に、一定の条件を満たせば、財産を残せる場合もあります(自由財産(じゆうざいさん)の拡張)。
- 家族への影響は? 自己破産は、原則として破産者本人のみに影響が及びます。家族の財産や収入に影響が及ぶことはありません。ただし、家族が連帯保証人になっている場合は、その家族が借金を支払う義務を負うことになります。
- 借金はすべてなくなる? 自己破産によって、原則としてすべての借金の支払いが免除されます。しかし、税金や養育費など、一部の債務は免除の対象外となります。
- 一生、自己破産できない? 一度自己破産をしても、一定期間が経過すれば、再び自己破産を申し立てることは可能です。ただし、短期間での再度の自己破産は、裁判所から厳しく判断される可能性があります。
実務的なアドバイス:自己破産前にしておくこと
自己破産を検討する前に、以下のような準備をしておくことが重要です。
- 専門家への相談: 弁護士や司法書士などの専門家に相談し、自己破産の可能性や手続き、費用などについて詳しく説明を受けましょう。専門家は、個々の状況に合わせて、最適なアドバイスをしてくれます。
- 財産の整理: 破産手続きが始まると、財産の状況を正確に把握する必要があります。預貯金や不動産、保険など、全ての財産をリストアップし、評価額を調べておきましょう。
- 債権者への対応: 債権者からの督促(とくそく)や取り立てに対して、冷静に対応しましょう。専門家と相談しながら、適切な対応を取ることが大切です。
- 今後の生活設計: 自己破産後の生活について、具体的に考えておきましょう。住む場所や収入源、生活費などについて、計画を立てておく必要があります。
今回のケースでは、父親と家族で話し合い、今後の生活について、具体的なプランを立てることが重要です。例えば、
- 実家を売却し、売却益を借金返済に充てる。
- 父親が賃貸住宅に引っ越し、弟も就職して自立を目指す。
- 家族で協力して、父親の生活を支える。
など、様々な選択肢が考えられます。
専門家に相談すべき場合とその理由
自己破産の手続きは複雑であり、専門的な知識が必要です。以下のような場合は、必ず弁護士や司法書士などの専門家に相談しましょう。
- 借金の額が多額である場合: 借金の額が多額であるほど、自己破産の手続きは複雑になります。
- 財産の状況が複雑である場合: 不動産や株式など、複雑な財産がある場合は、専門家のサポートが必要不可欠です。
- 免責不許可事由(めんせきふきょかじゆう)がある場合: ギャンブルや浪費など、免責が認められない可能性がある場合は、専門家と相談して、適切な対応策を検討する必要があります。
- 債権者との交渉が必要な場合: 債権者との交渉が難航する場合は、専門家に依頼して、交渉を代行してもらうことができます。
専門家は、自己破産の手続きを全面的にサポートし、債権者との交渉や裁判所への対応など、様々な面で支援してくれます。また、個々の状況に合わせて、最適なアドバイスをしてくれます。
まとめ:今回の重要ポイントのおさらい
今回のケースの重要ポイントをまとめます。
- 父親は自己破産できる可能性が高い。
- 自己破産すると、原則として持ち家は手放すことになる。
- 専門家(弁護士や司法書士)に相談し、手続きを進めることが重要。
- 自己破産後の生活について、家族で話し合い、具体的なプランを立てる必要がある。
自己破産は、人生における大きな決断です。しかし、適切な手続きを踏めば、経済的な再スタートを切るための有効な手段となります。今回のケースでは、父親だけでなく、家族全体で協力し、今後の生活について、前向きに考えていくことが大切です。

