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特許出願における共有者失踪・死亡問題:拒絶査定不服審判への影響と解決策

【背景】
特許を出願したのですが、発明の権利が私と友人Aさんの共有となっています。最近、友人Aさんと連絡が取れなくなってしまいました。特許庁から拒絶査定(特許を受ける権利を認められないという決定)を受け、不服審判(拒絶査定に対して異議を申し立てる手続き)を請求したいのですが、Aさんと連絡が取れないため困っています。

【悩み】
特許の共有者は全員で不服審判を請求しなければならないと聞いています。Aさんと連絡が取れない場合、不服審判を請求することはできるのでしょうか?また、Aさんが亡くなっていた場合はどうすれば良いのでしょうか?

連絡不能な共有者への対応策は、状況に応じて代理人選任や相続手続きなどが必要になります。

1. 特許権共有と不服審判の基礎知識

特許権は、発明をした複数の人で共有されることがあります。この場合、特許に関する重要な決定、例えば拒絶査定に対する不服審判の請求は、共有者全員の合意が必要です。これは、固有必要的共同訴訟(複数の権利者が共同で訴訟行為を行う必要がある訴訟)の原則に基づいています。 つまり、全員が「不服審判を請求する」という意思表示をする必要があるのです。

2. 連絡が取れない共有者への対応

共有者が行方不明で連絡が取れない場合、まず、できる限りの努力をして連絡を取ろうとする必要があります。例えば、共通の知人を通じて連絡を試みたり、住民票の写しを取得して住所を特定しようとしたりします。

しかし、それでも連絡が取れない場合は、裁判所に代理人選任の申し立てを行うことを検討する必要があります。裁判所は、連絡が取れない共有者の代わりに代理人を立て、不服審判の手続きを進めることを認める場合があります。この手続きには、裁判所への書類提出や、弁護士などの専門家の協力を得ることが必要になります。

3. 共有者が亡くなった場合の対応

共有者が亡くなった場合は、相続手続きが必要です。特許権は相続財産(亡くなった人が残した財産)の一つとして相続人に承継されます。相続人が複数いる場合は、相続人全員の合意を得て、不服審判を請求する必要があります。相続の手続きには、遺産分割協議書の作成や、必要に応じて家庭裁判所への申立てが必要となる場合もあります。

4. 関係する法律:特許法と民法

この問題には、特許法(特許権に関する法律)と民法(相続や代理権に関する法律)が関係します。特許法は、特許権の共有と不服審判の手続きについて定めており、民法は、相続や代理権に関するルールを定めています。これらの法律を理解した上で、適切な手続きを進める必要があります。

5. 誤解されがちなポイント:単独での不服審判請求

連絡が取れないからといって、残りの共有者だけで不服審判を請求することはできません。固有必要的共同訴訟の原則に従い、共有者全員の合意がなければ、手続きを進めることができません。

6. 実務的なアドバイス:弁護士への相談

連絡が取れない共有者への対応や相続手続きは、法律の専門知識が必要な複雑な手続きです。そのため、弁護士に相談することを強くお勧めします。弁護士は、状況に応じて適切なアドバイスを行い、必要な手続きをサポートしてくれます。

7. まとめ:共有者との連絡が不可欠

特許権の共有者は、特許に関する重要な決定において、全員の合意が必要です。連絡が取れない、もしくは亡くなった場合、裁判所への申し立てや相続手続きなど、専門的な知識と手続きが必要になります。早期に弁護士などの専門家に相談し、適切な対応を取ることで、権利を守ることができます。 特許権という貴重な権利を守るためには、共有者との連携が不可欠です。

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