
- Q&A
生前贈与で相続した実家、家財道具の所有権は?海外在住の父とのトラブル解決策
共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック【悩み】
生前贈与で実家を受け継ぎましたが、家財道具の所有権が父にあるのか、私にあるのかが分かりません。父が勝手に家に入り、売り払う可能性があり、とても不安です。どうすれば良いのでしょうか?
まず、生前贈与とは、生きているうちに財産を贈与することです。この場合、ご質問者様は父から実家の土地と建物を贈与されたことになります。 重要なのは、**所有権の移転**です。所有権とは、その財産を自由に使用・収益・処分できる権利のこと(所有権=所有物に対する権利)です。 土地や建物の所有権は、贈与契約によってご質問者様に移転したと考えられます。 しかし、これは土地と建物のみの話です。
問題は、家財道具の所有権です。 土地や建物の所有権が移転したとしても、家財道具の所有権まで自動的に移転するわけではありません。 父が購入し、所有していたテレビや家具などの家財道具は、贈与契約に明記されていない限り、引き続き父の所有物です。 「家は渡したが、家財道具は別」という父の主張は、この点においては正しいと言えます。
民法では、所有権と占有という概念が重要になります。所有権は前述の通り、財産を自由に支配する権利です。一方、占有とは、物を実際に自分のものとして使用する状態を指します。 ご質問者様は実家の土地と建物の所有権を持ち、占有していますが、家財道具の所有権は父にあります。父が家財道具を勝手に持ち去ったり、売却しようとしたりするのは、所有権に基づく行為であり、ご質問者様はこれを阻止する法的権利を持ちません。
家財道具が建物に「附合(ふごう)」しているから、建物と一緒に所有権が移転したと誤解する方がいます。附合とは、ある物が他の物に付合して、一体不可分となる状態のことです。例えば、建物の壁に埋め込まれたエアコンなどは、建物の一部とみなされ、建物と一緒に所有権が移転することがあります。しかし、テレビや家具などは、容易に取り外せるため、通常は附合とはみなされません。
現在の状況では、父が家財道具を勝手に処分する可能性があるため、証拠を確保することが重要です。 例えば、家財道具の写真や動画を撮影し、日付を記録しておきましょう。 また、父が勝手に家に入っている事実についても、証拠を確保する必要があります。 もし、父が家財道具を売却しようとしたり、ご質問者様の生活を妨害するような行為をしたら、弁護士に相談し、法的措置(例えば、不法侵入や損害賠償請求)を検討する必要があります。
父との関係が悪く、話し合いが困難な場合は、弁護士に相談することを強くお勧めします。弁護士は、ご質問者様の状況を詳しく聞き取り、適切な法的アドバイスと手続きをサポートしてくれます。 特に、父が家財道具を売却しようとしている場合や、ご質問者様の生活に支障をきたしている場合は、迅速な対応が必要です。
生前贈与では、贈与された財産の範囲を明確にすることが重要です。今回のケースでは、土地と建物の所有権は移転しましたが、家財道具の所有権は父に残っているため、父が家財道具を処分するのを防ぐためには、法的措置を検討する必要があるでしょう。 将来、同様のトラブルを避けるためにも、贈与契約書をきちんと作成し、贈与の範囲を明確に記しておくことが大切です。 また、トラブル発生時には、弁護士などの専門家に相談し、適切な対応を取るようにしましょう。
共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック