生前贈与と遺言、遺留分請求後の家の取り壊し：相続トラブルと裁判の進め方

【背景】
* 父親は10年前に他界。
* 母親が最近亡くなり、私は長男として介護と看取りをしました。
* 母親は生前に私に土地を贈与し、遺言書（公正証書）で全遺産を私に相続させると指定しました。
* 土地建物の名義変更と相続税の支払いを済ませました。
* しかし、弟2人から遺留分（相続人である兄弟姉妹が最低限受け取る権利のある財産の割合）の請求がありました。
* 家庭裁判所の調停が数回行われましたが、決着せず、裁判を申し出ました。
* 弟たちは裁判費用がないと言い、連絡が途絶えています。
* 孫が生まれたため、名義変更済みの家を解体し、息子家族のために家を建てたいと考えています。

【悩み】
弟たちが裁判費用がないと言い連絡がないまま、いつまで待てば良いのか？また、名義変更済みの家を勝手に取り壊しても問題ないのか？不安です。

裁判の進行状況を確認し、必要であれば裁判所に連絡を取りましょう。家の解体には、弟たちの承諾が必要です。

テーマの基礎知識：相続と遺留分、裁判手続き

相続とは、被相続人（亡くなった人）の財産が相続人（法律で定められた相続権を持つ人）に引き継がれることです。日本の法律では、遺言書があればその通りに遺産分割が行われますが、遺言書がない場合や遺言書の内容に問題がある場合は、法定相続分（法律で定められた相続割合）に従って分割されます。

遺留分は、相続人が最低限受け取る権利のある財産の割合です。配偶者や子には、法定相続分の一定割合以上の遺留分が認められています。今回のケースでは、弟たちが遺留分を主張しているということです。

裁判手続きは、大きく分けて調停、審判、判決の３つの段階があります。調停は当事者同士が話し合って解決を目指す段階、審判は裁判官が判断する段階、判決は裁判官が最終的な判断を下す段階です。

今回のケースへの直接的な回答：弟たちの連絡がない状況と家の解体

弟たちが連絡を絶っているからといって、あなたが一方的に裁判を起こすことはできません。裁判所から連絡があるまで待つ必要があります。連絡がない場合は、裁判所へ状況を説明し、今後の手続きについて相談しましょう。

また、家はあなたに名義変更済みとはいえ、弟たちの遺留分請求が解決するまでは、勝手に解体することはできません。弟たちの承諾を得るか、裁判で解決する必要があります。

関係する法律や制度：民法、相続税法

このケースでは、民法（特に相続に関する規定）と相続税法が関係します。民法は相続の原則や遺留分、遺言の有効性などを定めています。相続税法は、相続によって財産を取得した場合に課税される相続税について定めています。

誤解されがちなポイント：遺言書があっても遺留分請求は可能

遺言書があっても、遺留分を侵害する内容であれば、相続人は遺留分減殺請求（遺留分を確保するために、遺言の内容を一部変更する請求）をすることができます。今回のケースのように、遺言書で全遺産を長男に相続させるとしても、弟たちは遺留分を主張できる可能性があります。

実務的なアドバイス：弁護士への相談と裁判所の連絡

弟たちとの連絡が途絶えている状況では、弁護士に相談することを強くお勧めします。弁護士は、裁判手続きの進め方や、弟たちへの対応についてアドバイスをしてくれます。また、裁判所の担当者にも連絡を取り、現状を説明し、今後の手続きについて確認しましょう。

専門家に相談すべき場合とその理由：相続トラブルの複雑さ

相続問題は、法律や税金に関する知識が必要な複雑な問題です。特に、遺留分や裁判手続きについては、専門家のアドバイスなしに解決するのは難しいでしょう。弁護士や税理士などの専門家に相談することで、適切な解決策を見つけることができます。

まとめ：相続トラブルは専門家に相談し、冷静に対処

相続トラブルは、感情的な対立になりがちですが、冷静に対処することが重要です。弁護士などの専門家に相談し、法律に基づいた適切な手続きを踏むことで、問題を解決することができます。弟たちとの連絡がない場合は、裁判所に連絡を取り、今後の対応について指示を仰ぎましょう。家の解体については、弟たちの承諾を得るか、裁判で解決する必要があります。焦らず、専門家の力を借りながら、一つずつ問題を解決していきましょう。