生活保護受給者が障害者年金を受け取れる? わかりやすく解説します
質問の概要
【背景】
- 友人が総合失調症(そうごうしっちょうしょう)になり、障害者年金(しょうがいしゃねんきん)を受け取れることになりました。
- 友人は現在、生活保護(せいかつほご)を受けています。
【悩み】
- 生活保護を受けている場合でも、障害者年金を受け取ることができるのか、知りたいです。
障害者年金と生活保護は併給(へいきゅう)できます。ただし、年金は収入とみなされ、生活保護費に影響があります。
障害者年金と生活保護の基本を理解する
障害者年金と生活保護は、どちらも生活に困窮(こんきゅう)している人を支えるための制度です。しかし、その仕組みや目的には違いがあります。
障害者年金は、病気やケガによって日常生活や仕事に支障(ししょう)が生じた場合に、その方の生活を保障(ほしょう)するために支給されます。年金の受給には、一定の条件を満たす必要があります。具体的には、障害の原因となった病気やケガについて、医師の診断書(しんだんしょ)などによって障害の状態が認められること、そして、年金の加入期間(保険料を納めていた期間など)が一定期間以上あることなどが条件となります。
一方、生活保護は、収入や資産(現金や預貯金など)が少なく、生活に困窮している方に対して、最低限度の生活を保障するための制度です。生活保護を受けるためには、資産を活用したり、親族からの援助(えんじょ)を受けるなど、できる限りのことをしてもなお生活が苦しい場合に、申請(しんせい)が認められます。
障害者年金と生活保護の併給について
結論から言うと、障害者年金と生活保護は、同時に受け取ることが可能です。つまり、生活保護を受けている人が、障害者年金を受給することもできます。
しかし、ここで注意すべき点があります。それは、障害者年金が「収入」として扱われるということです。生活保護は、収入に応じて支給額が調整される仕組みです。そのため、障害者年金を受け取ると、その金額分だけ生活保護費が減額される可能性があります。
例えば、生活保護費が月15万円で、障害者年金が月5万円の場合、単純計算では、生活保護費は10万円になる可能性があります。ただし、実際には、様々な控除(こうじょ)や加算(かさん)が適用されるため、減額される金額は、個々の状況によって異なります。
関係する法律と制度
障害者年金と生活保護に関係する主な法律は以下の通りです。
- 国民年金法(こくみんねんきんほう):障害基礎年金(しょうがいきそねんきん)について定めています。
- 厚生年金保険法(こうせいねんきんほけんほう):障害厚生年金(しょうがいこうせいねんきん)について定めています。
- 生活保護法(せいかつほごほう):生活保護の目的、内容、実施方法などを定めています。
これらの法律に基づいて、障害者年金や生活保護の具体的な運用(うんよう)が行われています。
誤解されやすいポイント
障害者年金と生活保護に関する誤解として、以下のようなものがあります。
- 「障害者年金を受け取ると、生活保護は受けられなくなる」:これは誤りです。障害者年金を受け取りながら、生活保護を受けることは可能です。ただし、年金は収入として扱われるため、生活保護費が減額される可能性があります。
- 「生活保護を受けていると、障害者年金は申請できない」:これも誤りです。生活保護を受けているかどうかに関わらず、障害者年金の申請は可能です。
- 「障害者年金だけで生活できるから、生活保護は不要」:これも一概には言えません。障害者年金の受給額は、障害の程度や加入していた年金の種類によって異なります。障害者年金だけでは生活費が足りない場合は、生活保護を検討することもできます。
実務的なアドバイスと具体例
実際に、障害者年金と生活保護を併給する場合に役立つアドバイスをいくつかご紹介します。
- まずは、障害者年金の申請をしましょう。 障害者年金を受け取るためには、申請が必要です。お住まいの市区町村(しくちょうそん)の役所や、年金事務所で手続きを行うことができます。申請には、医師の診断書や、病歴(びょうれき)に関する資料などが必要です。
- 障害者年金の受給が決まったら、生活保護の担当者に連絡しましょう。 障害者年金の受給が決定したら、必ず生活保護の担当者に報告してください。年金の受給額に応じて、生活保護費が調整されます。
- 収入と支出をきちんと把握しましょう。 障害者年金と生活保護を併給する場合、収入と支出をきちんと把握することが重要です。家計簿(かけいぼ)をつけるなどして、収入と支出を管理しましょう。
- 困ったことがあれば、専門家に相談しましょう。 障害者年金や生活保護に関する疑問や不安がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。社会福祉士(しゃかいふくしし)や、行政書士(ぎょうせいしょし)などの専門家が、相談に乗ってくれます。
具体例:
Aさんは、総合失調症で障害者年金2級(月額約7万円)を受給しています。Aさんは、一人暮らしをしており、家賃や食費などを含めると、生活費が月18万円程度かかります。Aさんの収入は障害者年金7万円だけなので、生活保護を申請しました。生活保護の担当者との相談の結果、Aさんは、生活保護費として月11万円を受け取ることになりました。これにより、Aさんは、障害者年金と生活保護を合わせて、月18万円の収入を得て、生活を送ることができています。
専門家に相談すべき場合とその理由
以下のような場合は、専門家への相談を検討しましょう。
- 障害者年金の申請方法がわからない場合:社会保険労務士(しゃかいほけんろうむし)は、年金に関する専門家です。申請書類の作成や、手続きの代行などを依頼できます。
- 生活保護の申請について相談したい場合:社会福祉士は、生活保護に関する専門家です。申請の手続きや、生活に関する相談に乗ってくれます。
- 障害者年金と生活保護の併給について、詳しく知りたい場合:社会福祉士や行政書士は、年金と生活保護の制度を熟知しています。個々の状況に合わせたアドバイスを受けることができます。
- 金銭管理に不安がある場合:成年後見制度(せいねんこうけんせいど)を利用することもできます。成年後見人(せいねんこうけんにん)が、金銭管理や、その他の生活上のサポートをしてくれます。
まとめ:今回の重要ポイントのおさらい
今回の記事の重要ポイントをまとめます。
- 障害者年金と生活保護は、同時に受け取ることが可能。
- 障害者年金は収入とみなされるため、生活保護費に影響がある。
- 障害者年金の申請や、生活保護に関する疑問は、専門家に相談できる。
- 収入と支出をきちんと把握し、家計管理をすることが重要。
障害者年金と生活保護は、どちらも生活を支えるための大切な制度です。制度を正しく理解し、必要に応じて専門家のサポートを受けながら、安心して生活を送れるようにしましょう。