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相続した不動産の持ち分変更と税金:兄弟3人で賢く分配する方法
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相続した不動産の持ち分を、1/2、1/4、1/4のように変更することは可能でしょうか?
可能であれば、税務署への申告方法や、兄弟間での金銭の分配、贈与税の発生について知りたいです。
具体的に、どのくらいの金額の移動なら贈与税が発生しないのか教えてください。
相続によって不動産を取得した場合、相続人全員が共有者(共同所有者)となります。質問者さんのケースでは、兄弟3人で1/3ずつを所有している状態です。共有状態にある不動産は、原則として全員の同意なしに売却したり、持ち分を変更したりすることはできません。
兄弟間で話し合い、持ち分の割合を変更することは可能です。これは「共有持分の移転」と呼ばれ、所有権の移転登記(不動産の所有者を変更する手続き)を行うことで法的に有効になります。
重要なのは、**税務署への申告は、売却時の不動産の価格に基づいて、各人の持ち分割合で行う**ということです。つまり、持ち分を1/2、1/4、1/4に変更したとしても、売却益の申告は、変更後の割合ではなく、相続当初の1/3ずつで行います。
例えば、不動産が1,000万円で売却された場合、各兄弟の売却益は333万円(1,000万円 × 1/3)となります。この売却益に対して、所得税や住民税が課税されます。
売却益の分配は、兄弟間で自由に決めることができます。しかし、持ち分割合とは異なる金額で分配した場合、差額分は贈与とみなされ、贈与税が課税される可能性があります。
贈与税は、年間110万円(配偶者への贈与は220万円)までは非課税です(令和6年1月1日現在)。これを「贈与税の基礎控除」と言います。 兄弟間での金銭の移動が、この基礎控除の範囲内であれば、贈与税はかかりません。
売却益自体は贈与ではありません。売却益は、不動産の売却によって得られた利益であり、所得税の対象となります。しかし、売却益の分配において、持ち分割合と異なる金額で分配した場合、その差額が贈与とみなされることに注意が必要です。
例えば、不動産の売却益が1,000万円で、Aさん1/2、Bさん1/4、Cさん1/4に持ち分を変更し、売却益をAさん500万円、Bさん250万円、Cさん250万円と分配した場合、税務署への申告は、Aさん、Bさん、Cさんそれぞれ333万円の売却益として行います。
しかし、分配額が異なるため、Aさんは167万円(500万円 – 333万円)、Bさん、Cさんはそれぞれ-83万円(250万円 – 333万円)の差額が生じます。この差額は、Bさん、CさんからAさんへの贈与とみなされ、Aさんは110万円を超える贈与を受けた場合、贈与税の申告が必要になります。
相続税や贈与税は複雑な税制です。不動産の売却益の分配方法や、贈与税の発生の有無について不安がある場合は、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、個々の状況に合わせた最適なアドバイスをしてくれます。
相続した不動産の持ち分変更は可能ですが、売却益の分配方法によっては贈与税が発生する可能性があります。年間110万円の贈与税の基礎控除を理解し、兄弟間で話し合った上で、税理士などの専門家のアドバイスを受けながら手続きを進めることが重要です。 持ち分変更と売却益の分配は別問題であることをしっかりと理解し、適切な手続きを行いましょう。
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