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相続した不動産の買取約束履行と経費請求問題:口約束と代金未払い、どう対処すべき?
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数ヶ月経っても代金が支払われず、業者からは「買い手がつかないので、家財処分などの経費を支払ってほしい」と言われました。口約束で鍵を渡した時点で契約成立と認識していましたが、業者からは鍵の返還を拒否され、経費の支払いを求められています。このまま経費を支払うと、後に買取自体がキャンセルされるのではないかと不安です。どう対処すべきか悩んでいます。
不動産の売買契約は、売主と買主の間で、不動産の所有権を移転させることを目的とした契約です。一般的に、書面による契約が締結されます。 この契約には、売買価格、物件の引渡し時期、代金の支払時期などが明確に記載されます。(民法)。 しかし、今回のケースのように口頭での約束だけで進められた場合、その法的効力は弱く、後々のトラブルに繋がりやすいです。
特に重要なのは、宅地建物取引業法です。宅地建物取引業法は、不動産取引における消費者の保護を目的とした法律で、宅地建物取引業者(宅建業者)には、契約書面の作成・交付義務など、多くの規制が課せられています。今回のケースでは、宅建業者ではない業者との取引であったため、法的な保護が十分に受けられない可能性があります。
残念ながら、現状では、業者との間で有効な売買契約が成立したとは言い切れません。契約書がない、宅建業者ではない業者との取引であること、口頭での約束のみであることから、法的根拠が非常に弱いです。そのため、業者に経費の支払いを請求される法的根拠も弱く、請求に応じる必要性も低いと言えます。
前述の通り、民法と宅地建物取引業法が関係します。民法は契約の有効性や内容を規定し、宅地建物取引業法は宅建業者による不正行為の防止や消費者保護を目的としています。今回のケースでは、宅建業者ではないため、宅地建物取引業法の保護は受けられません。しかし、民法に基づいて、契約の有無や有効性を判断する必要があります。
口約束だけで不動産取引を進めることの危険性を理解することが重要です。口約束は証拠能力が低く、トラブル発生時の解決が困難になります。たとえ相手が「買取する」と約束したとしても、書面による契約がない限り、その約束を強制することは難しいです。
まず、弁護士や司法書士などの専門家に相談することを強くお勧めします。専門家は、状況を正確に判断し、最適な解決策を提案してくれます。また、業者とのやり取り(メールや手紙など)は全て記録として保管しておきましょう。これらは、今後の交渉や訴訟において重要な証拠となります。
もし、業者との交渉が難航する場合は、内容証明郵便で、鍵の返還と経費請求の撤回を求めるのも有効な手段です。
今回のケースは、法的リスクが高く、自己解決が困難な可能性が高いです。専門家の助けを借りることで、法的リスクを最小限に抑え、よりスムーズな解決を目指せます。特に、業者との交渉がこじれた場合や、法的措置を検討する必要がある場合は、専門家のアドバイスが不可欠です。
今回のケースは、口約束による不動産取引の危険性を改めて示すものです。不動産取引は高額な取引であり、トラブルになった場合の損失も大きいため、必ず書面による契約を締結することが重要です。また、トラブルが発生した場合は、早期に専門家に相談し、適切な対応を取るようにしましょう。 今回の経験を教訓に、今後の不動産取引では、必ず書面契約を交わし、宅建業者を利用することをお勧めします。 不明な点があれば、いつでも専門家に相談することを忘れないでください。
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