• Q&A
  • 【相続不動産の売却】同居の兄と、別居の私。兄弟で譲渡所得税は変わる?3000万円控除の落とし穴

共有不動産・訳あり物件の無料相談
1 / -
売却を決めていなくても問題ありません。状況整理のご相談だけでもOKです。

ご入力いただいた内容は「お問い合わせ内容」としてまとめて送信されます。
無理な営業や即決のご案内は行いません。

共有持分についてお困りですか?

おすすめ3社をチェック

父から相続した実家を、兄弟で売却します。兄は同居していましたが、私は別の場所に住んでいます。この場合、売却時にかかる譲渡所得税は、兄弟で違いが出るのでしょうか?また、他にどんな税金がかかりますか?

結論から言うと、はい、あなたとお兄様とでは、支払う譲渡所得税の額が大きく異なる可能性が非常に高いです。

お兄様は、ご実家に居住していたため、マイホーム売却時に使える「3,000万円の特別控除」を適用でき、税金がゼロになる可能性があります。一方、その家に住んでいなかったあなたは、この特例を使えないため、利益に応じた税金がかかります。この記事では、なぜ兄弟で税額に差が出るのか、その鍵となる「3,000万円特別控除」の適用条件と、それぞれの税額の計算方法について詳しく解説します。

なぜ税額が変わる?譲渡所得税の「3,000万円特別控除」

不動産を売却して得た利益(譲渡所得)には、所得税と住民税(合わせて「譲渡所得税」と呼びます)がかかります。しかし、ご自身が住んでいた家(マイホーム)を売却した場合には、税金の負担が大きく軽減される、非常に強力な特例が用意されています。

制度の概要:「居住用財産の3,000万円特別控除」

これが、今回のお悩みで最も重要な制度です。マイホームを売却した場合、その売却利益から最高3,000万円までを控除できるというものです。つまり、売却利益が3,000万円以下であれば、譲渡所得税は一切かからず、ゼロになります。

適用条件の大きな壁:「自分が住んでいる(いた)こと」

この強力な特例を受けるためには、いくつかの条件がありますが、最も重要なのが**「売主自身が、その家に居住していたこと」です。この条件を、ご兄弟それぞれの状況に当てはめてみましょう。

  • お兄様の場合:5年前からその家に住んでいるため、「居住用財産」の条件を満たします。したがって、お兄様はご自身の持分(売却利益の半分)に対して、この3,000万円控除を適用できます。
  • あなたの場合:別の場所で暮らしており、相続したご実家には住んでいません。そのため、あなたにとってこの家は「居住用財産」にはあたらず、残念ながら3,000万円控除を適用することはできません。**

【具体例】兄弟それぞれの税金をシミュレーション

この違いが、実際の納税額にどれほどの差を生むのか、具体的に計算してみましょう。

【前提条件】

  • 売却価格:2,000万円
  • 取得費・譲渡費用(購入時の価格や売却時の仲介手数料など):合計400万円と仮定
  • 売却利益(譲渡所得):2,000万円 – 400万円 = 1,600万円
  • 兄弟それぞれの利益(持分1/2):1,600万円 ÷ 2人 = 800万円

お兄様の譲渡所得税(控除が使える)

お兄様の利益800万円から3,000万円を控除すると、課税対象額はゼロになります。
→ 納税額:0円

あなたの譲渡所得税(控除が使えない)

あなたの利益800万円には、控除が適用されません。お父様の所有期間(15年)を引き継ぐため、長期譲渡所得の税率(20.315%)が適用されます。
800万円 × 20.315% = 約162.5万円
→ 納税額:約162.5万円

このように、同じ不動産を同じ価格で売却したにも関わらず、控除の適用の有無によって、兄弟間で160万円以上の大きな税額の差が生まれてしまうのです。

この記事の重要ポイント

  • ポイント1:相続した不動産を共有名義で売却する際、譲渡所得税は各共有者が、自身の状況に応じて個別に計算・納税します。
  • ポイント2:その不動産に居住していた共有者(お兄様)は、「3,000万円特別控除」を使えるため、税金がゼロになる可能性が高いです。
  • ポイント3:一方、その不動産に居住していなかった共有者(あなた)は、この控除を使えないため、ご自身の持分から生じた利益に対して、約20%の譲渡所得税が課せられます。

譲渡所得税以外にかかる税金・費用は?

不動産売却時には、譲渡所得税以外にも以下の費用がかかります。これらは、不動産全体にかかる費用として、通常、持分割合に応じて兄弟で分担することになります。

  • 仲介手数料:不動産会社に支払う成功報酬。(売却価格の3%+6万円+消費税が上限)
  • 印紙税:売買契約書に貼る印紙代。
  • 登記費用:抵当権の抹消などが必要な場合の司法書士費用。

まとめ:税額の違いを前提に、売却益の分配を話し合おう

最後に、今回のポイントを整理します。

  • 税金はかかる?:はい、あなたには譲渡所得税がかかります。お兄様はかからない可能性が高いです。
  • 税額の違い:その家に住んでいたかどうかで「3,000万円特別控除」の適用可否が分かれるため、納税額に大きな差が生まれます。
  • **今後の進め方:**この税額の違いは、法律で定められたルールであり、不公平なものではありません。売却を進めるにあたり、この事実をお兄様と共有し、最終的な手取り額がそれぞれいくらになるのかを事前にシミュレーションした上で、売却益の分配などを話し合うことが、円満な取引の鍵となります。

不動産を相続し、兄弟で共有名義になるケースは非常に多いですが、売却時の税金まで見据えて話し合うことは、意外と見落とされがちです。今回のように、共有者それぞれの状況によって納税額が変わることを知らないままだと、後から「不公平だ」という感情的なトラブルに発展しかねません。

ご自身の正確な納税額を計算したり、より有利な特例が使えないか検討したりするためにも、一度、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。また、共有不動産の売却は、意思決定のプロセスも複雑になりがちです。共有不動産の取引に詳しい不動産会社に仲介を依頼することも、スムーズな売却への近道です。

Editor's Picks

共有持分についてお困りですか?

おすすめ3社をチェック

pagetop