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相続した共有名義ビルの無断リフォームと工事代金未払い:どうなる?
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兄が私の承諾を得ることなく、リフォーム会社と契約し、ビルをリフォームしました。工事費用600万円は未払いのままです。兄は現金がないと言っていますが、このままではどうなりますか?今後、どうすれば良いのでしょうか?
まず、共有名義(共同所有)とは、複数の所有者が1つの不動産を共同で所有する状態です。今回のケースでは、質問者さんとご兄弟が共同でビルを所有しています。共有者の権利は、持ち分に応じて平等に認められます(民法246条)。つまり、持ち分が過半数だからといって、勝手にビルをリフォームする権利はありません。
ご兄弟は、質問者さんの同意を得ずに600万円のリフォーム工事を発注し、未払いのままです。これは、共有物の管理に関する共有者の間の合意がないままに行われた行為(民法250条)にあたります。そのため、ご兄弟は質問者さんに対して、この行為によって生じた損害(600万円の工事費用と、リフォームによって生じた不利益など)を賠償する義務を負います。
関係する法律は、主に民法です。特に、共有に関する規定(民法246条~261条)が重要になります。これらの規定は、共有者の間の権利義務や、共有物の管理・処分に関するルールを定めています。
持ち分が過半数だからといって、勝手に処分できるわけではない点に注意が必要です。共有物は、共有者全員の合意がない限り、処分できません。リフォームは、建物の状態を大きく変える行為なので、処分行為と同様の扱いがされるケースが多いです。
まず、ご兄弟と話し合い、工事費用と損害賠償について話し合うことが重要です。話し合いがまとまらない場合は、弁護士に相談し、法的措置(損害賠償請求訴訟など)を検討する必要があります。仮にご兄弟が支払能力がない場合でも、裁判所を通じて、ご兄弟の財産(給与、預金など)を差し押さえることができます(強制執行)。
話し合いがうまくいかない場合、あるいは法的措置を検討する必要がある場合は、弁護士に相談することを強くお勧めします。弁護士は、法律に基づいた適切なアドバイスを行い、必要に応じて裁判手続きを代理します。専門家の力を借りることで、より有利な解決を導きやすくなります。
共有名義の不動産は、持ち分に関わらず、共有者全員の合意なしに重要な変更(リフォームなど)はできません。無断でリフォームを行い、費用を未払いのままにした場合、損害賠償責任を負う可能性があります。話し合いが困難な場合は、速やかに弁護士に相談することをお勧めします。 共有物の管理には、常に慎重な対応と、共有者間の良好なコミュニケーションが不可欠です。
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