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相続した土地に他人が私物を放置!占有権を主張された場合の対処法

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隣人が40年前から土地を使用しており、「占有権」を主張しているため、私物を撤去してもらえず、土地の整備が進められません。占有権の有無、解体できるかどうかの判断に迷っています。
「占有権」とは、物(ここでは土地の一部と建物)を自分のもののように自由に支配・使用できる権利です。 所有権とは違います。所有権は物に対する絶対的な権利ですが、占有権は、所有者や他の権利者に対して相対的な権利です。 つまり、所有者から占有を認められたり、長期間にわたって占有を継続することで認められる場合もあります。 しかし、勝手に占有しているからといって、占有権が認められるとは限りません。
隣人の主張する「占有権」が認められるかどうかは、以下の要件を満たしているかどうかで判断されます。
* **平穏かつ公然とした占有(平和占有):** 他人の妨害を受けずに、隠すことなく占有していること。
* **継続的な占有(継続占有):** 一定期間継続して占有していること。期間は、法律上明確に定められていませんが、一般的には20年以上の継続が求められることが多いです(取得時効)。
* **自己の意思に基づく占有:** 他人の強制や許可なく、自分の意思で占有していること。
隣人の40年間の占有が、これらの要件をすべて満たしているかどうかが争点となります。 単に長く使っていただけでは、占有権が認められるとは限りません。 Aさん(前の所有者)が黙認していたとしても、それが自動的に占有権を認めたことにはなりません。 また、道路の無償貸借と、軒先の使用は別問題です。 道路の無償貸借の契約が、軒先の占有を認める根拠にはなりません。
このケースでは、民法上の「所有権」「占有権」「不法行為」「取得時効」といった概念が関係してきます。 特に、隣人の占有が20年以上継続している場合、取得時効(民法162条)によって、土地の一部(軒先部分)の所有権を取得している可能性も否定できません。 しかし、取得時効が成立する条件は厳しく、単なる占有だけでは成立しません。
Aさんや質問者のお父さんが隣人の占有を黙認していたとしても、それが自動的に占有権を認めたことにはなりません。 黙認と承諾は明確に区別されます。 承諾とは、明確な意思表示によって占有を許諾したことですが、黙認は、単に放置していたに過ぎません。
まず、隣人が占有を始めた時期、占有の態様(どのように使用していたか)、Aさんや質問者のお父さんの対応などを明確にする必要があります。 写真、証言、契約書など、証拠となるものを集めましょう。 そして、弁護士に相談し、法的措置を検討することが重要です。 弁護士は、証拠に基づいて占有権の有無を判断し、適切な解決策(話し合い、調停、裁判など)を提案してくれます。
このケースは、複雑な法的問題を含んでおり、素人判断で解決するのは非常に困難です。 占有権の主張、土地の所有権、解体に関する争いなど、専門的な知識と経験が必要となります。 弁護士に相談することで、適切な法的対応を講じることができ、紛争を最小限に抑えることができます。
相続した土地のトラブルは、専門家の力を借りることが非常に重要です。 占有権の主張、土地の整備、解体など、様々な問題が複雑に絡み合っています。 証拠を集め、弁護士に相談し、適切な解決策を見つけることが、この問題を解決する最善の方法です。 早めの行動が、事態の悪化を防ぎます。
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