相続した山林の持分、遺産分割協議書の記載に疑問！司法書士のミス？本当に大丈夫？

【背景】
* 祖父が所有していた山林を相続することになりました。
* 山林の全部事項証明書（登記簿謄本のこと。不動産の所有者や権利関係を記載した公的な書類）を取り寄せたところ、共有になっていることが判明しました。
* 祖父の持分は10％でしたが、父が相続した際に「真正な登記名義の回復」（登記上の名義を本来の名義に戻す手続き）により、父の持分の一部（20分の1）が他の共有者の名義に変わっていました。
* 司法書士から送られてきた遺産分割協議書には、山林の持分が全体の10分の1と記載されていました。

【悩み】
遺産分割協議書に記載されている持分が、実際の持分と異なるように思えます。司法書士のミスではないかと心配です。このまま協議書に印鑑を押して返送しても問題ないのか、それとも再度作成し直す必要があるのか判断できません。司法書士に確認するのもためらわれます。

司法書士に確認が必要です。協議書の内容に誤りがある可能性が高いです。

回答と解説

テーマの基礎知識：相続と共有不動産、登記名義の回復

相続とは、被相続人（亡くなった人）の財産が、相続人（法律で定められた相続権を持つ人）に引き継がれることです。山林のような不動産は、相続財産に含まれます。共有不動産とは、複数の所有者が共同で所有する不動産のことです。今回のケースでは、祖父から父、そして質問者へと山林の所有権が相続されていますが、その過程で複数の所有者（共有者）が生まれた状態です。

「真正な登記名義の回復」とは、登記上の名義が、実際とは異なる場合に、正しい名義に修正する手続きです。誤った登記を訂正し、権利関係を明確にするための重要な手続きです。

今回のケースへの直接的な回答

遺産分割協議書に記載されている山林の持分（10分の1）と、質問者様が把握している実際の持分（10％から「真正な登記名義の回復」による減少分を引いたもの）が食い違っている可能性が高いです。司法書士は、登記簿謄本などの公的な書類に基づいて遺産分割協議書を作成するはずですが、何らかのミスがあったと考えられます。

関係する法律や制度

このケースには、民法（相続に関する規定）と不動産登記法（不動産の登記に関する規定）が関係します。遺産分割協議書は、相続人同士の合意に基づいて作成されるもので、法的拘束力があります。しかし、協議書の内容に誤りがあれば、その効力は認められない可能性もあります。

誤解されがちなポイントの整理

* **司法書士は万能ではない：** 司法書士は専門家ですが、ミスをする可能性もあります。完璧な仕事をするとは限りません。
* **黙って信用してはいけない：** 不安を感じたら、積極的に質問し、疑問点を解消する必要があります。
* **協議書は慎重に確認する：** 遺産分割協議書は重要な書類です。内容をよく理解し、誤りがないか確認してから署名・押印しましょう。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

まず、司法書士に直接連絡を取り、遺産分割協議書に記載されている持分の根拠を尋ねることが重要です。登記簿謄本やその他の資料を確認し、計算過程に誤りがないか確認してもらいましょう。もし、司法書士のミスが判明した場合は、修正された協議書を作成してもらう必要があります。

専門家に相談すべき場合とその理由

司法書士とのやり取りで解決しない場合、または、内容が複雑で理解できない場合は、弁護士や税理士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、法律的な観点から適切なアドバイスをしてくれます。特に、相続税の申告など、税金に関する問題も発生する可能性があるため、税理士への相談も検討しましょう。

まとめ（今回の重要ポイントのおさらい）

* 遺産分割協議書の内容に疑問があれば、司法書士に確認することが重要です。
* 司法書士は専門家ですが、ミスをする可能性があるため、内容をしっかり確認しましょう。
* 複雑な場合や解決しない場合は、弁護士や税理士に相談することを検討しましょう。
* 相続手続きは専門知識が必要なため、疑問点はすぐに専門家に相談するのが賢明です。早めの対応が、後々のトラブルを防ぐことに繋がります。