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相続した賃貸マンションの売却と分譲:相続税納付のための選択肢と手続き

【背景】
祖父から相続したRC造(鉄筋コンクリート造)の賃貸マンション(1DK 20室)があります。相続税を納めるためにマンションを売却しなければならない状況です。しかし、祖父の遺品であるため、できれば売却したくありません。不動産屋に相談したところ、賃貸マンションは分譲できないと言われました。

【悩み】
相続税の納付のため、賃貸マンションを売却する必要がありますが、できれば全室売却せずに、一部だけでも売却して相続税を納めたいです。集合住宅として登記されている物件を分譲マンションに変更することは可能なのでしょうか?どうすれば良いのか悩んでいます。

集合住宅を分譲マンションに変更することは可能です。ただし、手続きや費用、条件があります。

相続税と不動産売却の関係性

相続税は、相続人が被相続人(亡くなった方)から相続した財産に対して課税される税金です。相続財産には、現金や預金だけでなく、不動産も含まれます。相続税の申告と納税は、相続開始(被相続人が亡くなった日)から10ヶ月以内に行う必要があります。相続財産が相続税の課税対象額を超える場合、相続税を納付しなければなりません。質問者さんのケースでは、相続した賃貸マンションの価値が相続税の納税額を上回っているため、マンションを売却して相続税を納める必要があると考えられます。

賃貸マンションの一室売却の可能性

不動産屋さんが「賃貸マンションは分譲できない」と言われたとのことですが、これは正確ではありません。集合住宅であっても、個々の部屋を区分所有(個々の部屋が独立した所有権を持つ状態)として分譲することは可能です。ただし、そのためには、以下の手順が必要になります。

区分所有建物への変更手続き

賃貸マンションを分譲マンションにするには、まず建物を「区分所有建物」に変更する必要があります。これは、登記簿上の物件の形態を変える手続きです。具体的には、以下の手順を踏みます。

  • 測量:各戸の専有部分(部屋)と共有部分(廊下、階段など)の面積を正確に測量します。
  • 分筆登記:一つの土地と建物だったものを、複数の区分所有部分に分割する登記です。これは、所有権を明確にするために必要です。
  • 建物の表示に関する登記:建物の構造や面積などを登記簿に反映させます。
  • 所有権移転登記:各戸の所有権を買い主に移転する登記です。

これらの手続きは、司法書士や土地家屋調査士などの専門家の協力を得る必要があります。費用もそれなりに発生します。

関係法令:区分所有法

区分所有建物に関する手続きは、区分所有法(民法の特別法)に基づいて行われます。この法律では、区分所有建物の管理や修繕、区分所有者の権利義務などが定められています。

誤解されやすい点:分譲と建て替え

賃貸マンションを分譲マンションに変更することと、建物を建て替えることは全く別物です。建て替えは、建物を解体して新しく建物を建てることを指します。分譲は、既存の建物を区分所有建物に変更し、各戸を売却することを指します。

実務的なアドバイス:専門家への相談

賃貸マンションの一室売却は、法律や手続きに精通した専門家の助けが必要となります。税理士、不動産会社、司法書士、土地家屋調査士など、それぞれの専門家の役割を理解し、適切な専門家に相談することが重要です。

税理士は、相続税の申告や納税に関するアドバイスをしてくれます。不動産会社は、マンションの売却価格の査定や売買手続きをサポートしてくれます。司法書士は、登記手続きを代行してくれます。土地家屋調査士は、測量や図面作成を行います。

専門家に相談すべき場合

相続税の申告期限が迫っている場合、法律や手続きに不安がある場合、マンションの売却価格を正確に把握したい場合などは、必ず専門家に相談しましょう。専門家のアドバイスを受けることで、スムーズに手続きを進めることができ、トラブルを回避できます。

まとめ:相続税納付のための現実的な選択肢

相続税の納付期限内に納税するには、賃貸マンションを売却することが現実的な選択肢です。全室売却ではなく、一部売却も可能です。ただし、賃貸マンションを分譲マンションに変更するには、専門家の協力を得て、適切な手続きを行う必要があります。専門家への相談を検討し、相続税の納付と祖父の遺志を尊重できるよう、最善の方法を見つけてください。

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