相続でアパート経営を相続！兄弟との売買と譲渡申告の手続きを徹底解説

1. 相続と不動産の相続

まず、相続とは、被相続人（亡くなった人）の財産が相続人（法律で定められた相続権を持つ人）に承継されることです。今回のケースでは、アパートが相続財産となります。相続人は質問者さんと兄弟2人の3名で、法定相続分は通常、3分の1ずつです（遺言がない場合）。

2. 兄弟間の売買契約と相続財産の取得

質問者さんは、兄弟2人からそれぞれの相続分であるアパートの持分（各1/3）を購入したいと考えています。これは、相続によって取得した不動産を、相続人同士で売買する行為です。この売買は、通常の不動産売買と同様、売買契約書を作成し、売買代金を支払う必要があります。

3. 譲渡所得の申告

兄弟2人は、アパートの持分を売却するため、譲渡所得（売却益）が発生します。譲渡所得とは、不動産などの資産を売却した際に得られる利益のことです。この譲渡所得に対して、税金（所得税）がかかります。そのため、税務署に「譲渡所得の申告」を行う必要があります。

4. 譲渡所得の申告方法と場所

譲渡所得の申告は、税務署で行います。具体的には、居住地の税務署に確定申告書を提出します。申告に必要な書類は、売買契約書、不動産の登記簿謄本（登記簿謄本：不動産の所有者や権利関係を記録した公的な書類）、領収書などです。確定申告は、原則として毎年2月16日から3月15日までの期間に行われます。

5. 譲渡所得にかかる税金

譲渡所得にかかる税金は、所得税です。税率は、売却益の額や他の所得状況によって異なります。また、譲渡所得には、必要経費（不動産取得費用、仲介手数料、修繕費など）を控除できます。そのため、実際の税額は、売却益から必要経費を差し引いた金額（課税所得）に対して計算されます。

6. 誤解されがちなポイント：相続税との関係

相続税と譲渡所得税は別々の税金です。相続税は、相続によって財産を取得した際に課税される税金で、アパートの評価額に基づいて計算されます。一方、譲渡所得税は、アパートの持分を売却した際に発生する利益に対して課税される税金です。質問者さんのケースでは、相続税の申告と、兄弟2人による譲渡所得の申告の両方が必要になります。

7. 専門家への相談

相続や不動産売買、税金に関する手続きは複雑で、専門知識が必要です。誤った手続きを行うと、税金トラブルに巻き込まれる可能性があります。そのため、税理士や不動産会社などの専門家に相談することを強くお勧めします。専門家は、相続税の申告、譲渡所得の申告、売買契約の作成など、手続き全般をサポートしてくれます。費用はかかりますが、トラブルを回避し、スムーズに手続きを進めるためには、専門家の力を借りることが非常に有効です。

まとめ

アパートを相続し、兄弟間で売買する場合、相続税の申告と譲渡所得の申告がそれぞれ必要になります。手続きは複雑なため、税理士などの専門家に相談し、適切な手続きを進めることが重要です。 費用は状況によりますが、数万円から数十万円程度を見込んでおきましょう。 事前に専門家と相談することで、安心安全に手続きを進めることができます。