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相続で不動産の所有権を10年保有、時効取得は可能?遺産確認訴訟後の権利確定と時効
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おすすめ3社をチェック相続で、不動産の所有権は私が持っていますが、遺産確認訴訟で被相続人の遺産として確認されてしまいました。判決後10年経てば、時効取得できますか?
【背景】
* 亡くなった親の不動産を相続しました。
* しかし、他の相続人が遺産確認訴訟を起こし、裁判でその不動産が被相続人の遺産であると判決が出ました。
* 私は既に10年間、その不動産を所有し、利用しています。
【悩み】
判決後、10年間不動産を所有し続けていれば、時効によって所有権を取得できるのかどうかが不安です。法律に詳しくないので、どうすれば良いのか分かりません。
相続とは、被相続人(亡くなった人)の財産(不動産、預金など)が、相続人(法律上の相続権を持つ人)に引き継がれることです。不動産の所有権は、その不動産を自由に支配・利用できる権利を意味します(所有権は民法第188条で規定されています)。遺産確認訴訟は、相続財産の内容や範囲を確定するための裁判です。
結論から言うと、判決後10年経過しても、単純に時効取得で所有権を得られるとは限りません。 遺産確認訴訟で、裁判所が不動産を被相続人の遺産と認定した以上、あなたは既にその所有権を有しているとは認められていません。 民法上の時効取得(取得時効)は、20年間の平穏かつ公然の占有が必要です。10年では不十分です。
民法第162条では、20年間の平穏かつ公然の占有によって所有権を取得できると規定されています(取得時効)。しかし、この時効は、真の所有者(このケースでは、裁判で所有権が認められた相続人)が、その権利を主張できない状況(例えば、所在不明など)が前提となります。裁判で所有権が確定している状況では、この条件を満たせません。
あなたは善意で不動産を占有しているかもしれませんが、裁判所の判決はそれを覆します。取得時効は、占有者が「善意」で「無過失」であることが条件の一つです。しかし、裁判で「被相続人の遺産」と判決が出ている以上、「善意」とは言えません。
まず、遺産確認訴訟の判決内容を改めて確認しましょう。判決の内容によっては、他の解決策があるかもしれません。例えば、相続放棄や遺産分割協議などです。弁護士に相談し、あなたの権利を守るための最善策を検討することが重要です。
今回のケースは、法律の専門知識が必要な複雑な問題です。判決内容の解釈や、今後の手続きについては、弁護士に相談することを強くお勧めします。弁護士は、あなたの状況を詳しく聞き取り、適切なアドバイスと法的サポートを提供してくれます。
遺産確認訴訟の判決後、10年経過しても、単純な時効取得は難しいです。取得時効は20年を要し、裁判所の判決によって「善意・無過失」の要件が満たされない可能性が高いからです。相続問題に詳しい弁護士に相談し、適切な解決策を見つけることが重要です。
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