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相続で不動産を取得!時効取得と遺産分割の意外な関係とは?
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最近、時効による所有権取得について知りました。遺産分割協議で不動産を相続したとしても、登記が完了する前に長い時間が経過すると、時効によって所有権を失ってしまう可能性があるのでしょうか?また、遺産分割の効果は相続開始時に遡ると聞きましたが、登記がなくても時効による所有権取得を主張できるというのは本当でしょうか?不安なので教えてください。
まず、相続(相続開始)とは、人が亡くなった(死亡)時に、その人の財産(遺産)が相続人に移転することです。相続人は、法律で定められた親族です。遺産分割協議とは、相続人同士で遺産の分け方を話し合って決める手続きです。この協議で、誰がどの遺産を相続するかを決定します。
不動産の所有権の移転は、原則として登記によって確定します。登記とは、不動産の所有者や権利内容を公的に記録する制度です。登記簿(登記簿謄本)に所有者として記載されることで、法的に所有権が認められます。
一方、時効取得とは、一定期間、他人の不動産を占有し続けると、所有権を取得できる制度です(民法第162条)。これは、長い間事実上所有していた状態を法律が認めるものです。
遺産分割協議で不動産を相続した場合、その所有権の取得は、相続開始の時(被相続人が亡くなった時)にさかのぼって効力を生じます(遡及効)。つまり、遺産分割協議が成立した時点ではなく、被相続人が亡くなった時点から、相続人が所有者として権利を持つとみなされます。
そのため、遺産分割協議後、登記が完了するまでの期間に、時効取得が成立することはありません。仮に、他人がその不動産を占有していたとしても、相続人は、相続開始時から所有者であるため、時効取得を主張されることはありません。
この問題には、民法の相続に関する規定と時効取得に関する規定が関係します。特に、民法第889条(遺産分割協議)と民法第162条(時効取得)が重要です。
遺産分割協議で不動産を相続したからといって、登記が不要というわけではありません。登記は、所有権を明確に示し、第三者に対抗するためには必須です。登記がされていないと、所有権を主張する際に、トラブルが発生する可能性があります。
遺産分割協議が完了したら、速やかに不動産の登記手続きを行うことを強くお勧めします。登記手続きには、司法書士などの専門家の協力を得ることも検討しましょう。
相続財産に多くの不動産が含まれている場合や、相続人に多くの争いがある場合、専門家(弁護士や司法書士)に相談することをお勧めします。専門家は、相続手続きをスムーズに進めるための適切なアドバイスをしてくれます。
遺産分割による不動産の所有権取得は、相続開始時に遡及します。そのため、登記が完了する前に時効が成立することはありません。しかし、所有権を明確にするため、そしてトラブルを避けるためにも、遺産分割協議後は速やかに登記手続きを行うことが重要です。 専門家の力を借りることも有効な手段です。
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