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相続で受け継いだ不動産の訴訟費用、取得費に計上できる?遺留分減殺請求と不動産取得費用

【背景】
* 親族から遺贈で不動産を相続しました。
* しかし、別の親族から遺留分減殺請求(相続人が最低限受け取るべき遺産の割合を定めた権利に基づく請求)の訴訟を起こされました。
* 代理人弁護士を立てて対応し、最終的に遺留分を支払うことで解決しました。

【悩み】
弁護士費用(訴訟費用)は、不動産の取得費用として計上できるのでしょうか?国税庁のHPにある「その他の取得費」の「所有権などを確保するために要した訴訟費用」に該当するのかどうかが分かりません。

弁護士費用は、条件付きで取得費に計上可能です。

相続と不動産取得費の基礎知識

不動産の取得費とは、不動産を取得するために実際に支払った費用全般のことを指します。 購入価格はもちろんのこと、登録免許税(不動産の所有権移転登記をする際に支払う税金)、仲介手数料、不動産取得税(不動産を取得した際に課税される税金)、そして今回のケースのような訴訟費用なども含まれます。 国税庁のHPに記載されている「その他の取得費」は、まさにこれらの一般的な費用には当てはまらない、特殊な費用を指しています。

今回のケースへの回答:遺留分減殺請求訴訟と取得費

今回のケースでは、遺贈によって不動産を取得したものの、遺留分減殺請求訴訟に巻き込まれ、弁護士費用が発生しました。 この弁護士費用は、相続によって不動産の所有権を得るための「所有権などを確保するために要した訴訟費用」と解釈できる可能性があります。つまり、条件付きで取得費に計上できる可能性があるのです。

関係する法律と制度:相続税法

相続税法において、不動産の取得費は相続税の計算において重要な要素となります。取得費が高ければ、相続税の課税対象となる相続財産の価額が低くなり、結果として相続税額が減額される可能性があります。ただし、認められる取得費には一定の制限があり、全ての費用が認められるわけではありません。 今回のケースでは、相続税法の規定に基づき、税務署の判断が重要になります。

誤解されがちなポイント:全ての訴訟費用が認められるわけではない

重要なのは、「所有権の確保」に直接関係する訴訟費用のみが認められる点です。 例えば、相続争いとは全く関係のない別の訴訟で発生した費用は、取得費として認められません。 今回のケースでも、遺留分減殺請求訴訟が、不動産の所有権の確保に直接関与していることを明確に示す必要があります。

実務的なアドバイス:証拠の確保が重要

税務署に取得費として認めさせるためには、弁護士費用が「所有権の確保」に直接関係していることを明確に示す必要があります。 そのため、弁護士からの領収書、訴状のコピー、判決文などの証拠をしっかりと保管しておくことが重要です。 これらの書類は、税務署への申告時に提出する必要があります。

専門家に相談すべき場合:税理士への相談

相続税の申告は複雑な手続きを伴います。 特に、今回のケースのように訴訟費用が取得費として認められるかどうかの判断は、税務署の解釈によって大きく変わる可能性があります。 そのため、相続税の申告にあたっては、税理士などの専門家に相談することを強くお勧めします。 専門家のアドバイスを受けることで、税務リスクを最小限に抑え、適切な申告を行うことができます。

まとめ:証拠を揃えて専門家に相談を

遺留分減殺請求訴訟で発生した弁護士費用は、条件付きで不動産の取得費に計上できる可能性があります。しかし、税務署に認めさせるためには、費用が「所有権の確保」に直接関係していることを明確に示す証拠が必要不可欠です。 相続税申告は複雑なため、税理士などの専門家に相談し、適切な手続きを進めることを強く推奨します。 自己判断で進めるよりも、専門家の力を借りることで、より安心・安全に相続手続きを進めることができます。

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