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相続で困ってます!遺留分減殺請求後の土地の換金と兄弟の行為の合法性

【背景】
* 平成20年に父が亡くなり、公正証書遺言(父が作成した遺言書で、公証役場で作成された信頼性の高い遺言書です)には私の名前がありませんでした。
* 法定相続人は私を含めた子3人です。
* 兄弟2人はA商店を経営しており、父の遺産である土地に銀行の根抵当権(土地を担保に借りたお金を返済しない場合、土地を売却して債権を回収できる権利)が設定されています。しかし、A商店は銀行から借り入れしていません。
* 兄弟2人は遺留分減殺請求(相続人が、遺言によって自分の相続分を割られた場合に、法定相続分を確保するためにできる請求)を受け入れ、土地の1/6の持ち分を私に認めています。
* A商店は、父と兄弟2人から借り入れをしています。

【悩み】
* 1/6の持ち分の土地を換金する方法が知りたいです。根抵当権が付いたままでは競売(裁判所が土地を売却する手続き)で値段が付くか不安です。(土地評価5000万円に対し根抵当権1億2500万円)
* 兄弟2人が銀行から借り入れし、そのお金をA商店への貸付金の返済に充てる可能性があり、それが合法かどうか不安です。

土地の換金は困難、兄弟の行為は合法の可能性あり

回答と解説

テーマの基礎知識:遺留分減殺請求と根抵当権

遺留分減殺請求とは、相続人が遺言によって法定相続分(法律で定められた相続分)より少ない相続分しか受け取れない場合、不足分を他の相続人から請求できる権利です。 今回のケースでは、質問者様は遺言で除外されていたにも関わらず、遺留分減殺請求により土地の1/6の持ち分を確保しました。

根抵当権とは、債権者(銀行など)が債務者(A商店など)に対して持つ、土地を担保とした債権を優先的に回収できる権利です。根抵当権が設定されている土地は、債務の返済が滞ると競売にかけられ、売却代金から債権が優先的に回収されます。 質問者様の土地には、1億2500万円もの根抵当権が設定されています。これは、土地の評価額(5000万円)を大きく上回っています。

今回のケースへの直接的な回答

Q1. 1/6の持ち分の換金は、現状では非常に困難です。根抵当権が土地評価額を大きく上回っているため、競売にかけられても、売却代金から根抵当権を差し引いた残りがほとんどない、もしくはマイナスになる可能性が高いです。 質問者様が競売で得られる金額は、ほぼゼロに近いと考えるべきでしょう。

Q2. 兄弟2人が銀行から借り入れし、そのお金をA商店への返済に充てる行為は、それ自体が違法ではありません。 ただし、この行為が、債権者(銀行)を欺く意図で行われた場合、詐欺罪などの刑事責任を問われる可能性があります。 また、兄弟2人がA商店に多額の資金を投入することで、質問者様への価額弁償(土地の代わりに金銭を支払うこと)を困難にしている可能性も否定できません。

関係する法律や制度

* 民法(相続、遺留分、抵当権に関する規定)
* 債権回収法(競売手続きに関する規定)

誤解されがちなポイントの整理

* 根抵当権の存在は、土地の所有権を奪うものではありません。所有権は質問者様にもあります。しかし、売却の際には根抵当権が優先されます。
* 兄弟2人が「価額弁償の抗弁」をしない、と言っているからといって、必ずしも価額弁償が受けられるとは限りません。価額弁償は、裁判で争われる可能性があります。
* 銀行がA商店に貸し付けを行っていないからといって、根抵当権が自動的に消滅するわけではありません。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

現状では、弁護士に相談し、法的措置を検討することが重要です。 弁護士は、兄弟との交渉、裁判による解決、その他の法的選択肢を検討し、質問者様の権利を最大限に保護するための戦略を提案します。 具体的には、兄弟2人に対して、土地の共有持分の買取を交渉したり、裁判を通じて価額弁償を請求したりするなどの手段が考えられます。

専門家に相談すべき場合とその理由

今回のケースは、相続、債権、不動産に関する複雑な法律問題が絡んでいます。 専門知識がないと、自身の権利を損なう可能性があります。 特に、根抵当権の額が土地評価額を大幅に上回っている状況では、専門家のアドバイスなしに判断を進めるのは危険です。 弁護士や司法書士に相談し、適切なアドバイスを受けることを強くお勧めします。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

* 根抵当権が土地評価額を大幅に上回っているため、現状では土地の換金は困難です。
* 兄弟の行為は、それ自体が違法とは限りませんが、状況によっては違法行為に該当する可能性があります。
* 弁護士や司法書士などの専門家に相談し、適切な法的措置を検討することが重要です。 早めの相談が、権利保護に繋がります。

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