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相続で揉めない!口約束の不動産と不平等な遺産分割の落とし穴

【背景】
* 母が5年前に、父が2ヶ月前に亡くなりました。
* 父の遺産相続として、貯蓄5000万円と不動産2000万円を姉妹で分けることになりました。
* 妹は両親在籍時、月に2~3回しか実家に来ませんでした。
* 父の葬儀、法要、実家の後片付け、相続手続きはほとんど姉である私が行いました。
* 父は生前、不動産を私に譲ると口約束しましたが、書面に残っていません。
* 妹は財産分与に不満がある場合は弁護士を立てると言っています。
* 妹の実印を預かっています。

【悩み】
姉妹で遺産を平等に分割しなければならないのか? 妹の実印を使って、勝手に預貯金を引き出して遺産を分割しても問題ないのか? 後々トラブルになる可能性はあるのか? どうすればスムーズに相続手続きを進められるのか知りたいです。

平等分割は必ずしも義務ではありません。弁護士相談が必須です。

相続の基礎知識:法定相続と遺留分

相続とは、被相続人(亡くなった人)の財産が、相続人(法律で定められた相続権を持つ人)に引き継がれることです。日本の法律では、相続人の順位や相続割合が定められています(民法第889条)。これを法定相続といいます。

今回のケースでは、質問者さんと妹さんが父の子であるため、法定相続人となります。通常は、兄弟姉妹間では、法定相続分は平等に分割されます。しかし、父が口約束で不動産を質問者さんに譲ると言っていたこと、そして質問者さんが相続手続きの大部分を担っていることは、平等な分割に影響を与える可能性があります。

また、相続人には、一定の割合の財産を受け取る権利(遺留分)があります(民法第900条)。遺留分を侵害するような相続は、無効となる可能性があります。

今回のケースへの直接的な回答:平等分割は必ずしも義務ではない

父が口約束で不動産を質問者さんに譲ると言っていたとしても、書面で残っていないため、法的拘束力はありません。しかし、この口約束は、遺産分割協議(相続人同士で遺産の分け方を話し合うこと)において重要な要素となります。

質問者さんが相続手続きの大部分を担ったこと、そして妹さんの関与の少なさも、遺産分割協議において考慮されるべき点です。必ずしも法定相続分通りに平等に分割しなければならないわけではありません。

関係する法律:民法、相続税法

今回のケースに関係する法律は、主に民法(相続に関する規定)と相続税法です。民法は相続人の範囲、相続分、遺留分などを定めており、相続税法は相続税の課税対象や税率などを定めています。

誤解されがちなポイント:口約束の法的効力

口約束は法的拘束力がないため、遺産分割協議で有利に働くとは限りません。しかし、遺産分割協議において、状況証拠として考慮される可能性はあります。

実務的なアドバイス:弁護士への相談と遺産分割協議

妹さんが弁護士を立てるという発言をされていることから、遺産分割協議において争いが発生する可能性が高いです。そのため、質問者さんも弁護士に相談することを強くお勧めします。弁護士は、遺産分割協議における交渉や、必要であれば裁判での代理などをサポートしてくれます。

妹さんの実印を預かっていることについても、弁護士に相談して適切な対応を検討しましょう。勝手に預貯金を分割することは、法律違反となる可能性があります。

専門家に相談すべき場合:遺産分割協議がまとまらない場合

遺産分割協議がまとまらない場合、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができます。調停が不成立の場合は、訴訟という手段もあります。これらの手続きは複雑なため、弁護士に相談することが重要です。

まとめ:専門家への相談がスムーズな相続の鍵

相続は複雑な手続きであり、トラブルに発展する可能性も高いです。口約束や不平等な貢献など、様々な要素が絡み合います。スムーズな相続手続きを進めるためには、弁護士などの専門家に相談することが非常に重要です。早めの相談が、後々のトラブルを防ぐことに繋がります。

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