相続で揉めない！遺留分制度と請求方法を徹底解説～納得できない遺言書と4人の相続人～

相続における遺留分制度とは？

相続とは、被相続人（亡くなった人）の財産が相続人（法律で定められた相続権を持つ人）に引き継がれることです。遺言書があれば、その通りに財産が分配されますが、相続人が遺言の内容に納得いかない場合、法律で定められた「遺留分」を主張することができます。遺留分は、相続人が最低限保障される相続分であり、遺言によってそれを侵害することはできません。

今回のケースにおける遺留分の計算方法

質問者様のケースでは、相続人が4人いるため、各相続人の遺留分は、法定相続分（相続人が平等に相続する割合）の2分の1になります。法定相続分は、通常、相続人の数によって異なり、このケースでは4人なので、それぞれ1/4となります。よって、遺留分は1/4の2分の1で、1/8となります。

例えば、被相続人の遺産総額が800万円の場合、各相続人の遺留分は100万円（800万円 × 1/8）となります。

不動産を含む場合の遺留分

遺産の中に不動産が含まれる場合、その不動産の評価額を算出し、遺産総額に含めて遺留分を計算します。不動産の評価額は、専門の不動産鑑定士に依頼するのが一般的です。（不動産鑑定士：不動産の価格を専門的に評価する国家資格者）

遺留分を請求する際には、不動産の評価額を明確にする必要があります。そのため、不動産鑑定士による評価書を準備することが重要です。

遺留分侵害請求の期間

遺留分を侵害されたと知った時から1年間です。ただし、相続開始（被相続人が亡くなった日）から10年を経過すると、請求できなくなります。遺言書の存在を知った日ではなく、遺留分を侵害されていると認識した日から1年です。

遺留分侵害請求の手続き

遺留分侵害請求は、裁判所に訴訟を起こす必要があります。具体的には、まず、相手方（遺言執行者など）に協議を持ちかけ、話し合いで解決を目指します。協議がまとまらない場合は、裁判所に訴訟提起することになります。

遺留分請求における誤解されやすいポイント

遺留分は、相続人が必ず受け取れる「権利」です。しかし、遺留分を請求するからといって、必ず希望通りの金額を受け取れるとは限りません。裁判の結果によっては、請求額より少ない金額しか受け取れない可能性もあります。また、裁判費用も負担する必要があります。

専門家に相談すべき場合

遺留分請求は、法律に関する専門知識が必要となる複雑な手続きです。遺産の内容が複雑であったり、相続人間で感情的な対立がある場合は、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。弁護士は、遺留分請求の手続きをサポートし、適切なアドバイスを与えてくれます。

まとめ

遺留分は、相続人が最低限保障される相続分です。遺言書の内容に納得できない場合、遺留分を主張することができます。ただし、請求には期間制限があり、手続きも複雑なため、専門家の助言を受けることが重要です。不動産が含まれる場合は、不動産の評価額を正確に算出する必要があります。疑問点や不安な点があれば、弁護士などの専門家に相談しましょう。