相続で揉める！共有不動産の遺産分割と生活保護の返還問題：500万円の相続分をどう守るか？

【背景】
* 生活保護を2年間受給しています。
* 親が亡くなり、都内の土地とビルを相続することになりました。
* 相続人は私と兄弟の2人です。土地とビルは未分割の共有名義です。私の相続分は約500万円です。
* 兄弟は土地とビルを売却することに反対し、100万円で権利放棄するよう求めてきました。
* 福祉課は、私の持分を処分するよう指示してきましたが、兄弟が代償金を支払う意思がないため、処分が困難です。

【悩み】
兄弟の提案は不公平に感じます。裁判をして500万円の相続分を得ることは可能でしょうか？また、その場合、生活保護の返還はどうなりますか？裁判をせずに100万円で権利放棄すべきか、それとも裁判で争うべきか迷っています。

裁判で土地・建物の換価分割を請求し、500万円相当の代償金を請求するのが妥当です。

テーマの基礎知識：遺産分割と生活保護

遺産分割とは、相続人が複数いる場合、相続財産を相続人同士でどのように分けるかを決定することです。共有不動産（複数の所有者がいる不動産）の場合、原則として、不動産を分割するか、売却して代金を分割するかを検討します。

今回のケースでは、土地とビルが共有状態にあります。共有状態とは、複数の者が共同で所有権を有する状態です（民法85条）。相続人は、共有不動産を分割するか、売却して代金を分割するかのいずれかの方法で遺産分割を行うことができます。

生活保護法63条は、生活保護受給者が相続などによって財産を取得した場合、その財産を生活保護費の返還に充てることを規定しています。受給期間中の保護費の返還義務が生じます。

今回のケースへの直接的な回答

質問者様は、500万円相当の相続分を100万円で放棄するよう求められていますが、これは明らかに不公平です。裁判を起こし、土地とビルの換価分割（売却して代金を分割すること）を求めるのが妥当です。

関係する法律や制度

* **民法（特に相続、共有に関する規定）**: 遺産分割の方法、共有物の管理・処分に関するルールを定めています。
* **生活保護法63条**: 生活保護受給者の財産取得と保護費返還に関する規定です。
* **民事訴訟法**: 遺産分割調停・審判、訴訟の手続きを定めています。

誤解されがちなポイントの整理

* **100万円で放棄すべきではない**: 兄弟の提案は、質問者様の権利を著しく侵害する可能性が高いです。
* **生活保護費の全額返還とは限らない**: 63条に基づく返還は、受給期間中に支給された保護費を差し引いた残額が、質問者様の収入となります。
* **裁判は必ずしも不利ではない**: 裁判で換価分割が認められれば、質問者様は正当な相続分を得ることができます。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

法テラス（日本司法支援センター）の弁護士に相談することをお勧めします。法テラスでは、経済的に困難な方に対して、法律相談や裁判費用に関する支援を行っています。弁護士に相談することで、最適な解決策を見つけることができます。

具体的には、弁護士に依頼して、兄弟に対して換価分割を求める訴訟を起こすことを検討しましょう。裁判では、土地とビルの評価額、家賃収入、兄弟の経済状況などを証拠として提示し、500万円相当の代償金の支払いを求めます。

専門家に相談すべき場合とその理由

* 相続問題、特に共有不動産の分割は複雑です。専門家の助言なしに解決するのは困難です。
* 裁判手続きは専門知識が必要です。弁護士に依頼することで、手続きの効率化と権利擁護が期待できます。
* 生活保護費の返還についても、専門家の助言が必要となる場合があります。

まとめ（今回の重要ポイントのおさらい）

兄弟の提案は不当であり、裁判で換価分割を求めるのが妥当です。法テラスを利用して弁護士に相談し、適切な手続きを進めましょう。裁判の結果、500万円相当の代償金を得ることができれば、生活保護費の返還後、残りの金額で自立を目指せます。ただし、裁判には時間と費用がかかります。弁護士と相談し、状況を踏まえた上で最善の戦略を立てましょう。