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相続で未分割共有のテナント収入!相手方の持ち分を買い取る方法と注意点

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テナントから入ってくる家賃収入を使って、兄弟姉妹の持ち分を買い取ることは可能でしょうか? 合意を得ずに、私の受け取るテナント収入の分だけを充当することは法律的に問題ないのでしょうか?不安です。
まず、共有不動産(複数の所有者が共同で所有する不動産)について理解しましょう。相続によって不動産を相続した場合、相続人全員が共有者となります。この状態では、単独で自由に処分したり、収入を独占したりすることはできません。 今回のケースでは、土地と建物が兄弟姉妹で共有状態にあるため、テナント収入も共有財産であり、全員で分配する必要があります。
結論から言うと、相続で未分割の共有状態にあるテナント収入を、相手方の合意なしに自分の持ち分だけで相手方の持ち分を買い取るための代償金として利用することは、法律上認められません。 共有財産であるテナント収入は、共有者全員で公平に分配すべきものです。
民法(特に共有に関する規定)が関係します。民法では、共有者は互いに平等に共有物を使用、収益する権利を持ち、一方的に使用を制限したり、収益を独占したりすることはできません。 仮に、勝手にテナント収入を自分の持ち分買い取りに充てた場合、他の共有者から損害賠償請求を受ける可能性があります。
「自分の持ち分分の収入だから自由に使える」と考える人がいますが、これは大きな誤解です。共有状態にある限り、収入も共有財産であり、個々の共有者の持ち分比率に応じて分配しなければなりません。 たとえ、あなたがテナントとの賃貸契約を管理していたとしても、収入は共有財産です。
兄弟姉妹との合意形成が最善です。話し合いによって、持ち分の買取価格や支払方法などを決めましょう。 合意が難しい場合は、裁判所に共有物の分割を請求することができます(民法306条)。裁判所は、公平な方法で共有物を分割するよう命じます。 この場合、テナント収入は、分割が完了するまで、共有者全員で公平に分配されます。 分割の方法としては、現物分割(土地や建物を実際に分割する)、換価分割(売却して代金を分割する)などがあります。
相続や不動産に関する法律は複雑です。兄弟姉妹との話し合いが難航したり、裁判を検討する必要がある場合は、弁護士や司法書士に相談することを強くお勧めします。専門家は、法律に基づいた適切なアドバイスとサポートを提供してくれます。 特に、高額な不動産や複雑な相続の場合、専門家の助けは不可欠です。
未分割共有状態のテナント収入は、共有者全員の共有財産です。 相手方の合意なしに、自分の持ち分買い取りに充てることはできません。 合意形成を目指し、困難な場合は裁判所への分割請求を検討しましょう。 専門家のアドバイスを受けることで、スムーズな解決に繋がるでしょう。 共有不動産に関するトラブルは、早期の専門家への相談が重要です。
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