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相続で特定遺贈された土地の相続拒否は可能?公正証書遺言と相続放棄の落とし穴

【背景】
父が亡くなり、相続手続きを進めています。父は生前に公正証書遺言を作成しており、その中で私に特定の不動産(土地)以外の財産を特定遺贈する旨が記載されています。しかし、その土地は管理が大変で、相続したくないと考えています。

【悩み】
特定遺贈された不動産の相続を拒否することはできるのでしょうか?相続放棄とは違うのでしょうか?もし拒否できない場合、どのような手続きが必要になるのでしょうか?不安なので、詳しい解説をお願いします。

特定遺贈された土地の相続は、原則として拒否できません。相続放棄とは異なります。

特定遺贈と相続放棄の違い

まず、相続と遺贈の違いを理解することが重要です。相続とは、被相続人(亡くなった人)が遺言を残さずに亡くなった場合、または遺言にない財産について、法律で定められた相続人が財産を承継することです(民法第880条)。一方、遺贈とは、被相続人が遺言で特定の人に財産を贈与することです。遺贈には、特定遺贈と包括遺贈があります。

特定遺贈とは、遺言で「Aさんにこの土地を贈与する」のように、具体的な財産を指定して贈与することです。一方、包括遺贈とは、「Aさんに私の全財産を贈与する」のように、具体的な財産を指定せずに、全ての財産または残りの財産を贈与することです。

今回のケースは特定遺贈なので、遺言で指定された土地を相続人が受け取る義務が生じます。相続放棄は、相続開始を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述することで、相続を放棄できる制度です(民法第915条)。しかし、特定遺贈された財産については、相続放棄の対象とはなりません。

特定遺贈された土地の相続拒否について

特定遺贈された土地の相続を完全に「拒否」することはできません。しかし、相続によって生じる債務(土地に係る税金や借金など)を負いたくない場合、相続を承継した後に、その土地を売却したり、他の相続人に譲渡したりするなどの方法があります。

関連する法律

このケースに関連する法律は、民法です。特に、民法第900条(特定遺贈)と民法第915条(相続放棄)が重要です。

誤解されがちなポイント

「相続放棄すれば特定遺贈された土地も放棄できる」と誤解している人がいます。しかし、相続放棄は相続全体を放棄する制度であり、特定遺贈された財産は相続放棄の対象外です。

実務的なアドバイス

特定遺贈された土地の管理が困難な場合は、以下の方法を検討できます。

* **売却:** 土地を売却し、売却代金を自由に使うことができます。
* **相続人に譲渡:** 他の相続人に土地を譲渡することも可能です。この場合、譲渡価格や譲渡条件については、相続人同士で話し合う必要があります。
* **信託銀行への委託:** 土地の管理を信託銀行などに委託することもできます。

専門家に相談すべき場合

土地の売却や譲渡、信託銀行への委託など、複雑な手続きが必要な場合、弁護士や税理士などの専門家に相談することをお勧めします。特に、高額な土地や複雑な権利関係がある場合は、専門家のアドバイスが不可欠です。

まとめ

特定遺贈された土地の相続は、原則として拒否できません。相続放棄とは異なる制度であることを理解し、土地の管理が困難な場合は、売却、譲渡、信託銀行への委託などを検討し、必要に応じて専門家に相談しましょう。 遺言の内容をよく理解し、適切な手続きを進めることが重要です。

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