相続で預貯金だけを相続！遺産分割協議書の書き方と注意点

相続と遺産分割協議書の基本

相続とは、被相続人（亡くなった人）の財産が相続人（法律で定められた相続権を持つ人）に引き継がれることです。相続財産には、預貯金、不動産、株式など様々なものが含まれます。遺産分割協議書とは、相続人全員が相続財産の分け方を決めるための合意書です。この合意書がないと、相続財産の分割がスムーズに進まない可能性があります。

預貯金のみの相続と遺産分割協議書

今回のケースでは、預貯金のみを相続したいとのことです。これは、遺産分割協議書において、預貯金だけを記載することで可能です。相続財産に不動産やその他の財産が含まれていないことを明確に記述すれば問題ありません。

遺産分割協議書の具体的な書き方

遺産分割協議書には、次の項目を必ず記載しましょう。

• 被相続人（亡くなった方）の氏名、住所、生年月日
• 相続人（相続権を持つ方）の氏名、住所、生年月日、続柄
• 相続財産（預貯金）の明細：預金の種類、金融機関名、口座番号、預金残高を具体的に記載します。全額と記載しても問題ありませんが、正確な金額を記載することをお勧めします。
• 遺産分割の内容：今回のケースでは、「被相続人の預貯金を相続人である○○（質問者）が全額相続する」と明確に記載します。
• 相続人の署名・実印：全ての相続人が署名し、実印を押印する必要があります。実印とは、印鑑登録をしている印鑑です。印鑑証明書を添付する必要があります。
• 日付

複数枚に分割して作成することは問題ありません。ただし、全てのページに相続人全員の署名と実印を押印する必要があります。

相続に関連する法律

相続に関する法律は、民法（特に第900条以降）に規定されています。遺産分割協議書は法律上の強制力はありませんが、相続人全員が合意した証拠となる重要な書類です。将来、相続に関するトラブルを避けるためにも、正確に作成することが重要です。

誤解されやすいポイント

「預貯金全額」と記載することについて、曖昧な表現だと誤解される可能性があります。具体的に金額と口座番号を記載することで、誤解を防ぎ、後々のトラブルを回避できます。

実務的なアドバイス

遺産分割協議書の作成は、専門家（弁護士や司法書士）に依頼するのが安心です。特に、相続財産に複雑な要素が含まれている場合や、相続人同士の間に何らかの問題がある場合は、専門家のアドバイスを受けることを強くお勧めします。

専門家に相談すべき場合

相続人同士で意見が合わない場合、相続財産に複雑な要素（不動産、株式など）が含まれている場合、税金に関する相談が必要な場合などは、弁護士や司法書士などの専門家に相談しましょう。

まとめ

遺産分割協議書は、相続財産の分割をスムーズに進めるための重要な書類です。預貯金のみの相続であっても、正確な情報を記載し、相続人全員の署名と実印を押印することが大切です。不明な点がある場合は、専門家に相談することをお勧めします。 特に、相続税の申告が必要となる場合、専門家のアドバイスは不可欠です。(相続税の申告が必要かどうかは、相続財産の総額によって異なります。)