- Q&A
相続と共有名義の不動産:義父の遺産と固定資産税の負担、姉妹とのトラブル解決策

共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック【悩み】
主人が亡くなった後、義父との共有名義の不動産の相続について、主人の姉妹から遺産はもらえないのに固定資産税を支払う必要があるのか疑問に思っています。どうすれば良いのでしょうか?
まず、相続とは、人が亡くなった際に、その人の財産(不動産、預金、債権など)が相続人(配偶者、子、親など)に引き継がれる制度です(民法879条)。共有名義とは、複数の所有者が一つの不動産を共有する状態を指します。今回のケースでは、ご主人と義父が共有名義で不動産を所有していたため、義父が亡くなった時点で、その不動産の所有権はご主人と義父の相続人に共有されることになります。
ご主人の姉妹は、相続放棄(民法915条)をした可能性があります。相続放棄とは、相続人が相続財産を受け取らない意思表示をすることです。相続放棄をすると、相続財産を受け取る権利だけでなく、相続債務(固定資産税など)を負う義務からも解放されます。しかし、ご主人の姉妹が相続放棄をしたとしても、ご主人が亡くなった時点で、ご主人の相続人(おそらく配偶者やご本人)が義父の持分を相続することになります。そして、その相続された不動産について、固定資産税の負担義務は、名義変更が完了するまで、ご主人(の相続人)が負うことになります。
このケースには、民法(相続に関する規定)と地方税法(固定資産税に関する規定)が関係します。民法は相続の発生、相続人の範囲、相続放棄などを規定しています。地方税法は、固定資産税の納税義務者や納税方法などを規定しており、所有者(名義人)が納税義務を負うとされています。
「遺産はもらわない」という発言と「固定資産税を払う」という要求は、一見矛盾しているように見えます。しかし、相続放棄は相続財産全体を放棄するものであり、固定資産税の負担義務を放棄するものではありません。相続放棄をした場合でも、相続開始(被相続人が死亡した時点)から相続放棄をするまでの期間の固定資産税は、相続人が負担する必要があるのです。
ご主人の相続手続きを進める必要があります。まず、ご主人の遺産分割協議を行い、不動産の所有権を明確にする必要があります。相続放棄をしたご主人の姉妹は、遺産分割協議には参加しません。遺産分割協議がまとまれば、名義変更の手続きを行い、固定資産税の納税義務者も変更されます。 もし、遺産分割協議が難航する場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることもできます。
相続手続きは複雑で、法律の知識が必要な場合が多いです。今回のケースのように、相続放棄や共有名義、遺産分割協議など、複数の法律問題が絡んでいる場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することを強くお勧めします。専門家は、適切なアドバイスを与え、手続きをスムーズに進めるお手伝いをしてくれます。特に、ご主人の姉妹との間でトラブルが発生している場合は、専門家の介入が不可欠です。
* 共有名義の不動産の相続では、相続放棄をした相続人でも、相続開始から放棄申述までの固定資産税は負担する可能性がある。
* 遺産分割協議を行い、不動産の名義変更手続きを進める必要がある。
* 相続手続きは複雑なため、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めする。
相続問題は、感情的な問題も絡みやすく、複雑な手続きを伴うため、一人で抱え込まず、専門家の力を借りることが重要です。早めの相談が、円滑な解決につながります。
共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック