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相続と土地放棄:兄弟間の遺産分割と高齢母の土地活用について徹底解説

【背景】
* 父が亡くなり、相続手続きを進めています。
* 現金財産は私と兄、母で相続予定です。
* 兄は親の所有の土地を放棄したいと言っています。
* 母は寝たきり状態で意思疎通が難しい状態です。
* 母は兄の後見人になっています。
* 私と母で土地を相続し、母名義で家を建て直したいと考えています。
* 母の預金からお金を借りたいと考えています。

【悩み】
兄は土地だけを放棄し、現金財産だけを受け取ることができますか?
母が寝たきりなので、兄の承諾だけで母名義で家を建て直すことは可能ですか?
兄が母の後見人なので、兄の承諾があれば母のお金を借りることは可能ですか?

相続放棄は可能ですが、条件があります。後見人制度と借入は複雑です。専門家への相談が推奨されます。

相続放棄と土地の扱い

相続放棄の基礎知識

相続とは、被相続人(亡くなった人)の財産が相続人(法律上の相続権を持つ人)に引き継がれることです。相続財産には、現金や預金などの動産(不動産以外の財産)と、土地や建物などの不動産が含まれます。相続人は、相続開始を知った時から3ヶ月以内に、家庭裁判所に相続放棄の申述をすることができます(民法第1015条)。相続放棄をすると、相続財産を受け継がない代わりに、相続債務(被相続人の借金など)も負うことはありません。

今回のケースでは、兄は相続財産の一部である土地を放棄したいと考えています。相続放棄は、原則として相続財産全体を放棄する必要があります。土地だけを放棄することはできません。しかし、遺産分割協議(相続人同士で相続財産の分け方を決める協議)によって、兄が土地の相続分を放棄し、代わりに現金を受け取るという合意が成立すれば、事実上土地だけを放棄した状態になります。

今回のケースへの直接的な回答

兄は、土地を放棄して現金財産だけを受け取ることは、単独ではできません。他の相続人との遺産分割協議が必要になります。協議の結果、兄が土地の相続分を放棄し、代わりに他の相続人から金銭を受け取るという合意が成立すれば、問題ありません。

遺産分割協議と法律

遺産分割協議は、民法第900条以下に規定されています。相続人全員の合意によって行われます。合意が成立すれば、その内容に従って相続財産が分割されます。合意が成立しない場合は、家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てることができます。

誤解されがちなポイントの整理

「土地を放棄する」という表現は、正確には「相続を放棄する」または「遺産分割協議において土地の相続分を放棄する」となります。土地だけを放棄することはできません。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

兄と話し合い、遺産分割協議を行いましょう。弁護士や司法書士などの専門家に相談しながら協議を進めることをお勧めします。協議が難航する場合は、家庭裁判所の調停を利用することもできます。

例えば、土地の評価額を不動産鑑定士に依頼して査定してもらい、その金額を兄に現金で支払うという方法が考えられます。

高齢母の土地活用と後見人

後見制度の基礎知識

後見制度とは、認知症などで判断能力が不十分な人を保護するための制度です。成年後見人、保佐人、補助人が選任され、それぞれ必要な範囲で本人の財産管理や身上監護を行います。

母名義の土地に家を建て直すことについて

母が寝たきり状態であること、意思疎通が難しいことから、母自身で土地の活用を決定することは困難です。兄が母の成年後見人であれば、兄の同意を得る必要があります。ただし、単なる同意だけでなく、家庭裁判所に必要な手続きを行い、後見監督人(後見人の行為を監督する人)の許可を得る必要がある可能性が高いです。

母のお金を借りることについて

兄が母の成年後見人である場合、母のお金を借りるには、兄の同意だけでなく、家庭裁判所の許可が必要となる可能性が高いです。後見人は、被後見人の利益を最優先しなければならず、無断で借用することはできません。

専門家に相談すべき場合とその理由

相続や後見制度は複雑な法律問題です。遺産分割協議が難航したり、後見人に関する手続きに不安がある場合は、弁護士や司法書士に相談することを強くお勧めします。専門家のアドバイスを受けることで、トラブルを回避し、円滑な手続きを進めることができます。

まとめ

相続放棄は、相続財産全体を放棄することです。土地だけを放棄することはできませんが、遺産分割協議で他の相続人から金銭を受け取ることで、事実上土地を放棄した状態にすることができます。高齢者の土地活用や後見制度に関する手続きは複雑なため、専門家への相談が不可欠です。

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